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シルバー産業新聞

お詫びと訂正【訂正】連載「社労士知っ得情報」2016年9月13日19時42分

【お詫びと訂正】

本紙2016年9月10日号紙面におきまして、連載「社労士知っ得情報」の筆者名が誤っておりました。

正しくは、小野山真由美さんでした。

お詫びして訂正致します。

 

管理者に必要な「止める」勇気

 

 現在、厚生労働省では労働災害が減らない第三次産業に対する労働防止マニュアルを次々に作成し、業界団体への周知を図っております。今年7月には厚生労働省から、某介護団体の会長に対して、各事業所へ「社会福祉施設の安全管理マニュアル」の周知呼びかけ協力を求めています。

 今回は、安全衛生活動における管理者の権限について解説いたします。

1.事故の発生における3つの要因

 労働災害は「不安全な状態」と「不安全な行動」の重なったところで発生するということを、耳にされたことがあるのではないでしょうか。

 「不安全な状態」を解消するための代表的な活動のひとつが「5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)」です。この5S活動を多くの事業所が手がけ、これまでに安全で快適な職場を実現してきました。「不安全な行動」に対しては、まさに安全教育として、マニュアルを作成したり、作業手順等の見える化、新入社員に対しての雇入れ教育等様々な努力を重ねてこられたと思います。

 これを踏まえて今回は「3つの視点」で見ていきます。ひとつ目は「個を見る視点」です。個とは個人ひとりひとりの特性をいいます。例えば経験が少ない20代で、何に興味があるのかつかみにくい労働者、やる気はみなぎっていても年齢からくる加齢を自覚しない60代の労働者と様々な個がいます。

 つぎに「環境」です。段差をなくした床や車いすのままでも入れる最新式の浴室など、労働者の負担を軽減するための環境を整える努力を各々の事業所が取り組んでいます。

 3つ目の視点が「反射行動や不測の事態」です。例えば自転車に乗っていて目に虫が入ったとします。大概の方は自転車をこいだまま目をつぶったり、目をこすったりするのではないでしょうか。その瞬間に、前方にあるものにぶつかり転倒し、歯を4本折ったという事故もありました。また、高所作業において手元から滑り落ちたものをとろうとする反射行動により転落という事故もありました。こういった思わぬ行動が事故につながります。不測の事態は、経験の浅い人にとっては不測であっても、経験豊富な管理者にとっては想定できるはずです。

 「個」と「環境」と「反射行動等」の3つが運悪く重なったときに、事故が起こるかもしれません。この3つが見えるのは日々現場で働く労働者ではなく、少し状況を俯瞰する管理者でなければ見えてこないのではないでしょうか。

2.管理者の役割

 管理者の権限が労働災害の防止に関して関係していることが、厚生労働省の調査により明らかとなりました。業種は違いますが鉄鋼業205事業所において、安全管理体制に関する自主点検を実施したところ、災害の発生率が低い事業所ほど権限の委譲が進んでいることがわかりました。作業手順等を無視する労働者への口頭・文書での注意・是正の措置などの権限です。

 働く側はよかれと思っても無理をすることがあります。介護現場には、利用者に熱心によりそうがゆえに、仕事を抱え込み、残業が増える労働者もいます。同僚の労働者がそうした「ムリ」に気づいても、相手が善意であるほど止めることは難しいものです。しかし、業務を止める権限の委譲を受けた管理者は、「ムリ」に気づいたとき「それ以上やると危ない!やめろ!」と宣言できるのです。

 「ムリ」をする労働者のやる気を理解しつつ、その先にある危険領域は、経験のある管理者ならわかるのではないでしょうか。労働災害が起こったとき「あの時やめておけばよかった」という反省をよく耳にします。管理者は、不安全な行動や予測しうる危険を感じたら「止める勇気」を、そして事業所は適切な権限を管理者に移譲することで労働災害の起こらない職場づくりを推進していきましょう。

(小野山真由美)

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