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ビジネス〈寄稿〉特定処遇改善加算のステップおさらい2019年9月19日13時24分

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小濱介護経営事務所代表 小濱道博氏

 介護職員等特定処遇改善加算(以下、特定加算)の目的は、組織の中でリーダーとしての地位を築き、他の産業同様の収入を得ることを常態化することにある。他の産業の平均収入は440万円とされており、その水準まで介護職員のリーダー職の収入を引き上げることに重点が置かれた。

 非対象サービスは、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、福祉用具貸与・販売、居宅介護支援で、これらの職員に加算を配分することは不可である。新加算の全体の算定フローを整理していく。

1.加算の算定要件の確認

 加算の算定要件は3つ。①現行の処遇改善加算Ⅰ~Ⅲのいずれかを算定②職場環境等要件で「資質の向上」「労働環境、処遇の改善」「その他」の3つの区分毎に1つ以上を実施③賃上げ以外の処遇改善の取組を見える化し、介護サービス情報公表制度、または自社のホームページで算定状況の公表(2020年度から適用)――だ。

2.加算区分の確認

 加算区分はⅠとⅡの二区分である。高い加算率の区分Ⅰはサービス提供体制強化加算の最も上位の区分を算定することが要件となる。ただし訪問介護は特定事業所加算ⅠまたはⅡ、特定施設は入居継続支援加算、特別養護老人ホームは日常生活継続支援加算の算定をもって算定可能である。それ以外は、区分Ⅱを算定する。区分Ⅰを算定している事業所が、該当する加算を3カ月以上算定出来ない場合は、変更届けを提出して4カ月目から算定区分を引き下げる。

3.賃上げを行う単位を決定

 事業所が複数ある場合、賃上げを行う単位を、法人一括または事業所毎のどちらかに決める。法人一括では、複数の事業所の職員を一括りとして配分する。なお、法人一括でも、居宅介護支援などの非対象サービスの職員への配分は出来ない。障害福祉サービスの算定の場合は、介護サービスとは別に計画作成と配分が必要だ。

4.賃上げルールを決定

(1)賃上げを行う職員の範囲を決める

 ①すべての職員を「A:経験・技能のある介護職員」「B:その他の介護職員」「C:介護職員以外の職種」に分ける。法人一括で支給する場合には、法人全体でA~Cグループを設定する。BグループはAグループ以外の介護職員。Cグループは介護職員以外の職員のグループで、管理者、看護職員、事務員などが該当する。

 看護職員兼介護職員など兼務者の配置は、事業所の裁量で決める。兼務者を、AまたはBに配置することも可能だ。但し、その理由を合理的に説明出来る配置基準を決めて、職員に告知する必要がある。事務員などが本部で一括して業務をする場合、各事業所の業務を担当していることが説明出来る場合は支給対象とする事が出来る。

 ②経験・技能のある介護職員の定義を決める。Aグループの経験とは勤続10年、技能とは介護福祉士資格を持つことを言う。勤務年数10年の期間は、自法人で括るか、前職を含めた10年で括るかを事業所のルールとして決める。

 Bグループに該当する職員の中で、介護福祉士を持つことを絶対要件として、勤続10年に満たない職員を既にリーダーの役割を担っているなどを理由としてAグループに含める事は裁量の中で認められる。

 ③A~Cの、どの職員範囲で賃上げするかを決める。加算のすべてをAで配分することも、BやCに配分することも可能である。その場合、グループの平均賃金改善額は、AはBの2倍以上、CはBの2分の1以下とする。グループ毎の配分の上限は、2:1:0.5となる。

 Cグループの平均賃金額が、Bグループの平均賃金額よりも低い場合は、BグループとCグループは、1:1までの配分が可能である。なおCグループは、その職員の年収が440万円を超える場合は支給が出来ない。

 平均賃金改善額とは、グループ毎の賃金改善額の総額を、グループの常勤換算人数で除した金額である。Cグループは、実人数での計算も可能だ。

(2)賃上げの方法を決める(配分ルール)

 ①Aグループのうち1人以上は、月額8万円の賃金増、または年収440万円までの賃金増が必要だ。介護予防を一体的に提供する場合や、介護老人保健施設や特別養護老人ホームとショートステイを一体的に提供する場合は、そのサービスを一つと見なす。法人一括処理の場合、8万円アップまたは440万円以上の職員数は、加算を算定する事業所の数だけ設ける。この場合、事業所毎に1人ではなく、法人全体のAグループで所定の人数を設ける。

 なお、8万円には介護職員処遇改善加算の支給額を含めることは出来ない。年収440万は、介護職員処遇改善加算の支給額、残業手当や通勤手当などの諸手当を含む。毎月の加算額が8万円に満たない場合など、算定額が少額な場合は設定の必要はない。

 8月の計画作成は単なる始まりに過ぎない。10月からの算定を確実に実施し、来年の実績報告書を完全に仕上げることが重要である。

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