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シルバー産業新聞

ラガーマンの誇り「ゴールドパンツ」

ラグビーフットボール

兵庫県尼崎市 名和成介さん(90)

○名和さん1.jpg

 昭和14年に旧制北野中学(大阪)に入学。すぐにラグビーを始めた。

 翌15年1月の全国中等学校ラグビーフットボール大会に出場するも、強豪秋田工業と6対6で引き分け、抽選負けを喫した。その雪辱に燃え、「文武両道」を掲げる名門中学の中で、「文」をおろそかにしても、「武」=ラグビーに打ち込んだ。中学ラグビーにも戦争の影が忍び寄っている時代で、3年の時の24回大会は、開戦後で全国大会は行われず、関西大会(近畿・中国・四国)として実施され、そこでは優勝できたものの、その後の大会は実施されなかった。

 5年生の時は、大会はないものの、キャプテンとして、厳しい練習と、大学予科や高等専門学校、社会人(神戸製鋼など)などとの練習試合に没頭した。

 野球や庭球が敵性スポーツとして弾圧され、部としての存続ができなかったことを思えば、ラグビーは、「闘球」と名前を変えながらも、奨励すべきものとされたために、卒業まで好きなラグビーを続けることができた。

 召集年齢が下がる中、間もなく軍隊へ。しかし幸運にも沖縄へ送られるべく訓練を受けていた兵庫県和田山で終戦を迎えることができた。

 戦後は、仕事に追われ、ラグビーとはすっかり離れた生活となったが、48歳の時にシニア・ラグビーのことを知り、大阪の惑惑クラブに入った。

 その後は、再びラグビーとの深い付き合いが始まり、東京の不惑クラブ、九州の迷惑クラブとの3惑大会などで活躍。 カナダに声掛けしてシニアチームができてからは、何度となくカナダにも遠征。

「最高齢の意地見せる」

 ねんりんピックは、今回で5回目。大阪、鹿児島、石川、山口に出場した。昨年の山口大会では、5分間だけの出場だったが、それまではフル出場だったという。兵庫県在住だが、大阪のクラブに在籍しているので、ねんりんは大阪府代表としての出場。

 山口では、「最高齢者賞」を頂いた。それまでは、静岡県チームに1歳上の選手がいたため、「高齢者賞」どまりだったが、初めてもらってみると、「嬉しい。今年も頂けるもの」と思っている。

○ゴールドパンツ1.jpg

 シニア・ラグビーでは、年齢によってパンツの色を定めている。40代・白、50代・紺、60代・赤、70代・黄、80代・紫、そして90歳を超えると金、「ゴールドパンツ」となる。

 名和さんが元気にラグビーと付き合えているのは、1つは食事。奥さんに先立たれてからは一人暮らしだが、自分の食べるものは自分で料理する。しかも、若い人も驚くほどの量で、何でも食べるという。2つ目は1日連続100回のスクワット。40歳代と見まがうほど太い太ももは「黄金の太もも」と称されている。屋外を走ったり、ほかのトレーニングは特別にしていないという。

 若い時から、練習や試合の後の酒が楽しみで、今でも若い人と最後まで付き合うそう。

走る人たち.jpg

 「ええかっこうせんでええ。怪我せんと。済んだら、酒や」がモットー。その生き方は、「私も名和さんのようにいつまでも元気でラグビーを楽しみたい」とチーム内の比較的若い人たちの憧れとなっている。

 ねんりんピックは、今年も「最高齢者賞」を頂けるので、「これで終わりにしょうか」と思うが、来年は秋田県ということを聞いて、中学1年の時に抽選負けした秋田工業を思い出し、「因縁の秋田県にも行きたい」という気持ちが湧いてきている。

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