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シルバー産業新聞

ツーリング 2011年度

 3月末に被災地を訪ねた。宮城県石巻市に着くと、町なかを通る運河を境に様相は一変した。海側は押し流された家や車ががれきになってうずたかく積み上げられている。道路はいたるところで泥水が引かず、打ち上げられた船があちこち不自然な光景をかもしている。ここで生活をしていた人々はどこに行ったのだろう

 それから1カ月後、岩手県釜石市。内陸の花巻から釜石線は再開されていたが、沿岸部の山田線は寸断されていまも開通の見込みが分からない。駅前の食堂で会った70歳ほどの女性は、半島部の集落を襲った津波が夫と家を持ち去ったといい、そこを見て行ってほしいと頼むように話された。タクシーに乗ると、「被災したが、まだ私には仕事がある」という運転手さんの言葉が胸に刺さった

 9月、ゲートボールでねんりんピック熊本に出場する仙台の橋本恵子さんにお会いした。市の最高齢の85歳だという。孫娘夫婦一家と郊外に造成された住宅地に住むが、土を盛った地盤であったため、今回の震災で家がだめになった。若い頃は満州に渡り、40、50歳代で魚の行商もしていたという苦労人だ。津波の被害が大きかった漁港の気仙沼までかつて鮮魚の買出しに出かけていたという。ねんりんピックでは、チーム力を発揮して、元気でがんばっている姿を全国へ届けたと話した

 震災にまけず、東北や北海道の被災地から熊本へ多くの選手役員のみなさんが参加される。開会式の入場行進や競技会場では、ひときわ大きい拍手が起こることだろう。福島第一原発もようやく廃炉に向けた作業工程が見え出してきている。地球のすさまじいエネルギーの前にひれ伏すばかりの私たちだが、経験に裏打ちされた絶大なシニアパーワーを力に、なんとか日本の難局を乗り越えていきたい。来年、ねんりんピックは宮城県で開催される。今年の初雪が降る前に岩手を訪ねたいと思う。一日も早い復興を祈らずに得ない。

<ねんりんピック新聞 2011年熊本号>

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