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ビジネスインセンティブ評価で「自立支援介護」注目 2017年3月24日07時00分

未来投資会議「良くする介護へパラダイムシフト」

 2017年度は18年度実施の医療・介護制度の同時改定に向けた、大詰めの議論が行われる。そのテーマとして急浮上したものに「自立支援介護」がある。 安倍晋三首相が議長を務める内閣府「未来投資会議」では、昨年11月に「自立支援介護(仮称)」を介護保険制度に設け〝身の回りのことを助ける介護〞という常識に対し〝介護の必要がなくなるように、良くする介護〞という、介護のパラダイムシフトを目指すとした。

 具体的には、予防・健康管理と自立支援に軸足を置くことで、健康寿命を延伸させるとともに、重介護者数を減少させるもの。 ほかにも、ICTやクラウドサービス活用により、膨大な健康・医療データを集め、ビッグデータとして活用することで、治療・予防分野で最適な医療介護サービスなどが提供されるように基盤整備も進めるとしている。

劇的効果もみられる「自立支援介護」

 自立支援介護については、一部の特別養護老人ホームなどの現場で実践されている取り組みなどを基に、介護度軽減のための標準モデルを構築することを目指す。さらに、その標準モデルの実践によって効果を挙げた事業所への介護報酬上でのインセンティブ(悪化にはディスインセンティブ)導入などが検討されている。

 あわせて、介護ロボットなどの最先端機器の活用で、自立に向かわせるための標準モデル構築も目指す。

 政府のこうした大方針に沿う形で、その具体策や評価手法などの調査研究が、厚生労働省を中心に、18年度改正を念頭に進められている。

リハビリテーションや在宅生活の再獲得を目指す

 具体的内容は今後の議論によるが、将来的な制度設計が「リハビリテーション」や「IADL(手段的日常生活動作)を達成させて在宅生活を実現する」までシフトアップする中で、自立支援の第一歩である「離床から歩行へ」さらに「歩行からIADLの獲得」「社会参加の促進」を重視することも考えられる。

特養からは慎重意見も

 自立支援介護として新たな評価軸が示される中、特養施設は歓迎ムードかと思えば、思わぬ困惑が広がっている。

 特養施設らで組織する「全国老人福祉施設協議会」(石川憲会長)は1月24日「私たちは、自己実現介護(利用者一人ひとりの願う〝自立〞を叶える伴走型自立支援)を目指します!」と題した意見表明を行い、自立支援介護として、一律に介護度の改善だけで判断され、報酬評価することへの懸念を示した。

 成果を残せない施設にはディスインセンティブとして報酬減算の評価も同時に検討されていることについて、事実上の自立支援介護への強制の動きであり、利用者の希望を無視した介護給付削減の議論だと、厳しい指摘をしている。

 本人の自己決定に基づいて、自立支援介護のアプローチで介護状態でなくなることを選択する自由と共に、これまでの介護の考え方である「心身機能の衰えた部分を介助してもらう」という選択も認める制度設計を求めるという主張。医療分野で語られることの多い「とことん」と「ほどほど」の選択肢を介護でも自己選択できる自由を求めている。

 政府方針や現場意見の間で、18年改定に向けた厚労省の介護給付費分科会を中心とした議論に注目が集まる。

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