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ケアマネジャー「家に帰りたい」を支える 保健師ケアマネ (1)2012年1月 6日00時00分

工業高校卒から保健師に

 山口で独立型ケアマネジャーとして働く松井康博さん(46歳)は、まだ珍しい男性の保健師である。大阪生まれの大阪育ち。工業高校を卒業したが、母が看護師だったことから精神科の病院で働きながら看護師免許を取得。結婚し山口に移って、1994年、30歳の時、男性の保健師もOKとなり、県の看護学校で保健師になった。

 秋穂町(現山口市)の産休代替要員として、1年間地域福祉計画策定の保健分野に関わった後、日赤病院の訪問看護で在宅の緩和ケアを経験。介護保険を機にケアマネジャーとして在宅介護に従事。小規模多機能型居宅介護が生まれて併設の居宅介護支援事業所で働いたが、2年前に在宅の緩和ケアをやりたいと独立し「松井介護支援事務所」を開いた。こうしたキャリアが評価されて、山口県居宅介護支援専門員協会の会長を務めたこともある。

「なぜ家族は迎えに来ないのか」

 大阪にいた頃、家の中で紙を燃やしてぼやを出し、在宅におれなくなり病院に入院した患者さんが、症状が治まったにもかかわらず、自宅に戻ることができないでいた。「なぜ家族は迎えに来ないのか。最初は薄情だと思ったが、家に連れ戻すためには、だれかが家にいなければならない。家に帰ることのできるしくみがいる」と、松井さんは在宅の仕事をしていきたいと感じた。

 いま、松井さんのそうした思いは、がんの末期でも「家に帰れる」に向けたケアマネジャー業務の原動力になっている。ふたりで働く「まつい介護支援事務所」では、がんの末期患者をいつも2、3人抱えている。連携する訪問看護事業所も多く、8事業所と関わる。受け入れは、病院からの退院の場合と在宅でがんが進行し要介護認定に至る場合がある。後者の方が、重度者が多い。医療保険で訪問診療や訪問看護を受けながら、症状コントロールを受けてきた人が、歩くのがたいへんになり、ベッドが必要になったので要介護認定の申請をしたいなどのケースがある。

欠かせない福祉用具の活用

 「しかし病院志向が圧倒的です。本人は、子どものいる家でいっしょにいたいが、それでは家族に迷惑をかける、と。家に居続けることで、家族や周囲に生きる尊厳を伝える役割を果たしていると思うのですが」

病院で働いている時、蘇生は極めて困難であるのに、家族を病室の外へ出して心臓マッサージをしていた自分がいた。在宅であれば、最期まで家族はいっしょに過ごせる。看てあげられたという気持ちが後々まで家族には残る。

 動きが落ちてくると訪問入浴やヘルパーの導入を考えることになるが、まずは福祉用具の活用を進める。すぐに対応してもらわないと間に合わないケースが多く、多数の福祉用具事業者とも連携している。進行が早ければ、数日でマットレスを交換することもある。動ける時はある程度の固さがありお尻の部分は除圧するタイプのマットレスを使っていても、別のタイプが「今日いる」ということもある。対応は事務的だがフットワークは軽い事業所もあれば、家族の話をよく聞いてくれるレンタル事業所もあり、利用者との相性を考えて選択するという。

(2)に続く

<シルバー産業新聞 2011年12月10日号>

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