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2018年制度改正日福協試算 福祉用具制限で介護費用1370億円増2016年6月13日07時00分

 福祉用具を使わなければ、家族の介護負担増大とともに訪問介護を利用せざるを得なくなり、介護費用を倍増させるという調査に基づく試算結果を、日本福祉用具供給協会(小野木孝二理事長)が発表した。調査した要介護2までの5種類の福祉用具を利用制限すると、最低限に見積もって、年間延べ11万余人の介護職員が必要になり、介護費用は1,370億円の増加が見込まれるとした。

01nippuku2.jpg 日本福祉用具供給協会(小野木孝二理事長)は5月27日東京で、「軽度者への福祉用具貸与・住宅改修の原則自己負担化」に反対する記者発表会を開催。要支援1から要介護2までの福祉用具利用者(特殊寝台、車いす、歩行器、手すり、多点づえ、の5種目)が18年介護保険改正論議で提起される福祉用具サービスの自己負担化によって、福祉用具を使わなくなると、家族の介護負担が増大するとともに、代替手段の訪問介護の利用が必要になり、結果として年間1,370億円の介護費用の負担増になるとの試算を発表した。

 特殊寝台や車いす、歩行器など5種の軽度者の福祉用具貸与費用額は年1,130億円であるのに対して、代替手段としての訪問介護費用額は最低でも年2,500億円に上り、福祉用具の不利用により、差額の年1,370億円の介護費用が増大することになる。

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 代替コストの比較は、個々の用具ごとに試算された。福祉用具利用時コストと訪問介護へ代替した場合のコストとを対比すると、年間で、特殊寝台は利用471億円に対して代替649億円で178億円の費用増に、車いすは利用212億円に対して代替375億円で163億円増に、歩行器は利用139億円に対して代替628億円で489億円増に、手すりは利用294億円に対して代替734億円で440億円増に、多点づえは利用14億円に対して代替114億円で100億円増になるとした(表)。

 調査にあたった渡邉愼一横浜市総合リハビリテーションセンター部長は、「試算にあたり、代替手段としての訪問介護の利用は、個々のケースごとに、ケアプランまでさかのぼり、最低限の利用に止めた」と説明し、福祉用具の活用によって、介護費用を抑制しているという事実を明らかにした。

 説明に立った小野木理事長は、「福祉用具の利用が訪問介護に代替されると、介護人材の不足にさらに拍車がかかることが想定される」として、介護人材の追加需要についても試算を発表した。

 「5種類の福祉用具を使わずに訪問介護の介護職員を利用することになると、最低限でも年間延べ11万6000人のヘルパーが必要になる。この数字も、あくまでも調査した5品目(付属品含む)の代替に過ぎず、レンタル品全体ではヘルパー需要はもっと増加する。家族介護負担の増大も招くが、一億総活躍社会の実現にも背く。福祉用具の未利用によって生活行為をあきらめ活動性が低下して重度化するおそれもあり、重度化による費用負担の増大も問題になる」と、小野木氏は福祉用具の利用制限策の導入が広範な社会問題を引き起こすと強く訴えた。

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