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ビジネス短期連載 現場で役立つイライラコントロール術(最終回)2018年11月 8日09時24分

日本アンガーマネジメント協会 田辺有理子氏

【怒りの許容量を広げよう】

怒りの正体「〇〇するべき」

1007anger.jpg 今回はいつどのような内容で怒りが湧いたのかを記す「アンガーログ(怒りのメモ)」に記録した怒りを分析して、上手に相手に伝える方法を紹介します。

 アンガーログを書いていくと「こうあるべき」といった自分の価値観が見つかると思います。例えば「申し送りで聞いていないことが記録に書かれていた」という怒りの裏には「伝達事項は口頭でも伝えるべき」という「べき」が隠れているのかもしれません。

 しかし、相手にとっては「記録に書かれていることを重複して口頭でも伝える必要はない。申し送りは簡潔にすべき」という「べき」が優先されているのかもしれません。

 このような、自分が大事にしている価値観や理想など、当然だと思っている「べき」が他の人とすれ違うことで怒りが発生します。

許容範囲を広げよう

 相手の行動や出来事を「べき」「当然」などの価値観に照らしてみると①自分と同じ②自分と少し違うが許せる③許せない――の3つに分けられます。

 自分にとっての当たり前が他の人にとっての当たり前とは限りません。「その出来事は自分にとっての100点満点ではないけれど、怒るほどでもない」「違う考え方の人もいる」というように、②の少し違うが許せるという範囲を広げていくと、小さなことでもイライラせずに過ごせるようになります。

 第1回で紹介した心のコップのフチを②の少し違うが許せると③の許せないの境界線に当てはめてみると分かりやすいでしょう。少しずつコップを大きくするイメージで取組んでみてください。

 一方で、許せる範囲を際限なく広げることが良いとも言えません。介護の現場で例えると、安全が脅かされる、尊厳が守られないといった、許せないことに対しては上手に怒ることが必要です。ここまでは許せる、これは許せないという線引きを明確にしておくことが大切です。

上手に怒る=リクエストすること

 上手に怒るということは相手にリクエストやお願いすること、つまりコミュニケーションをとるということです。記録を読んで「口頭での申し送りがないのは許せない」と思う人がいたとしても、もしかしたら相手は「口頭では忘れてしまう可能性があるので共有事項は書面で残す『べき』」という考えからの行動かも知れません。

 相手の行動は受け止めつつ「特に重要なことは申し送り書だけではなく、口頭でも教えて欲しい」など、自分がどのようにして欲しいか伝えてみてください。

まとめ

1007anger2.jpg 3回にわたって怒りの原因と分析、上手に伝える方法を紹介してきました。まず怒りが湧いたら次の3つを思い出して、取組んで下さい。

 ①反射的に怒らず、深呼吸をする、メモをとるなどすぐにできる方法で冷静さを取り戻す。②その怒りは許せることか許せないか判断する。③許せない場合は相手に「何が許せないか」「何をして欲しいか」をリクエストする。

 感情的に怒ることは、虐待などの不適切ケアや、人間関係の悪化による離職などに繋がる恐れがあり、怒る側も怒られる側も負担が大きいです。是非、アンガーマネジメントを実践して、過ごしやすい環境づくりに取組んでみてください。

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