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ビジネス福岡市「クローバー」 自動排泄処理装置で導入実績2014年10月16日08時05分

利用者・家族のQOL向上を提案

 排泄の自立を目指して、介護保険制度では、福祉用具貸与・販売の中に「自動排泄処理装置」「腰掛便座(ポータブルトイレ)」が位置づけられている。中でも2012年4月には、自動排泄処理装置が福祉用具貸与対象(本体部分)となった。老老介護での夜間のおむつ交換の負担感軽減や本人の安眠の確保、夜間のトイレ移動による転倒転落事故防止など期待される効果は高い。ただ、全国で月あたりの貸与件数は1200件(14年6月審査分)と苦戦を強いられている。こうした中、福岡市の福祉用具事業者の「クローバー」(内山知史社長)は、排泄に関する用具・機器の導入実績が多い。導入にあたってのポイントは「利用者や家族を説得するのではなく、納得させること」と同社福祉用具専門相談員の井上愛子さんはいう。

0912clover.jpg排泄の自立の重要性

 福岡市の福祉用具事業所「クローバー」は九州北部で貸与・販売事業を展開する。99年に二輪車の輸入卸売商社として始まった同社は、電動カートの卸売り販売にも参入。介護保険制度以降は電動カートレンタルを軸に事業展開を図ってきた。「現在でも電動カートを約500台貸出ししている」と内山益郎会長。メンテナンス体制や技術が整っていることもあり、同業他社が敬遠するような用具・機器も積極的に取扱ってきた。

 排泄関連でも、自動排泄処理装置を積極的に展開している。「同業他社がしないのであれば我々が取り組む。取り組むとなれば、レンタル卸ではなく、自社所有とすべき。商売上の話だけではなく、必要とする利用者がいるのであれば、責任をもって取り組むことが福祉用具事業者の責務」と内山会長。

 今年5月から扱い始めた尿対応の自動排泄処理装置「ヒューマニー」(ユニ・チャームヒューマンケア)でいえば、数カ月の間に10台以上導入した。

 このほかにも、ポータブルトイレでは、売れ筋の主力製品のほかに、自動ラップ式トイレ「ラップポン」(日本セイフティー)や、自動排泄処理装置「マインレット爽」(大和ハウス工業)などを扱う。

ケアマネ、利用者に”納得”を

 こうした特色ある製品の場合、ほかの製品に比べて、アセスメント・選定を万全にする必要があり、利用者や本人への説明・同意に労を要することがある。せっかく導入できたとしても、利用者の身体状況や家族の介護力、住環境などが見立てと違って、即返却ということも考えられるからだ。

 同社福祉用具専門相談員の井上愛子さんは「排泄関連の機器の場合、特に身体介護と合わせて検討するのがポイント。担当ケアマネジャーへのサービス計画についての説明でも、ヘルパー出身のケアマネジャーには非常によく理解してもらえる」と話す。

「ヒューマニー」で自立支援

 自動排泄処理装置には①尿のみ対応タイプ②尿も便も対応タイプ――の2種がある。対象者についても、①の場合は介護度にかかわらずすべて、②の場合は要介護4、5の人であり、かつ必要性について十分検討することと規定されている。これは、自立支援の観点から、尿漏れ症状はあっても、排便は自主的にできる人にまで自立の機会を失わせないようにという観点から。

 言い換えれば、尿のみ対応するタイプは、自立支援の観点からの活用も考えることができる。

 たとえば夜間のみ使用し、日中はポータブルトイレやトイレでの排泄を促すというもの。本人にとっては、夜間のトイレ移動で多い転倒転落事故の防止につながり、家族介助者にとっても、夜間に安眠ができ、日中の介助に力いっぱい向かいあうことができるようになる。介護者も、介助者も両方を支援することが期待できる。

排泄ケアと人間の尊厳

 井上さんは「ヘルパーと一緒に同行すれば、ほぼ100%で導入に結びつく。その際に、家族やヘルパーをどう説得しようかではなくいかに納得してもらおうかといったアプローチが大切」と話す。導入により、ADLが向上することは当然として、利用者や家族にとって重視するのは、生活の質であるQOLの向上にどう結びつくのかを説明することが重要ということである。

 井上さんによれば「介護疲れから殺してしまいたいという状況まで追い込まれていたが、昼夜を問わない排泄ケアから解放され、パッと雲が晴れたと聞かされた。それほどまでに人間の尊厳にまでかかわる問題解決を提案できていることにやりがいを感じた」と排泄ケアの重要性と、やりがいを語る。

福祉用具専門相談員のモチベーション向上のために

 メンテナンスの大変さにより、取り扱わない事業者も多いとされるが「これまでのメンテナンスは尿石詰まりを清掃したくらい。洗浄についても、メーカー推奨のやり方に従えば、特段難しくはない」と内山知史社長。

 「リスクを取らないために、レンタル卸を使用する方法もあるが、マージンを考えれば、ますます取り組む意欲がなくなる。自社所有し、腰を据えて取り組むと面白い商品だ。専門相談員のモチベーションも高まる」と内山会長はいう。

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