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ビジネス本紙 老健アンケート 課題は人材確保2016年11月17日07時05分

 本紙は9~10月に全国の老健施設にアンケート調査をし、事業運営上の課題と、15年改定で強化された栄養関連加算、入所前後訪問指導加算の実施時の留意点を聞いた。

 回答した38施設は、平均の入所定員93人(最低50~最高150人)、在所日数373日(48~799日)、要介護度3.2( 2.6 ~ 4.2)、在宅復帰率34%(0~64%)、直近1年間の看取り4.7人(0~26人)と、幅があり、多様なサービス状況を反映する。

 課題の選択(複数回答)では、最多は「人材の確保」95%、次いで「医療処置・服薬の評価(現状・包括報酬)」66%、「他事業所や医療機関との連携」58%、「基本報酬の設定や加算のあり方」58%、「施設の建替え・改修費用の捻出」55%、「地域の住民や社会との連携」47%となった。「利用者の重度化」29%や「認知症の増加」26%を課題とする施設は比較的少なく、重度化や認知症対応は、施設として折込済みの模様だった。

施設特性打ち出し必要

 課題の自由記載では、「都心部は供給過剰で、待機者も多くない」(京都市の老健)、「通所リハビリテーションの利用者確保が難しい。競争状態なので施設の特性を打ち出し勝ち残ることが必要」(東京都多摩市)、「職員教育、稼働率の安定化」(滋賀県草津市)、「在宅に戻るのが難しい。要介護1、2で、かつ金銭的に厳しい人」(堺市)、「従来型と在宅支援型、在宅強化型に更なる評価の格差をつける必要あり」(北九州市)、「人材の確保、老健の求められるサービスが多様化するが、そのための人員配置や報酬が対応していない」(茨城県牛久市)、「地域区分の格差(隣接する宝塚市と2段階も違う)」(兵庫県伊丹市)、「およそ12~15年ごとに機械整備の保守点検修理があり、新品交換がエアコン100台、ボイラー本体、浴槽機械等で約1億円近い」(埼玉県熊谷市)。様々な経営課題が老健にあることが分かる。

経口摂取の取り組み

 15年改定で口から食べる栄養補給が重視され、施設サービスの栄養関連加算が強化された。加算取得した施設に配慮点を聞いた。栄養マネジメント加算算定施設では、「できる限り栄養状態をよくし、リハビリ向上につなげる」「療養食加算、カロリー等も重要ながら、好きなモノを食べられる環境づくり」「多職種による連携、協働による取り組み」「食形態が様々な人がいて注意している」「既往歴による摂取制限の有無等」などがあがった。

 経口移行加算を算定する施設では、「安全確認のため嚥下内視鏡の結果も踏まえて実施する」、「食事しやすい体勢とゆっくりの食事を配慮」など、経口摂取にあたり誤嚥や窒息が起きないよう慎重な対応が目立った。経口維持加算の算定施設では、「食事の時にミールラウンドをし、多職種で観察、食形態、摂取方法を検討」「外部歯科衛生士との連携」「食事形態やとろみの調整」などの指摘があった。

生活機能向上へ支援

 退所を目的とする施設サービス計画の作成と診療方針の決定を行う入所前後訪問指導加算も15年改定で、生活機能の向上を目的とする具体的な改善目標を設定する加算Ⅱが新設された。

 回答施設で従来の加算Ⅰの算定は53%、新設の加算Ⅱは21%だった。

 加算Ⅱ取得施設の配慮点は、「入所→退所→在宅(在宅後の支援=通所リハ、訪問リハの切れ目のない支援)」「在宅復帰後の支援に必要な情報収集」「在宅へ戻れる状態像を本人家族で共有」「移動で転倒しないよう環境面の設定」などの在宅復帰支援が行われていた。

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