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2018年制度改正厚労省 自治体インセンティブ案を提示2017年12月13日07時05分

 厚生労働省は11月10日、社会保障審議会介護保険部会(部会長=遠藤久夫・学習院大学教授)を開催し、来年度から実施する、自治体への財政的インセンティブの評価指標案を示し、おおむね承認された。改正介護保険法で自立支援・重度化防止に取組んだ自治体に対して評価を行う。財源は介護保険の「調整交付金」の使用目的の変更で捻出する考えを提示したが、新たな財源確保を求める自治体や介護保険事業者から反対意見が続出した。

 指標案は市町村向け59項目、都道府県向け20項目。内容は介護度改善などのアウトカム評価も一部含まれるが、多くはストラクチャ指標やプロセス指標を組み合わせて評価する。

 指標案の中で、アウトカム評価である介護度改善に関しては、要介護状態の維持・改善の状況を把握するため①要介護認定の一次判定で用いる「要介護認定等基準時間」の一定期間の変化率の測定②一定期間の介護度認定の変化率を測定する――の2項目に分けた。

 介護度の変化に関しては、「(特養など)介護度改善での評価は、重度者には向かない」などの慎重論もあり、「改善」の多さではなく、「悪化」の少なさを評価することについても検討する。改善に至らずとも「維持」できた層の評価となりうる。

 また、専門職との関わりについても評価する。福祉用具については▽地域ケア会議の構成要員としてリハビリ専門職を任命し、会議の際に福祉用具貸与計画もあわせて点検▽福祉用具専門相談員による貸与計画の作成時に、リハビリ専門職が点検する仕組みがある▽貸与開始後、用具が適切に利用されているかをリハビリ専門職が点検する仕組みがある――などの案が示された。

 指標案では介護予防・日常生活支援総合事業の周知や生活支援サービス創設の有無、「在宅医療・介護連携推進事業」の在宅医療・介護連携の課題抽出と対応の協議、在宅医療・介護サービスの情報の共有支援など、これまで国が自治体に求めてきた取り組みが含まれる。

 都道府県向け指標案では、管轄の市町村の認定状況などのデータや、地域課題を把握し、効果的な支援を行っているかを評価する。 当日はインセンティブ評価の財源のあり方についても議論。財務省が10月25日に開催した財務省財政制度等審議会で、後期高齢者人口が多く、運営が厳しい自治体の格差是正のための介護保険「調整交付金」(介護保険事業費の5%=約5,000億円)の一部を活用すべきとし、その手法も、これまで通り交付金を配分した後、全国自治体を再評価して、取組み結果に対する評価の低い自治体から減額して再プールするディスインセンティブの導入も検討すべきとの意見が提起されている。

 これに対し、自治体や介護保険事業者、利用者代表の委員からは反対意見が続出した。

 小規模自治体では、交付金の減少分を埋めるため介護保険料を引き上げるなどの対応も考えられ、影響が広がることを懸念する声などがあった。全国市長会と全国町村会は「調整交付金を活用して介護保険者に更なる財政的インセンティブを付与するとの国の提案は、到底、容認できない」との意見書を提出した。

<資料>高齢者の自立支援、重度化防止等の取組を支援するための交付金に関する評価指標(案)、市町村向け指標(案)

Ⅰ PDCAサイクルの活用による保険者機能の強化に向けた体制等の構築

①地域包括ケア「見える化」システムを活用して他の保険者と比較する等、当該地域の介護保険事業の特徴を把握しているか。

▽同システムを活用して、他の保険者と比較する等、当該地域の介護保険事業の特徴を把握している▽同システムは活用していないが、代替手段(独自システム等)により当該地域の介護保険事業の特徴を把握している▽上記それぞれに加えてHP による周知等の住民や関係者と共通理解を持つ取組を行っている

②日常生活圏域ごとの65歳以上人口を把握しているか。

③以下の将来推計を実施しているか。

 2025年度における・要介護者数・要支援者数・介護保険料日常生活圏域単位の65歳以上人口・認知症高齢者数・一人暮らし高齢者数・必要となる介護人材の数

④介護保険事業の現状や将来推計に基づき、25年度に向けて自立支援重度化防止等に資する施策について目標と目標を実現するための重点施策を決定しているか。

⑤人口動態による自然増減による推計に加え、自立支援・介護予防に資する施策など、保険者としての取組を勘案した要介護者数及び要支援者数の推計を行っているか。

⑥地域医療構想を含む医療計画も踏まえつつ、地域の在宅医療の利用者や、在宅医療の整備目標等を参照しつつ、介護サービスの量の見込みを定めているか。

⑦認定者数、受給者数、サービスの種類別の給付実績を定期的に点検しているか。

⑧介護保険事業計画の目標が未達成であった場合に、具体的な改善策や、理由の提示と目標の見直しといった取組を講じているか。

Ⅱ 自立支援、重度化防止等に資する施策の推進

(1)地域密着型サービス

①保険者の方針に沿った地域密着型サービスの整備を図るため、保険者独自の取組を行っているか。

 ▽地域密着型サービスの指定基準を定める条例に保険者独自の内容を盛り込んでいる▽同サービスの公募指定を活用している▽参入を検討する事業者への説明や働きかけを実施している(説明会の開催、個別の働きかけ等)

