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ビジネス白十字セミナー 自立と事故防止につながる排泄ケア2015年12月18日08時10分

  白十字(東京都豊島区、天田泰正社長)は11月11日、「介護の日Dケアセミナー、自立支援から看取りまで―その人らしく生きるとは?―」と題したセミナーを開催した。介護事業者など400人以上が参加。NPO法人メイアイへルプユー理事の鳥海房枝氏、介護老人保健施設「星のしずく」施設長の高口光子氏による講演が行われた。

鳥海房枝氏「正しい排泄ケアと事故分析が重要」

1212haku2.jpg 転倒事故防止と排泄ケアをテーマに講演した鳥海氏は冒頭で、「介護現場で3大ケアとされている食事・入浴・排泄のうち、排泄は転倒につながる歩行を伴うウェイトが高い動作である」と説明。高齢者は排泄からくる切迫感で焦って転倒をおこしやすいと述べ、適切な排泄ケアが事故防止やその人らしいケアを行う上で重要であると強調した。

 安全に排泄を行うためには、実際に本人に排泄行動を実践してもらい、その行動を観察して分析する必要があるとし、具体的に▽トイレまでの移動▽衣類の上げ下げ▽便器に座る――など、これらの動作のどこに支援が必要であるかを確認しその理由を考えることが重要だと説明。

 さらに、本人の排泄行動を移動能力や認知能力、福祉用具を含む生活環境、職員の介護技術、薬の副作用など、総合的に見て判断していく必要があると述べた。

 また、排泄のタイミングを予測するには、排泄パターンの把握が大切だとして、尿量の変化を時間ごとにはかることで、ある程度可能になると指摘。適切にトイレへ誘導することで、利用者が排泄動作へスムーズに移ることを可能とし、自立につながると述べた。

 排便コントロールでは、毎日の排便が重要なのではなく、有形軟便がよく、排泄の姿勢やタイミングがポイントになると解説。

 転倒事故が起きたときは、発見者が作成した報告書を基に事故現場の検証を行うことも事故の再発を減らすためには大切だと説明した。

高口光子氏「選ばない、断らない、見届ける」

 セミナー後半では、老健「星のしずく」施設長の高口光子氏が、転倒事故を防止しようとして、利用者の行動を制限する身体拘束につながるリスクをどのように回避すればよいのかについて実践を踏まえて解説した。

 高口氏は、「何よりも施設スタッフ一同が、行動を制限せずに事故の発生を防ぐという共通意識を持つ」と強調した。

 施設では、日中車いすで施設内を移動する利用者にタイマーを持ってもらい、一日の行動パターンの分析を行った。その結果、行動パターンは排泄に関係が深いことに気づき、適切なトイレ誘導を行うことで、拘束を行わないで、事故発生の減少に成功した。

 看取りの事例として79歳でALSの男性の事例が紹介された。男性は、全介助が必要で夜間は5分おきにナースコールを押すなど職員の負担も大きかった。施設全体で話し合い、夜勤に職員を一人増員するなどして男性を支える体制を整え、看取りを行った。

 高口氏は「利用者本位のケアにつなげていくために、職員一人ひとりがどういうケアをすればよいかを考え抜き、それを実践することで、職員の成長を促すことが重要」と締めくくった。

 講演後の両氏の問答では、「身体拘束禁止を目標に立てるだけでは、たとえばベッド柵の代わりに壁を使うなど新たな拘束を生む。拘束はしないと覚悟し、悩み考え、片方でどういう生活を築くのか検討することが大切」、「ケアスタッフには利用者や家族に説明する義務がある。自らのケアを言語化できる力をつけることが欠かせない」、「自分がされたくないケアはしないこと」などのアドバイスがあった。

自立を支援する排泄関連商品づくり

1212haku.jpg 同社社長の天田氏は挨拶に立ち、「昨今の介護の厳しい情勢の中、当社は来年創業120年を迎える。今後も商品のご提案を通して、利用者の自立を促進し、夜間の安眠やADL向上に努めていきたい」と述べた。

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