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ビジネス特養「安壽の里」 IT活用など労働環境改善2017年10月26日07時00分

離職率7%未満 IT活用などで労働環境を改善

1002anju.jpg 熊本県八代市にある特別養護老人ホーム安壽の里(社会福祉法人至誠会)では、創業以来、職員の離職率7%未満を実現している。同施設は、賃金などの処遇改善のほか、働きやすい環境構築や管理職の育成などに一体的に取り組んでいる。職員を新たに確保し、今年6月には地域密着型特養(サテライト型)の運営をスタートさせた同法人。介護記録のIT化の検討など、更なる労働環境改善とサービスの質向上を図っている。

 安壽の里は従来型特養50床、ユニット型特養30床のほか、訪問介護、通所介護、ショートステイ、居宅介護支援事業所を併設する複合施設。吹き抜けの明るく開放的な施設は穏やかな雰囲気が漂う。利用者がこれまで自宅で過ごしてきた生活リズムに配慮したケアや環境づくりに力を注ぐ。

 サービス向上と同様に注力するのが、働きやすい職場づくりだ。同施設の職員は100人ほど。人件費率は7割を超えている。竹原伸二事務長は「賃金は当然重要であるが、働きやすい環境づくりが職員定着には欠かせない」と指摘する。「職員が悩みを相談しやすい環境が第一。介護現場に限った話ではないが、職場の仕事上、または人間関係等の問題など、職員はそれぞれに悩みを抱えているもの。大切なのは、そうした悩みに上司がしっかりと耳を傾け、風通しの良い職場環境を構築することだ」と、管理職の果たす役割が特に重要になると強調する。

 「まだまだ理想の職場には届かない。今後も研修・教育などを継続し管理職と現場職員の育成に力を入れ、職員一人ひとりの表情や職場の雰囲気に細かく目を配り、話を聞くスキルを磨いていきたい」

間接業務を減らし、直接処遇に専念

1002anju2.jpg さらに職員の負担軽減とともに、限られた人員でのサービスの質向上を両立するには、「職員ができる限り、直接処遇に専念できる環境が必要になる」(竹原事務長)。安壽の里では、利用者の直接処遇に関わらない洗濯などの間接業務を外注しているほか、ITを活用した省力化にも積極的に取り組んでいる。

 12年前に内田洋行(東京都中央区、大久保昇社長)の業務支援システム「絆 高齢者介護システム」を導入。同システムはケアプラン、提供実績、請求業務、利用者・職員情報など、それぞれがリンクし複数回の入力をできる。「以前、利用していた別のシステムが使いづらく、思うような効率化が図られなかった」と竹原事務長は振り返る。切り替えを検討していた際、地元で「絆」を取り扱う販売会社の野田市電子(熊本市、野田珠実社長)に勧められたのが導入のきっかけとなった。

 入所待機者管理/常勤換算システムなど同システムだけでは対応が難しい業務も、個別にシステムを制作してもらうなど、販売会社のサポートを受け、これまでITによる省力化を推進してきたという。

 同法人が次の課題として、検討するのが介護記録業務のIT化だ。現在は手書きによる記録だが、メモの転記などの業務負担を軽減し、より利用者と向き合う時間に充てたい考えだ。

 内田洋行の「タブレットオプション」は、介護記録をiPadでいつでもどこでも記録や確認ができる。安壽の里では新たにオープンした地域密着型特養で試用し、実用性を見極めたいという。「この地域を支え続けるために、我々も事業を継続・拡大していかなければならない。そのためにITの活用も含め、サービス向上、職員が働きやすい職場づくりに引き続き取り組んでいきたい」と話している。

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