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黒部峡谷トロッコ電車 大自然に溶け込む鉄道の旅 (2018年)

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 日本三大渓谷の一つ、黒部峡谷を縫うように走るトロッコ電車。宇奈月から終点の欅平まで20.1km、高低差400mを約1時間20分で結ぶ。タイムスリップしたかのようなトンネルを抜けるたびに、雄大かつ切り立った黒部峡谷と黒部川の自然が目に飛び込む。

 「やはりお盆が、一番のピークです」と黒部峡谷鉄道企画広報係の佐々木裕二さん。もう一つのピーク、運行期間5~11月のフィナーレを飾る紅葉シーズンに向け、PRに精を出す。

 出発駅・宇奈月の象徴とも言える新山彦橋はその朱色が特徴で、下を流れる黒部川のエメラルドグリーンとの対比が鮮やか。黒薙駅への道中にそびえる新柳河原発電所は、ヨーロッパの城を模したデザインが写真映えする。

 1つ目の駅・黒薙は温泉の源泉地。宇奈月駅の温泉はここから6km、パイプで引いて使用している。終点の欅平まで行くと景色が開け、ここから白馬岳にトレッキングに行く人も多いそうだ。

 ビューポイントが近づくたびに、車内には富山県出身の女優・室井滋さんのガイドアナウンスが流れる。「全体的には、車両の右側に座るのがおすすめです」と佐々木さんは教えくれた。

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通勤電車が観光資源に

 もともとは、アルミニウム製造工場の建設にあたり、工場の電力供給源として黒部峡谷に水力発電の調査に入ったのが始まり。「黒部川は長さ86km・高低差3000mの激流。この地形が発電に生かせます」と佐々木さんは説明する。

 鉄道は電力開発の建材や作業員の輸送を目的に建設。1937年に現在の終点・欅平まで開通した。ただ、当時から秘境の探勝を求める人が絶えず、やがて一般向けにも開放。当時は屋根もなく、長椅子を並べただけの車両。乗車券には「安全の保証はない」旨が記載されている。現在も、欅平から黒部ダムまでは輸送用トロッコとして、現場で働く人たちの「通勤電車」となっている。

 黒部峡谷鉄道では機関車(運転車両)25両、旅客車とあわせて314両をもつ。機関車はスタンダードなもので1982年製。古いものだと戦前の1934年製だが、現役で動いている。一方、2015年型最新モデルは新幹線の駆動構造を取り入れたもの。「スーッと滑らかな動き出し。トロッコっぽくないですけど」と佐々木さんは話す。

 11月の運行期間が終わると、整備士だけでなく運転士・車掌も加わり90人体制で全車両の整備にあたる。「坂道とカーブが多く、一番の消耗はブレーキ部分」と佐々木さん。「運転士も基本的な車両構造を押さえておくことで、ちょっとした不具合でもその場で対応できます」と話す。

 入社27年の佐々木さんも運転士の資格をもつ。入社後に車掌を務め、その後車両整備、そして運転席にも座った。「運転中のよくあるトラブルは、車両ではなく動物です」。カーブを曲がると、その先にカモシカが立っていて急停止した経験がある。「こういうとき、お詫びのアナウンスをすると、決まって笑い声が聞こえてきます」。

 近年は、SNSの情報力もあり外国人観光客も増加。黒部ダムに引けをとらない観光スポットとして注目度が上昇している。「ねんりんピック開催の11月初旬は紅葉の見頃のど真ん中。黒部の大自然をぜひ楽しんでいただきたい」(佐々木さん)。

 

ねんりんピックしんぶん2018in富山

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