厚木市を中心に在宅高齢者の居宅療養管理指導などを担う地域栄養ケアPEACH厚木(神奈川県厚木市、江頭文江代表)。地域の医療機関や介護事業所と顔の見える関係を築き、多職種間の情報共有に基づいた在宅ケアを展開している。
同所の管理栄養士は4人。利用者は約70人でうち要介護度4~5が6割弱を占める。嚥下機能の相談が全体の7割で、また2割弱が胃ろうを造設している。
「最初の3年間は在宅利用者の主治医からの依頼が大半だったが、最近ではケアマネジャーや訪問看護からの要望が増えてきた」と江頭氏。開設当初から地域の勉強会への参加やセミナーの開催など、直接顔を合わせるネットワークづくりに取り組んできた。医療機関の合同カンファレンスに参加し退院後のケアを請け負うケースも多い。
同氏は「栄養管理をプランに落とし込むには生活全般が見えないといけない。担当ケアマネジャーや介護職との連携は不可欠」と強調。初回訪問は利用者の食事時間に合わせて行い、普段食べるメニューを用意してもらう。栄養評価や咀嚼・嚥下機能だけでなく、誰が買い物に行き誰が調理しているか、家庭の経済力など食を取り巻く環境についてもアセスメントを行う。
担当介護職員から事前に得た身体状況などの情報とあわせて栄養プランを作成するが、「基本的にレシピは出さない」と同氏はきっぱり。「レシピという完成形は介助者へ窮屈さを与えてしまい、結果長続きしないばかりか食材の無駄にもつながる」と説明する。
同所では利用者個々の普段の献立をベースに、追加食材や惣菜の組み合わせなど細やかな工夫により栄養不足を補う。必要に応じて嚥下食なども活用。
「食事はまず楽しみありき。可能な限り日常の食事を変えずにおいしさ、食べやすさを感じてもらうことが目的」と同氏は話す。今後の課題については「地域で栄養や食の意識を高めていくこと。現場に栄養士が居なくても自然に助け合いができるようなコミュニティづくりに貢献したい」と述べた。
<シルバー産業新聞 2012年2月10日号>
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