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ビジネスヒューマンライフ 瀬戸口社長 「小多機を主力事業に」2017年6月28日07時00分

0602seto.jpg 全国で91カ所の通所介護事業所などを展開するヒューマンライフケア。今年4月、同社の新社長に就任した瀬戸口信也氏は「中期的には小規模多機能型居宅介護などのサービスを主力事業の一つに育てたい」と意気込む。同氏にこれからの事業方針を聞いた。

 現職に就く以前は役員として事業戦略を担当していた。したがって体制が変わっても、事業の基本的な方向性はこれまでと変わらない。当社が今後目指すのは、利用者の在宅での暮らしをこれまで以上に支えることができる事業の構築だ。そのための柱の一つとして、小規模多機能型居宅介護や看護小規模多機能型居宅介護といった在宅生活を24時間支えるサービスを拡充する。

 我々が考える地域包括ケアは、自宅でも施設でも自分自身で住まいを選べる社会の実現だ。しかし、現実には自宅での生活を希望しながらも、やむを得ず施設に入居するケースが存在する。それぞれに事情があるだろうが、中重度者を24時間在宅で支えるサービスの供給量の不足が要因として大きい。今後高齢化が進む都市部やその周辺では特にニーズが高まる。収益面や複雑なオペレーションなど、まだ難しい事業ではあるがチャレンジする価値がある。現在は小規模14カ所、看多機2カ所を展開するが、いずれは通所介護と並ぶ主力事業の一つに位置付けたい。

アセスメントにAIやIoTの技術活用

 本当に在宅での生活を支えるには、ただ事業所の数を増やすだけでなく、提供するサービスの質も高めていかなければならない。その鍵はアセスメントだと考える。職員が常にそばにいる施設と異なり、在宅では利用者の24時間の生活を捉えることが難しい。従来のアセスメントに最新の技術を組み合わせることで、生活像を正確に把握できるのではない。例えば利用者の居室にセンサーを1週間置いてみれば、かなりの情報を客観的に把握できるはずだ。

 当社では今年3月より、2カ所の通所介護事業所で実証実験を開始した。利用者にリストバンド型のウェアラブル端末を身に着けてもらい、測定した日常生活のデータを解析し、通所介護事業所で測定した運動機能データと組み合わせて、その人にあった運動メニューを提案している。センサーやAI、IoTなどの技術を幅広く活用し、各サービスでの実用を目指していく。こうした仕組みが構築できれば、在宅の限界点を引き上げることができると考える。

人材育成を職員確保策の柱に

 また介護職員の確保は当社に限らず業界全体の課題だ。我々も適切な処遇改善や福利厚生、資格取得のサポートなど、採用市場で求められるものは当然取り組んでいくが、特に人材育成には力を注いでいく。この4月から新たな介護職員の教育・研修体系をスタートさせた。管理職以外の職員のキャリアを6段階に細分化。各階層に求められる役割、評価基準、賃金体系を明確に示し、職員がキャリアをしっかりと積み、長く働き続けられる環境を整えた。管理者以上の新しいキャリアパスも今年度中に改定する予定だ。

 新たなキャリアパスをしっかりと機能させるため、全事業所に研修を担当する「トレーナー」を配置していく。トレーナーには指導技術を学んだ社内認定資格「ゴールドマイスター」の取得を促す。小規模な在宅事業所でも研修担当者を置くことで、継続的に人を育てる組織風土を醸成し、職員のキャリアアップと離職防止を実現したい。未経験者も受け入れ、しっかりと育成できなければ人材確保は進まない。教育の強みを独自性として打ち出し、人材確保、さらにはサービス品質の向上へ繋げていく。

 今年11月から介護分野に対象が広がる技能実習制度での受け入れも積極的に行う方針だ。ヒューマングループは東南アジアで日本語学校を展開しており、もともと技能実習生との関わりが深い。世界の技術を学びたいという実習生の熱心な姿勢を知っているからこそ、大きな期待を寄せている。国内では慎重論も多いが、むしろ意欲的な実習生が、来日してがっかりされないように、襟を正して迎え入れる準備を整えたい。(談) 

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