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ビジネス【特集】売れ筋動向に見る介護食品マーケット①2014年7月29日08時05分

<レトルト・やわらか食編>

多様なメニュー・本格嗜好など好評

最近は高級品も登場、支持が拡大

 本号から3回にわたり、「売れ筋動向に見る介護食品マーケット」シリーズを連載する。1回目の今回は、レトルトタイプのやわらか食品を取り上げる。次回の8月号は「とろみ調整剤」、9月号では「濃厚流動食」に焦点を当て、売れ筋製品をピックアップする。データはウェルファン、ケアマックスコーポレーション、豊通オールライフから提供を受けた。介護食品は用途別には、一般用と業務用に大別される。一般用で主流を占めるレトルト製品では、わが国で初めて、市販用の高齢者食品を発売したキユーピー製品が他社品を圧倒。また従来、介護食品の単価の高さが指摘されてきた一方で、最近では一品350~400円の高額品も登場するようになり、介護食品の裾野を拡大している。

UDFでは「常温タイプ」がトップシェア

 日本介護食品協議会はこのほど、ユニバーサルデザインフード(UDF)の生産金額を発表した。それによると2013年の生産金額は134億8,100万円(前年比24.5%増)で、そのうちレトルトパウチ製品が含まれる「常温タイプ」は49億300万円。占有率は36.4%で、「冷凍タイプ」の34.5%を僅かに抑えて、最も汎用されているタイプだ。

 介護食品市場においてプレゼンスの高いマルハニチロや森永乳業グループのクリニコ、ハウス食品等は流通ルートの関係からか、本売れ筋データにはピックアップされなかった。

 3社のデータすべてで、トップの取り扱いになったのが、キユーピー製品だった。介護用品ルートに限らず、介護食品マーケット全体としても、同社はトップシェアを獲得していることが見込まれる。それは、数社のドラッグストアの売れ筋データからも裏付けられている。

 キユーピーの売れ筋は、ウェルファンと豊通オールライフ両社ともに、同社の主ブランド「やさしい献立」シリーズ。ケアマックスが「やわらかおかず」としているが、これも「やさしい献立」シリーズの中に位置づけられているので、レトルト領域では同シリーズが最も支持を集めている。同社によれば、シリーズの中では「やさしい献立 やわらかごはん」が売れ筋という。

 同社は今年2月に「やさしい献立 ゼリー寄せ」を新発売。ゼリー寄せを取り入れることで、単調になりがちな献立にメリハリが付けられると好評だ。末端ベースで年1億円が販売目標。

明治・和光堂等がキユーピーを追随

 2位以下の売れ筋メーカーは、各社まちまち。特徴的なのがウェルファンと豊通オールライフ両社で、2位にホリカフーズの「おいしくミキサー」シリーズがランクされている点。同社は、ドラッグストア・スーパーマーケットルートには製品供給せずに、介護系ルートに絞っているため、介護用品卸においては他社メーカーに比べ、上位にランキングされたものと理解できる。

 同社の「おいしくミキサー」シリーズは、UDF区分4に分類される。特徴は以下の3点。①ミキサー食であること、②主食、主菜、副菜、箸休め、デザートとラインナップが豊富で、献立として提案できること、③肉や卵など素材を単品でミキシングしているため味が分かりやすいこと。売れ筋製品は、同社によると「白がゆ」。主食のために利用者の使用頻度が高く、売れ行きが伸びているという。来年には、区分3にカテゴライズされた新製品を発売予定。

 以下は明治の「明治やわらか食」シリーズや、和光堂「食事は楽し」シリーズがランクインした。両社とも、介護食品市場全体で見た場合、キユーピーに続く大手メーカーと想定されている。

 「明治やわらか食」は今年3月にリニューアルしたばかり。「野菜の煮物」「野菜シチュー」など和洋中14アイテムをラインナップする。また、同時期に新発売した高級品「聘珍茶寮 中華シリーズ」が、業界の注目を集めたのは記憶に新しいところ。「明治やわらか食」シリーズの価格帯が一品200円に対し、同シリーズは350~400円と高めに設定。それでも「本格的な中華味が楽しめる」と好評だ。

 和光堂は、「食事は楽し」シリーズのレトルトタイプを、2007年から展開してきた。その後、10年に新発売した同シリーズの「ふっくら雑炊」が火付け役となり、同シリーズの支持を一気に広げた。ふぐ、ふかひれ、かに雑炊など高級感のある素材も使用、食へのこだわりが売れ行きに反映されている。以後、「やわらかお肉料理」「やわらかお魚料理」「いろどりお野菜」などシリーズを拡大している。

 今年7月には「ふっくら雑炊」全7品をリニューアル。鰹節専門店「にんべん」と共同し、各メニューの素材に適しただしを選んだ。素材の風味を引き立て、本格的な味わいが楽しめる。

「やわらか食」・・・摂食・嚥下能力(噛んだり飲み込む力)が低下した人に配慮された食品。食べやすいよう小さく切っただけのものから、細かく刻んだもの、ペースト状のものなどもある。日本介護食品協議会のユニバーサルデザインフードでは、容易にかめる、舌でつぶせる、かまなくてもよいなど、4つに区分し、利用者に応じて選べるよう商品に表示している。

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