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ビジネス【特集】介護食品売れ筋動向(濃厚流動食編)2014年10月15日08時00分

「少量高栄養」の飲料タイプが人気食欲が低下した高齢者に配慮

 「売れ筋動向に見る介護食品マーケット」シリーズ最終回は「濃厚流動食」を取り上げる。過去2回と同様、介護用品卸大手のウェルファン、ケアマックスコーポレーション、豊通オールライフよりデータ提供を受けた。介護卸ルートでは明治、キユーピー、クリニコ、和光堂の4社が存在感を見せる。製品の特性でみると、食欲の低下した高齢者が負担なく栄養を補える「少量高栄養」の飲料タイプが上位のほとんどを占めた。

0923rank.jpg在宅介護者の6割が低栄養傾向

 厚生労働省によると、在宅介護を受ける高齢者全体の6割以上が「低栄養状態」または「低栄養になるおそれ」に該当し、低栄養傾向にあるという。また今年3月に同省がまとめた「日本人の食事摂取基準2015年」では、後期高齢者が要介護状態になる原因の一つに高齢による衰弱があり、低栄養との関連が極めて高いと報告された。

 ただ摂食嚥下機能の低下や食欲減退、偏食などの理由から、通常の食事だけでは改善が難しい高齢者も多い。そういったニーズに応えるのが、高栄養の濃厚流動食だ。

 富士経済の発表によれば、2012年の流動食の市場は659億円。11年は東日本大震災による工場被災や容器不足の影響で前年割れとなっていたが、12年は震災以前の水準に回復した。施設と在宅別では施設用が9割を占めるが、価格競争が激化する施設用は今後伸び率が鈍化すると分析。一方、明治やクリニコの親会社である森永乳業が在宅用の販売強化を進めているとした。

機能と食事の楽しさの両立を

 順位はそれぞれ異なるものの3社全てで明治とキユーピーが上位に挙がった。クリニコと和光堂も2社でランキング入りを果たしている。介護卸ルートを通じての供給力が高い4社とみてよいだろう。

 売れ筋製品を個別にみると、食事量が低下した高齢者に向けた「少量高栄養」がキーワードになっている。しかし各社とも、少なすぎないよう一定の容量は保ち、また豊富な味のバリエーションを揃えることで、栄養摂取の効率性と「食べる楽しさ」とのバランスをとっている。

 クリニコの「E―7Ⅱ」を除いて、今回ランキング上位に挙がったのは全て飲料タイプの製品。飲み物として食事と一緒に摂ることで、利用者が負担感なく栄養を補える。咀しゃくなど食べる力が低下した人にも飲み物であれば手軽に摂取しやすい点も飲料タイプのメリットだ。

 明治の「メイバランスMini」は、125と小容量ながら200kcalのエネルギーや7.5gのたんぱく質などの必要栄養素を1本で摂取できる総合栄養飲料。たんぱく質をさらに強化した「メイバランスArgMini」もある。

 同社によると、メイバランスMini全体での2013年売上実績は、10年と比較して7倍ほどに拡大。今年はさらに倍の売上を見込む。9月19日より、在宅用は「明治メイバランスminiカップ」としてリニューアル。容器を紙パックからカップに変更し、栄養成分も一部見直した。今回のリニューアルをきっかけに、これまで主要ターゲットだった要介護者に加え、健康に不安を抱える一般高齢者なども取り込みたい考えだ。

 キユーピーの「ジャネフファインケア」も1本125で200kcalを摂れる。赤血球を形成する鉄や味覚を保つ亜鉛なども配合。ほどよい甘さの「ファインケア」と甘さを控えた「ファインケア すっきりテイスト」があり、甘さの好みに応じて選べる。全9種類の味を揃え、同社オンラインショップでは、「バナナ味」が最も人気だ。

 クリニコの「E―7Ⅱ」はランキング商品の中では唯一、経口食でなくチューブから摂取する製品。ナトリウム含有量が多く、塩分も強化する。亜鉛、銅、マンガンなどの微量元素も含み、栄養面から床ずれを予防する。加水量が多いタイプは、栄養と同時に水分補給もできる。

 クリニコの「エンジョイクリミール」は容量125の飲みきりタイプながら、脂質25%でしっかりと栄養補給ができる。エネルギーは200kcal。ストローを太くし飲みやすさにも配慮する。全6種類の味から選べ、一番人気は「あずき味」。同社は流動食に限らず、これまで病院中心の販売展開に注力してきた。退院時の食事指導などで病院から推奨され、在宅での継続利用につながっている。

 和光堂の「飲む栄養プラス」も200kcalのエネルギーとたんぱく質8.2gを1本(125)で補給できる。栄養の質を評価する指標の一つである「PFCバランス(3大栄養素の熱量バランス)」を整えた。高齢者にもどこか懐かしい「コーヒー味」「いちご味」など全5種類。

「濃厚流動食」・・・少量でエネルギー、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどがバランスよく摂取できる食品。総合栄養食品ともいう。

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