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2018年制度改正介護報酬6年ぶりプラス改定 +0.54 %2018年1月11日07時00分

 2018年度の介護報酬の改定率はプラス0.54%となった。12月18日、厚生労働・財務両大臣の折衝後に公表された。臨時改定を除けば介護報酬のプラス改定は12年度改定以来、6年ぶり。国費のみで150億円の費用増となる。加藤勝信厚労相は事業所の安定経営の確保などに必要な改定幅と説明。一方で、通所介護などでマイナス0.5%相当の給付適正化も実施されるため、サービスによっては厳しい改定となりそうだ。

厚労相「必要な改定幅を確保」

0101kaitei.jpg 介護報酬や診療報酬などそれぞれの改定率は厚生労働大臣と財務大臣で次年度予算編成の折衝のなかで決まる。2018年度は財政健全化に向けた集中改革期間の最終年度で、社会保障費の伸びは前年度の5,000億円程度に抑える目安が設定されている。昨年8月の概算要求で厚労省は高齢化などに伴う増加額は6,300億円を見込んでおり、1,300億円の圧縮が求められていた。一方で、前回の15年度介護報酬改定では実質4%ほどの大幅な引き下げを実施。17年介護事業経営実態調査によると改定以前との比較で、介護保険22サービス中17サービスの収支差率が悪化。介護事業者の厳しい経営実態が浮き彫りとなっていた。

 大臣折衝後の記者会見で加藤厚労相は、「厳しい財政事情を踏まえ、通所介護などの各種の給付の適正化を行うが、事業者の安定的経営の確保などの観点から、改定率はプラス0.54%とした」と述べ、前回のマイナス改定の影響、人材不足による人件費の増加、地域包括ケアシステムへの移行などを見据え、必要な改定幅を確保したと強調した。

 ただ全体ではプラス改定だが、マイナス0.5%相当の給付適正化を行うことも大臣折衝で確認された。社会保障審議会介護給付費分科会の審議報告(記事6~10面)では、大規模デイや訪問介護の生活援助などで報酬引き下げが示唆されている。また改定率には反映されていないが、福祉用具貸与では上限価格制も今後導入される。具体的な報酬は今後検討され、1月下旬の社会保障審議会介護給付費分科会で示される見込みだ。

「新たな加算多いが…」

 小濱介護経営事務所の小濱道博氏は、「プラス改定だったが基本報酬は引き下げられ、加算算定の可否で事業者の収入格差が広がるのではないか。新たに設けられる加算は自立支援のインセンティブや外部リハ職との連携、ターミナル関連など、どれも事業所を選ぶ『個性派』が並ぶ」とし、こうした加算を算定できない事業所は厳しい状況が続くと予測する。

 淑徳大学の結城康博教授も「プラス改定だが改定幅は小さい。さまざまな加算が新設されることを踏まえると、基本報酬は良くて横ばい」とみる。「特に通所介護や訪問介護にとっては厳しい改定。在宅介護の推進に影響しないかが懸念される。また居宅介護支援で医療機関との入退院時連携の評価は拡充されたが、医療同時改定であればこそ、より踏み込んだ施策も検討すべきだったのではないか」と指摘する。

「自治体の関与」次期改正で議論

 当初から介護報酬のマイナス改定を強く主張してきた財務省の担当者は、「17年度にプラス1.14%の臨時改定を実施したこともあり、今回はマイナス改定を訴えてきた。ただ経営実態調査の結果や人材確保、政権の考えなどから今回の結果となったと受け止めている」と話す。一方で、経済・財政再生計画の改革工程表に位置付けられている要介護1、2の生活援助やそのほかの給付の地域支援事業への移行については今後も求めていく方針だ。

 大臣折衝では、「訪問介護・通所介護などの居宅サービスに対する保険者の関与のあり方について、第8期計画期間に向けて検討し、結論を得る」ことが合意された。地域密着型デイでは市町村が「指定拒否」できる仕組みが4月から始まる。財務省はこうしたサービスの供給量を自治体がコントロールする機能をさらに強化するよう求めていくとみられる。

 今回、診療報酬の改定率は医師らの技術料などの本体部分がプラス0.55%、薬価マイナス1.65%(20面)。薬価では薬価制度の抜本改革を含め国費ベースで1,800億円の引き下げとなる。材料価格も0.09%の引き下げ。これ以外に大型薬局の評価の適正化を行う。障害福祉サービス等はプラス0.47%(3面)。今年度末までの経過措置だった食事提供体制加算については、与党から申し入れがあったことから、今改定では継続することを決めた。

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