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誰でも楽しめる安心・快適な旅行を 「ユニバーサルツーリズム」

 現在、観光庁は加速する超高齢社会や2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、高齢者や障がい者だけではなく外国人など、年齢や国籍に関わらず誰もが楽しめる旅行として「ユニバーサルツーリズム」の取組みを推奨している。安心して行きたい場所へ行ける旅行は高齢者の生活を豊かにするとともに、介護家族の癒しとしても重要な役割があるとして注目されている。ユニバーサルツーリズムの普及活動に努めている日本旅行業協会社会貢献委員会バリアフリー旅行部会部会長の田中穂積さんに聞いた。

「バリアフリー」から「ユニバーサル」へ 

10110.jpg 当協会では19年前の1996年に社会貢献の一環として障がい者旅行部会を設立。その後2000年にバリアフリー旅行部会に名称を変更し、周知活動を行っている。

 「バリアフリー旅行」はもともと、高齢者や障がい者が参加する前提で車椅子用リフトのついた観光バスの用意や手話通訳・介助者の同行、旅行行程をゆったりさせるなど、各種の配慮がなされている。

 それに対して「ユニバーサルツーリズム」は一般的な旅行プランを基準とする。車椅子利用の方には空港やホテルなどで車椅子の用意を依頼したり、バリアフリールームを手配したり、身体状況や介助できる家族の有無を確認し、必要に応じて各種追加手配を行うものである。

 これまでボランティア的に実施してきたバリアフリー旅行から、高齢化の進展に伴って重要なマーケットと認識されてきており、各旅行会社にとって旅のユニバーサル化は必須となっている。

コンサルティングをしてより最適な旅行をプランニング

 ユニバーサルツーリズムの実現には旅行者へのコンサルティングが重要で、それぞれの人に合った旅行内容の提案を積極的に行うことがポイントとなっている。

 旅行会社窓口では参加者の身体状況や車椅子の有無、介助の必要性をヒアリングしてバリアフリーホテルの予約を行ったり、別途福祉車両の手配を行ったり、より過ごしやすい旅行プランを検討。状態とプラン内容を検討した結果、旅行をお断りする場合もあるが、できるだけ多くの方に参加していただくためにもご自身の状態を相談していただきたい。

 例えば、家族3世代でフランス旅行を希望していたAさんは車椅子生活。フランス郊外は階段や坂が多く旅行は厳しいのではないかと担当者は断ろうとしていた。しかし、改めて聞き取りを行ったところAさんは若い頃に見た景色を孫に見せたくて旅行を企画しており、介助が必要なところには行かず待っているとのことでした。旅行期間中、階段や坂が多い場所へ行くときは近場のカフェで待機し、その時間を楽しんでいたそうだ。

 また、近年では医療機器が発展し、小型化が進んでいる。酸素吸入器などはその例で、国内であれば吸入器を持って旅行することにほとんど支障が無くなった。医療ニーズに対しても少しずつ対応できるようになっており、軽度の人だけではなく、重度の人の参加も増えてきている。

 ハワイ旅行に参加したBさんは半身麻痺で普段は車椅子生活。ハワイは海外の中でもバリアフリーが進んでいて、車椅子の方も過ごしやすく、受け入れ態勢が整っている。半身麻痺の方でも参加できるシュノーケリングがあり、Bさんはアクティビティも満喫された。

 高齢だから、障がいがあるから旅行には行けないと考え込まずに気軽に旅行窓口に足を運んでいただきたい。

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ウィーンまでの特急列車。車内もバリアフリー化され安心 

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フランクフルトの広場で大道芸人との撮影 

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