②地域密着型サービス事業所の運営状況を、運営協議会等で点検しているか。

③介護サービス事業所に指定期間中に一回以上実地指導を実施しているか。

④地域密着型通所介護事業所における機能訓練・口腔機能向上・栄養改善を推進するための取組を行っているか。

(2)介護支援専門員・介護サービス事業所

①保険者として、ケアマネジメントに関する保険者の基本方針を、介護支援専門員に対して伝えているか。

 ▽保険者のケアマネジメントに関する基本方針を伝えるためのガイドライン又は文書を作成した上で、事業者連絡会議、研修又は集団指導等において周知している▽ケアマネジメントに関する保険者の基本方針を、介護支援専門員に対して伝えている

②介護サービス事業所の質の向上に向けて、具体的なテーマを設定した研修等の具体的な取組を行っているか。

(3)地域包括支援センター

<地域包括支援センターの体制に関するもの>

①地域包括支援センターに対して、介護保険法施行規則に定める原則基準に基づく3職種の配置を義務付けているか。

②地域包括支援センターの3職種(準ずる者を含む)一人当たり高齢者数(センター人員/圏域内の65歳以上高齢者数)はどのようになっているか。

③地域包括支援センターが受けた介護サービスに関する相談について、地域包括支援センターから保険者に対して報告や協議を受ける仕組みを設けているか。

④介護サービス情報公表システム等において、管内の全地域包括支援センターの事業内容・運営状況に関する情報を公表しているか。

⑤毎年度、地域包括支援センター運営協議会での議論を踏まえ、地域包括支援センターの運営方針、支援、指導の内容を検討し改善しているか。

<ケアマネジメント支援に関するもの>

⑥地域包括支援センターと協議の上、地域包括支援センターが開催する介護支援専門員が対象の研修会・事例検討会等の開催計画を作成しているか。

⑦介護支援専門員のニーズに基づいて、多様な関係機関・関係者(例:医療機関や地域における様々な社会資源等)との意見交換の場を設けているか。

⑧管内の各地域包括支援センターが介護支援専門員から受けた相談事例の内容を整理・分類した上で、経年的に件数を把握しているか。

<地域ケア会議に関するもの>

⑨地域ケア会議について、地域ケア会議が発揮すべき機能、構成員、スケジュールを盛り込んだ開催計画を策定しているか。

⑩地域ケア会議において多職種と連携して、自立支援・重度化防止等に資する観点から個別事例の検討を行い、対応策を講じているか。

⑪個別事例の検討等を行う地域ケア会議における個別事例の検討件数割合はどの程度か。(個別ケースの検討件数/受給者数等)

⑫地域ケア会議で検討した個別事例について、その後の変化等をモニタリングするルールや仕組みを構築し、かつ実行しているか。

⑬複数の個別事例から地域課題を明らかにし、解決の政策を市町村へ提言しているか。

⑭地域ケア会議の議事録や決定事項を構成員全員が共有する仕組みを講じているか。

(4)在宅医療・介護連携

①地域の医療・介護関係者等が参画する会議において検討された在宅医療・介護連携の対応策が具体化されているか。

②医療・介護関係者の協力を得ながら、切れ目なく在宅医療と在宅介護が一体的に提供される体制の構築に向けて必要となる具体的取組を企画・立案した上で、具体的に実行するとともに、実施状況の検証や取組の改善を行っているか。

③医療・介護関係者間の情報共有ツールの整備や普及の具体的な取組を行っているか。

④地域の医療・介護関係者、地域包括支援センター等からの在宅医療・介護連携に関する相談に対応するための相談窓口を設置し、在宅医療・介護連携に関する相談内容を、郡市区医師会等の医療関係団体との会議等に報告しているか。

⑤医療・介護関係の多職種が合同で参加するグループワークや事例検討など参加型の研修会を、保険者として開催または開催支援しているか。

⑥居宅介護支援の受給者における「入院時情報連携加算」及び「退院・退所加算」の取得率の状況はどうか。

(5)認知症総合支援

①市町村介護保険事業計画又は市町村が定めるその他の計画等において、認知症施策の取組について、各年度における具体的な計画(事業内容、実施(配置)予定数、受講予定人数等)を定め、毎年度その進捗状況について評価しているか。

