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ビジネス大和ハウス工業 医療・介護ロボット事業2014年4月15日08時05分

「HAL」「パロ」など主要4商品展開 導入フォロー徹底し現場とメーカーを支援

大和ハウス工業 理事 ヒューマン・ケア事業推進部長兼ロボット事業推進室長

田中一正氏

 住宅メーカー大手の大和ハウス工業(大阪市北区、大野直竹社長)は、誰もが普通に暮らせる「ノーマライゼーション社会」の実現を理念に、2008年から医療・介護現場向けロボットの販売事業に着手した。徹底した運用サポートでメーカーと現場をつなぐ役割は、ものづくり技術の実用化にはなくてはならない存在だ。同社理事でヒューマン・ケア事業推進部長兼ロボット事業推進室長の田中一正氏に同事業と市場の展望について聞いた。

0408daiwa.jpg ――ロボット事業のこれまでの取り組みと実績は。

田中 今年、ようやく生活支援ロボットのISOが発行されたが、当推進室を立ち上げた08年当時は、安全認証の仕組みも充分に整備されておらず、事業リスクは高かった。

 しかし、ロボット機器は医療・介護現場の労働力不足を補い、かつ社会コストの抑制に貢献できる。そして、誰かが市場で始めなければ技術・製品は洗練されない。そのような信念のもと、事業を開始した。

 現在は6アイテムを販売し、うち医療・介護に直接関わるのは4アイテム。

 09年にまず、自立動作支援のロボットスーツ「HAL」(サイバーダイン製)の販売を開始した。全国160カ所の病院・施設に導入し、老健大会や理学療法士学会など多くの場で症例報告もされている。治験も始まっており、医療機器となればさらなる普及促進が期待される。

 10年より販売のコミュニケーションロボット「パロ」(知能システム製)は、海外を含めると3,000台の売上。ヨーロッパでは安全適合を示すCEマークを取得し、アニマルセラピー効果のエビデンスも出ている。アメリカでは医療機器として承認を受けるなど、現在最も進んでいるロボットだといえる。

 国内では岡山市の総合特区制度で在宅へのレンタルが今年1月にはじまった。これらの成果情報を上手く活用していきたい。

 また、介護保険レンタルでの利用となる自動排泄処理ロボット「マインレット爽(さわやか)」(エヌウィック製)は販売累計270台。利用者への直接的な情報提供が希薄になりやすいぶん、ケアマネジャーを対象とした排泄ケアの研修会開催など、関連職種への周知に努めている。

 さらに、昨年7月から独占販売の免荷式リフト「POPO」(モリトー製)は、開発段階からメーカーと関わってきた。従来の吊り下げ式とは違い、装着が簡単で移動しやすい点がセラピストからの高評価につながっている。前年度の販売台数も100台を超え好調だ。

 ――使い慣れないロボットの導入にあたり、どのように現場をフォローしているか。

田中 多忙な業務に追われる現場職員に、新しい機器を使用してもらうのは簡単ではない。「置きっぱなし」にならないために、利用者・介助者にとってケアの質がどう変わるかを理解し、かつ適切な活用方法を事前にイメージしてもらうことだ。

 したがって、導入前後は現場に何度も足を運び、職員の教育を徹底するよう注力している。

 また、HALやPOPOは医師やセラピスト主導での利用が多く、われわれも身体構造など一定の専門知識が求められる。当推進室では理学療法士が3人所属し、現場との円滑な連携に役立てている。

 ――今後の事業展開は。

田中 今年度は既存の商品ラインナップを変えず、拡販と市場の活性化に努めていく。当面は病院・施設への導入が中心。成果情報をメーカーへフィードバックし、その後在宅で使いやすい仕様にシフトする流れになるだろう。加えて、積み上げた実績から各機器の運用プログラムの整備もはかる。

 また、長期的には住宅事業との連携で、住まいの中に健康管理・見守り・家事支援等のロボット技術を一体的に組み込んだ、生活空間の提供も具体化していきたい。

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