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2018年制度改正日福協「福祉用具代替調査」 用具の有用性・財政効果示す2016年2月10日19時08分

福祉用具なければ「介助者頼み」「あきらめ」に

 財務省・政府の福祉用具給付抑制策提起に対し、日本福祉用具供給協会(小野木孝二理事長)は、「利用している福祉用具の代替手段に関する調査」を実施し、このほど中間報告を公表。使っていた車いすや歩行器など福祉用具が使えなくなると、利用者の多くは「介助者を依頼する」や「その行動はあきらめる」といった対応を取ると答え、家族やヘルパーなどの介護負担の増大や心身機能の低下をきたすおそれが大きいことが分かった。3月中旬をめどに、同時に実施した介護負担軽減効果検証調査とともに、調査結果を取りまとめて、18年改正を検討する政府の介護保険部会への提出を予定している。

 日福協が公表した「福祉用具の代替手段調査」は、3カ月以上福祉用具を利用し自立した生活を維持する人(要支援~要介護2)を対象に、福祉用具が利用できなくなった場合の対応を聞くもので、代替手段として、「介助者を依頼する」、「時間をかけても用具なし

で対応」、「その行動はあきらめる」などの選択肢を示し回答を求めた。対象とした福祉用具は、要支援~要介護2の人の利用頻度が高い、車いす、歩行器、多点つえ、手すり、特殊寝台の5種目。横浜市総合リハビリテーションセンターの渡邉愼一部長が監修。全国の福祉用具事業者が調査にあたった。

 回答結果は、種目と生活動作によって用具が使えない場合の対応に差がみられたが、全体を通じて最も多い回答は「介助者を依頼する」、次いで「その行動はあきらめる」だった(グラフ・車いす居宅内の場合)。調査結果について、小野木理事長は、「代替手段として『介助者を依頼する』となると、家族の介護負担の増大を招くとともに、他サービス利用を促して給付費を押し上げる可能性が高い。また『その行動はあきらめる』ことになると、日常の活動性が抑制されて、心身状況が悪化するおそれがあり、結果として要介護度が高まって給付費が増大するおそれがある」と本調査によって福祉用具の有用性や財政効果が明らかになったと説明する。

 車いす、歩行器、特殊寝台について調査結果をみる。

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(車いす・居宅内)トイレ・排泄の利用頻度が最も高く、食事、入浴・洗面が次ぐ。トイレ・排泄の1回あたり利用時間は10.9分、食事では34.4分。トイレ・排泄を介助者ありで行うのは25.8%で、残りの人は車いすを利用して介助者なしでトイレ移動を行っていた。車いすが利用できなくなった場合の対応を聞くと、トイレ・排泄は半数の人が「介助者を依頼する」とし、そのうち家族・親戚は56.2%、訪問介護が37.5%が担うと答えている。

(車いす・外出)散歩、買い物、通院の利用が多く、1回あたりの利用時間は通院で131.5分、買い物で82.0分、散歩で55.3分で、それら3つの行為は半数が介助者なしで行っていた。車いすがないと、散歩や文化娯楽施設など必須でない行為については「その行動をあきらめる」が多く、通院や買い物は介助者に依頼する割合が高かった。

(歩行器・居宅内)車いす同様に、トイレ・排泄が多い。1回あたりの利用時間は車いすより短く、7.8分。介助者ありの割合はどの行為も少なく、歩行器を使って自立している人が多い。歩行器がないと、介助を依頼する割合が高いのは掃除、洗濯、食事、入浴・洗面。ほかにつえを利用する、同等品を購入する、おむつを利用するなどの対応があった。

(歩行器・外出)車いすと同傾向だが、1回あたりの利用時間は少ない。介助者ありの割合は、最も多い通院で41.8%、飲食店で40.0%だが、買い物では20.0%、散歩では28.6%に止まる。残りの人たちは歩行器を使ってひとりで外出している。歩行器のない場合の対応は、車いすの場合と同傾向で、通院や買い物での介助者依頼が多かった。

(特殊寝台)起き上がり、立ち上がり、移乗での利用頻度が高いが、姿勢保持や介護目的での特殊寝台の利用も多い。1回あたり利用時間は姿勢保持(37.4分)を除き、4~7分程度。起き上がりや立ち上がりなどを介助者なしで行っている割合は7割強ある。ベッドがなければ「介助者を依頼する」のが、起き上がりや移乗では4割程度あり、代替サービスとして訪問介護を検討する人が多かった。

 自由回答には深刻な訴えが相次いだ。入浴・洗面で車いすを利用する人は、車いすがないと、「痛みを我慢する、訪問入浴を使う、清拭ですませる」や「トイレに間に合わず失禁」と訴えた。歩行器や手すり、多点つえでは転倒をおそれて、行為をがまんしたり、ヘルパーを利用するといった回答が多い。

 日福協は、3月中旬にも別に実施する福祉用具の負担軽減効果調査の結果とともに取りまとめを行い、厚労省や財務省などに提出、18年改正を検討する社会保障審議会介護保険部会の俎上に上げ、福祉用具の有用性や財政効果を訴える意向だ。

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