ケアマネジャーはじめ介護・医療に携わる皆さまへ様々な最新
情報を深く分かりやすくお伝えする「シルバー産業新聞」です。

Care-new.jp

大中小 テキストサイズ変更RSS

シルバー産業新聞

ビジネス特殊衣料「ノリコ帽」 25gの柔らか素材2016年12月22日07時05分

「いつまでも女性らしくいたい」

 極細糸を使った「ノリコ帽」は、わずか25gの軽く柔らかい帽子。裏地はポリエステルで、サラッとした吸水速乾の素材にした。内側の面ファスナーとゴムで、深さや頭囲サイズを調節できる「シフォンターバン」と、後ろのリボンでサイズ調節ができる「シフォンリボン」がある。色は自然系で、ピンク、サックス、ブラックなどを用意した。価格は6000円前後と安くないが、頭をゆったり包み込むやさしい帽子ができた。

1202noriko.jpg

 今年2月、保護帽「アボット」を製造販売する特殊衣料(札幌市、池田啓子社長)に、「いつも女性らしくいられる私の帽子を作ってほしい」という電話が入った。検査入院でがんが見つかり、抗がん剤治療で毛が抜けてしまった女性からだった。手を尽くした治療の後、自宅での緩和ケアを決めたその日に、新聞で知っていた池田社長のところだったら、作ってもらえるかも知れないと思い、突然の電話をかけた。

 加藤隆司さん(65歳)の妻、則子さん(享年63)。「私たちは千歳市で長年衣料品店を営んでいたことから、衣類やその素材の知識がありました。妻の則子は、治療で脱毛した頭部を覆う帽子が欲しかったのですが、ニット帽やバンダナでは、肌触りが悪かったり、しっくり合わなかったりして、女性らしくいられる帽子を望んだのです」

 電話を受けた同社商品企画の澤田亜沙子さんは、池田社長に相談し、さっそくデザイナーの森久見子さんとともに、則子さんの家を訪問して、「ゆったりと深くかぶる帽子がほしい」というニーズにそって開発を進めた。1202noriko2.jpg

 「顔色が明るく見える」「オーガニック綿は少し重たい」などの要望を聞いたアボットのデザイナー森さんは、「どんな時も笑顔でいられる素敵な帽子をつくりたい」と、試作を繰り返して、則子さんにかぶってもらった。「則子さんはわずかな違いを、違いとしてはっきり私たちに話してくれました」と森さん。ものづくりに関わってきた則子さんは、ものづくりの苦労を知った上で、作り手にしっかりと言葉でニーズを伝える努力をしていた、と言う。

 「人々のおしゃれが私たちの仕事だっただけに、妻にはがん患者自身の意見を伝えなければいけないという気持ちあったと思います。できあがった帽子をかぶって、妻はたいへん満足そうで、商品化されることになり、ベッドで、喜んでいました。最後のチャンスを受け止めいただき、感謝しています」

 「アボット」と則子さんのコラボでできあがったノリコ帽。「則子は亡くなりましたが、困っている人にぜひ使って欲しいです」と隆司さんは話している。

 問合せは同社(☎011・663・0761)まで。

「ビジネス」カテゴリーの最新記事

シルバー産業新聞購読のご案内

発展する「シニアマーケット」の動向など、確かな業界情報はシルバー産業新聞から。

1年間(12回)
7,700円(送料・税込)
2年間(24回)
14,214円(送料・税込)
3年間(36回)
19,545円(送料・税込)

購読、書籍のお申込みはコチラ

  • 福祉住環境コーディネーター検定試験
  • SSL グローバルサインのサイトシール