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白十字会 「医療に甘えない」セルフマネジメントを

 長崎県佐世保市を拠点に医療・介護サービスを展開する白十字会(富永雅也理事長)は、地域住民自らが病気のことを知り、健康に生きるための参加・活動を行う「セルフマネジメント」を支援している。富永理事長は「先生にお任せでは健康は維持できない。闘病の主人公は自分自身」と強調。自ら健康に役立つ情報を発信し、主体的な予防の取組みを促している。

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 同理事長による地域住民向け講座は10年以上前から実施し、現在は年間20回ほど佐世保市内の公民館などで開かれている。講座内容は医療・介護の制度・現状や、同法人の取組みなどが中心。「自分の病気を知るべきだということを一番に訴えたい。ただし、今は医療職と患者との間で情報の隔たりが大きく、自ら学ぶにも限界がある」(同理事長)。だからこそ、こうした講座をセルフマネジメントのきっかけにしてほしいと話す。

 同法人が取り組んでいるのは①病気の悪化を予防②食べられる口をつくるプロジェクト③地域サロン展開による認知機能維持――の主に3つ。特に①では糖尿病に着目し、20年前から法人独自の対策を立ててきた。同法人運営の佐世保中央病院では検査後、医師の診察までの間に栄養看護外来とフットケアを設置。糖尿病が原因での下肢切断や、透析数が大幅に減少した。年間の糖尿病患者数は1,600人以上。県内で断トツに多い。

地域に開かれた相談外来

 さらに、同病院では5年前に「看護外来」を開設。生活習慣病などに関する質問や相談を看護師が受ける。処置は行わないため、誰でも無料で利用できる(要予約)。外来の種類は▽脳卒中▽皮膚ケア▽女性のための尿失禁▽禁煙――など8部門に分かれ、その一つに糖尿病看護外来もある。

 「看護部が自分たちで要望し、すぐ作ることに決めた」と同理事長。「糖尿病や下肢静脈瘤について看護師が直接教える。外来が患者への教育の場になっている」。通常の外来診療とは違い、時間をかけてゆっくり話せることなどが利用者に好評だ。

 また、同病院では「自ら学ぶ」の後押しにと図書館も。一般家庭用医学書から専門医学書、一般書物まで約3,800冊が揃う。「病気とうまく付き合うために、自分でできることを探し出してもらう。また、患者本人だけでなく家族も知識を深め、退院後の介護に役立ててもらいたい」(同理事長)。

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住民が主役の地域活動

 講座の最後に、富永理事長は参加者へ一つお願いをする。それは、地域での活動・参加の場(サロン活動)を、住民自ら担ってもらうことだ。

 この1年半ほどは法人主体でサロン活動を立ち上げ、ノウハウを伝えてきた。

 活動の中身は、運動をしながら計算などの認知課題を行う「コグニサイズ」を主に実践。「認知症予防は健康寿命延伸への大きな課題の一つ。軽度認知障害(MCI)の段階にある人をいかに健常に戻せるかが大事だ」(同理事長)。

 「地域の予防といっても、一行政機関や一法人でできることには限りがある。大切なのは、住民に出番や役割を与えること。定年になっても外に出て、やることがあるというのは明日への励みになる。そのための動機づけやきっかけを提供していきたい」。

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