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2018年制度改正褥瘡マネ加算事例:特養ケアホームズ両国2018年12月 6日07時05分

独自システムで評価・計画作成の負担減

 これまでの診療報酬での減算や加算などにより、医療現場では褥瘡対策が当たり前となった。そして、早期退院を促し、在宅復帰を目指す「地域包括ケアシステム」構築が佳境に入る中で、18年度介護報酬改定でも体制加算「褥瘡マネジメント加算」が介護保険施設に新設された。特に、特養での加算取得が期待されるが、老健施設を含め低調さを指摘する声も出始めた。

1112ryougoku.jpg 社会福祉法人寿山会(土田雅彦理事長)が運営する「特別養護老人ホームケアホームズ両国」(東京都墨田区、日髙裕司施設長)では、6月より褥瘡マネジメント加算を算定している。煩雑さ解消のため、施設独自のシステムを活用して、利用者の評価や計画作成の負担軽減を実現している。

 ケアホームズ両国は全室個室ユニット44室の特養で、現在入居者は42人、平均要介護度は3.9となっている。4月の介護報酬改定から褥瘡マネジメント加算算定に向けた家族説明と、施設職員に向けた加算内容の普及研修などを実施した。

 「特に、職員に評価の内容や、施設として取組む意図を共有することと、業務負担を軽減するシステム作りに時間がかかった」とケアサービス本部の齋藤由佳里さんは説明する。

 独自システムでは、厚労省が示した「褥瘡発生と関連のあるリスク」12項目の評価指標を入力するだけで、すぐに「ハイリスク」「中リスク」「低リスク」に分類される。

 褥瘡予防対策個別計画書(以下、計画書)は▽医務▽介護▽栄養▽機能訓練指導員▽相談員――に分けられ、よく行うケア内容は定型文として登録されている。

 例えば介護の場合、「オムツ交換の回数を増やす」「クッション・マットなどの福祉用具を検討する」「座位時、定期的に臀部の除圧を行う」などがあり、チェックを入れるだけで計画が作成できる。個別にケアが必要な場合は「その他」に記入する。

 システム作成者で生活相談員の小林信広さんは「とにかくペーパーレス化して、職員の負担を軽減することが第一課題だった。結果として計画作成等については大きな負担なく取組めている」と評価する。

1112youken.jpg 褥瘡マネジメント加算の要件では少なくとも3カ月に1回の評価を行うとあるが、齋藤さんは「3カ月に1回のアセスメントでは、褥瘡の状態が大きく変わる可能性がある。また、人によって入所時期が異なり利用者ごとの評価期間把握に負担が生じる」と指摘する。

 同施設では毎月、全利用者の評価を実施している。「計画見直しの業務は増えてしまうが、評価だけなら利用者あたり約1分でできる。継続的に評価を行うことでケアの質向上にも繋がっている」(齋藤さん)。

 同施設で褥瘡がある利用者は月1~2人ほどで、病院からの退院時に褥瘡ができている利用者がほとんど。施設入居者の褥瘡発生はゼロに近い。多職種チームで継続して褥瘡予防 同施設では看護師をリーダーに▽介護職2人▽管理栄養士▽ケアマネジャー▽機能訓練指導員――で構成される「褥瘡予防対策委員会」を設置している。

 昨年4月からは機能訓練指導員の植田大雅さんが中心となり褥瘡発生リスクのある利用者のケアに取組んでいる。主なケア内容は▽ポジショニング▽背抜き▽福祉用具活用――など。利用者の状態を見て「車いすクッションを変えたほうが良い」など委員会で検討する。

 毎月の評価時には使用しているマットレスの種類も記録する。施設内の職員全員が同じレベルでできるよう定期的に研修会も実施している。

 齋藤さんは「適切な福祉用具活用とケア手法を実践することで、褥瘡発生リスクを最小限に抑えられている。発生していないから安心するのではなく、さらにケアの質が向上するよう、施設全体で取組んでいきたい」と意気込む。

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