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ビジネス【特集】在宅介護の基礎を支える特殊寝台2014年12月24日08時00分

利用者の自立支援介助者の負担軽減

 在宅介護の限界点を高める「地域包括ケア」を実現するために、一番の基本となるのは、在宅の療養環境を整えることである。その中で特殊寝台は、人間の活動の基本である睡眠を安全・快適に確保するだけでなく、介護が必要な人の起き上がりや立ち上がりをサポートし、介助者の負担をも軽減する、在宅介護の基礎となる福祉用具といえるだろう。本特集では、特殊寝台の選び方や給付状況、安全性への取り組み、各メーカーから出された最新製品をまとめた。

【特殊寝台の特徴と選び方】

生活や住環境、負担の変化を考える

 特殊寝台は主に①背上げ②脚上げ③昇降――の3つの機能を持ち、寝具の落下を防ぐベッド柵を取り付けられるのが特徴。

 最近では、背上げの際に背中の圧の軽減を行ってくれるものや、ベッド柵が背の床板とともに上がってくるもの、昇降機能の高さがこれまで以上に高いものや、反対に低いものまで、各メーカーから多様な機能を持った製品が発売されている。

 特殊寝台を選ぶ際は、デザインはもちろんのこと、それを使うことで、自らの生活や住環境、さらには介助者の負担がどのように変化するのかなどを考えながら検討することが必要だ。

 その際、ケアマネジャーだけでなく、福祉用具専門相談員やセラピストなどにも相談すると、より自分に合った特殊寝台を選定できるようになる。

【給付状況で見る特殊寝台の需要】

給付抑制で激減後、順調に回復

1210bed.jpg 介護保険における特殊寝台のレンタル需要は、在宅介護の療養環境を整える観点から、制度創設以降、順調な拡大を見せていた。しかし、2006年度の介護保険制度改正を機にその需要は、一気に激減することになる。

 特殊寝台などの福祉用具が、軽度者には「使用が想定しにくい」との理由で、国が要支援~要介護1までの利用を「原則、給付の対象外」としたためだ。

 これにより、06年4月時点では71億2,490万円(1単位10円で計算)あった特殊寝台の給付額が、翌年4月には48億7,025万円と、1年間で3割以上も縮減されることになった(図)。

 給付件数も、06年4月時点の70万8,000件から48万8,000件に激減。福祉用具貸与事業者の倉庫には、返却されたベッドが山積みとなり、寝床を奪われた利用者の多くが、その必要性から、使用していた特殊寝台を購入したり、事業者と相対契約を結び、自費でレンタルサービスを受けるなどの対応を迫られる事態となった。

 これ以降、いわゆる「自費ベッド」と呼ばれる介護保険制度外でのサービスが、多くの事業者で提供されるようになっている。

 一方、本来、福祉用具が必要な人にまで給付抑制を行った厚労省には、「貸し剥がし」などの批判が殺到し、現場の声に押される形で、翌年4月に、必要性が認められれば、要支援~要介護1でも例外的に給付を認める見直しが行われた。

 その後、特殊寝台の給付額の推移は、毎年おおよそ5%程度の伸びで拡大を見せ、直近の14年4月時点では、69億8,812万円にまで回復。給付件数では、76万9,000件と、こちらは06年4月時点の70万8,000件を上回り、過去最高の利用件数となっている(表)。

【特殊寝台の安全性の取り組み】

JIS改定や注意喚起で事故減少

1210bed2.jpg 在宅介護の基礎を支える福祉用具として需要が拡大している特殊寝台だが、一方で安全に使用するという視点が不可欠だ。

 製品評価技術基盤機構が9月12日に発表した内容によれば、09年度から13年度末までの5年間に、特殊寝台に関わる製品の事故は79件報告されており、そのうち24件が死亡事故となっている。

 特にベッドや柵のすき間に体を挟み込む事故が多発しているため、利用する際は、挟み込みが起きないよう、福祉用具専門相談員やケアマネジャーなどに相談することが大事だ。

 また、09年3月には「在宅用電動介護ベッド」のJIS規格が改定され、首などの挟み込みが起きないように、すき間の間隔を狭めた基準の製品が出荷されるようになっている。

 さらに、特殊寝台のメーカーで構成される医療・介護ベッド安全普及協議会が、特殊寝台を安全に使用するためのパンフレット(右写真)やツールを作成し、行政機関や関係団体を通じて、注意喚起などの対策を積極的に講じてきた結果、近年は重大事故の発生件数が大幅に減少してきている。

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