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ビジネス「介護報酬の早期資金化」広がる2016年10月26日07時05分

「会計上負債でなく資産」啓発がカギ

 報酬改定の影響や介護人材獲得のための資金調達など、介護事業の繋ぎ資金の必要性が高まっている。ただ、銀行等の借り入れは、中小零細の場合、借り入れ条件の悪さや、経営者個人の借り入れとなったりすることから躊躇も多い。売上規模の立たない新規開設事業所の場合、条件は一層厳しい。こうした中、支払いを受ける見込みの介護報酬を資産「売掛債権」とみなし、第3者に債権譲渡をすることで、通常は約2カ月後の支払いを、早期に資金化する「売掛債権の早期資金化(ファクタリングサービス)」が注目を集めている。

注目集める介護ファクタリング

1010fact.jpg 介護報酬を第3者に譲渡する早期資金化は、介護事業者の間でも注目され始めた。医療機関等ではすでに診療報酬の早期資金化として一般的。メリットは、申請・審査等を経て、約2カ月後となる払込みが早期化され、迅速に事業資金に充てることができるようになること。

 新規開設事業所や、事業拡大のための与信を確保したい事業所にとっても、財務状況を毀損することなく、手元資金を確保する事ができる。 医療保険のレセプト審査等を行う社会保険診療報酬支払基金によれば、ファクタリング等の利用は2013年度で5911機関・5,352件だったものが、15年度には6,741機関・5,595件と増加している。

 介護給付費の審査等を行う国保連でも「数は把握していないが、着実に増え始めている」と話す。

「国保連請求5日後」前払いも

 介護ファクタリングの流れは①介護サービス事業者とファクタリング事業者の間で「債権譲渡契約」を結ぶ(国保連に債権譲渡の通知)②介護事業者は、通常通り、毎月10日まで介護サービス提供実績等にもとづいて国保連に請求業務③国保連への請求後5~10日ほどで、ファクタリング事業者(提携金融機関の場合も)から、前払いとして、介護事業者に国保連請求総額の7~8割程度の支払い④約2カ月後、国保連からファクタリング事業者に介護報酬の支払いが確認できた場合、残りの支払額を介護事業者へ支払い――といった手順。 手数料は、支払総額のおおよそ1%程度以内。

「負債」ではなく「資産」で計上

 一方で、介護ファクタリング事業者は、一様に「ファクタリングに関する誤解が根強い」と指摘。普及のためにはこの解消が必要と話す。

 誤解の最たるものが会計上の扱いに関するもの。「債務」でなく、売掛金の流動化のための〝売掛の入金〟として「資産」と扱われるにも関わらず、真逆に〝借り入れの一種〟と理解されていること。

 介護保険事業者であれば、売上の立たない新規開設であっても、中小零細であっても、連帯保証人や担保なく、有利な条件で手元資金を獲得できる背景には、国の制度である介護保険制度によって報酬支払が行われる仕組みがある。

介護関連や大手企業参入も安心感に

 サービス実績に基づく申請であれば、回収不能となるリスクが極めて低い事は、ファクタリング事業者にとっても魅力的。介護ファクタリング事業への参入は実に多岐に渡る。

 スリー・テン(兵庫県加古川市)や、日本ケアコミュニケーションズ(山形県南陽市)など業務支援システムメーカーは、自社製品導入によって手間なく、迅速にサービス利用ができることや、返戻の未然対応などを強みとしている。

 リコーリース(東京都江東区)は、訪問看護療養費や、障害者制度といった対応の広さと合わせ、介護事業に必要な各種物品のリース業などとともに総合的な提案ができることを全面に打ち出す。

 豊通オールライフ(東京都港区)は、10年以上の実績、豊田通商グループの信頼とともに、前払い8割以上や新規開設事業者への対応などで利用者を広げている。

 社会保障制度改革など、厳しい事業環境基調の中で、民間活力を活かしたさまざまな資金調達方法が盛り上がりを見せる。

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