②認知症初期集中支援チームは、認知症地域支援推進員に支援事例の情報提供をし、具体的な支援方法の検討を行う等、定期的に情報連携する体制を構築しているか。

③地区医師会等の医療関係団体と、認知症のおそれがある人に対して、かかりつけ医が認知症疾患医療センター等専門医療機関と連携して早期診断・早期対応に繋げる体制を構築しているか。

④認知症支援に関する介護保険外サービスの整備、認知症支援に携わるボランティアの定期的な養成を行っているか。

(6)介護予防/日常生活支援

①介護予防・日常生活支援総合事業の創設やその趣旨について、地域の住民やサービス事業者に対して周知を行っているか。

②介護保険事業計画において、介護予防・生活支援サービス事業における多様なサービス(基準を緩和したサービス、住民主体による支援、短期集中予防サービス、移動支援を指し、予防給付で実施されてきた旧介護予防訪問介護相当サービス・旧介護予防通所介護相当サービスに相当するサービスは含まない。以下同じ。)やその他の生活支援サービスの量の見込みを立てその見込み量の確保へ具体策を記載しているか。

③介護予防・生活支援サービス事業における多様なサービスやその他の生活支援サービスの開始にあたり、生活支援コーディネーターや協議体、その他地域の関係者との協議を行うとともに、開始後の実施状況の検証の機会を設けているか。

④高齢者のニーズを踏まえ、介護予防・生活支援サービス事業における多様なサービス、その他生活支援サービスを創設しているか。

⑤介護予防に資する住民主体の通いの場への65歳以上の方の参加者数はどの程度か(【通いの場への参加率=通いの場の参加者実人数/高齢者人口】等)

⑥地域包括支援センター、介護支援専門員、生活支援コーディネーター、協議体に対して、多様な地域の社会資源に関する情報を提供しているか。

⑦地域リハビリテーション活動支援事業(リハビリ専門職等が技術的助言等を行う)等により、介護予防の場にリハビリテーション専門職が関与する仕組みを設けているか。

⑧住民が自ら積極的に通いの場等に参加する等、介護予防活動への参加を促進する取組を推進しているか。(単なる周知広報を除く。)

(7)生活支援体制の整備

①生活支援コーディネーターに市町村としての活動方針を提示し、支援を行っているか。

②生活支援コーディネーターが地域資源の開発に向けた具体的取組(地域ニーズ、地域資源の把握、問題提起等)を行っているか。

③協議体が地域資源開発の具体的取組(地域ニーズ、地域資源の把握等)をしているか。

④生活支援コーディネーター、協議体の活動を通じて高齢者のニーズに対応した具体的な資源の開発(既存の活動やサービスの強化を含む。)が行われているか。

(8)要介護状態の維持・改善の状況等

①(要介護認定等基準時間の変化)一定期間における、要介護認定者の要介護認定等基準時間の変化率の状況はどのようになっているか。

②(要介護認定の変化)一定期間における要介護認定者の要介護認定の変化率の状況はどのようになっているか。

Ⅲ 介護保険運営の安定化に資する施策の推進

 介護給付適正化事業等、介護保険運営の安定化に資する施策を推進するものとして、以下の指標を設定してはどうか。

(1)介護給付の適正化

①介護給付の適正化事業の主要5事業のうち、3事業以上を実施しているか。

②ケアプラン点検をどの程度実施しているか。

③医療情報との突合・縦覧点検を実施しているか。

④福祉用具の利用に関しリハビリテーション専門職が関与する仕組みを設けているか。

 ▽地域ケア会議の構成員としてリハビリテーション専門職を任命し、会議の際に福祉用具貸与計画も合わせて点検を行う▽福祉用具専門相談員による福祉用具貸与計画の作成時に、リハビリテーション専門職が点検を行う仕組みがある▽貸与開始後、用具が適切に利用されているか否かをリハビリテーション専門職が点検する仕組みがある

⑤住宅改修の利用に際して、建築専門職、リハビリテーション専門職等が適切に関与する仕組みを設けているか。

 ▽被保険者から提出された住宅改修費支給申請書の市町村における審査の際に、建築専門職、リハビリテーション専門職等により点検を行う仕組みがある▽住宅改修の実施前又は実施の際に、改修を行う住宅をリハ職が訪問し、点検を行わせる仕組みがある

⑥給付実績を活用した適正化事業を実施しているか。

(2)介護人材の確保

①必要な介護人材を確保するための具体的な取組を行っているか。

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