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大館市 秋田犬保存会 (2017年秋田)

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大館は忠犬ハチ公のルーツ 気はやさしくて力持ち」

 大館市は秋田犬のまち。昭和2年(1927年)に大館町長だった泉茂家さんが、古代から続いてきた大館犬やマタギ犬の保存を願い、秋田犬保存会をつくった。大正時代、闘犬が盛んになり、土佐犬などとの交配が行われるなど雑種化が懸念されたのが理由。

 1931年には、日本犬初の国の天然記念物の指定を受け、種の保存に向けて、犬籍登録ができて血統書が発行されるようになった。秋田犬標準では、「沈毅(ちんき、落ち着いていて物事に動じないさま)にして威厳を備え悍威(かんい、気迫と威厳)に富み」とある。首が太く、目と耳は三角形。「見た目はやさしいですが、精悍なのです」と、同保存会副会長の富樫安民さん。

 東京・渋谷駅広場の忠犬ハチ公も大館の生まれ。生後まもなく、日本犬を探していた東京帝国大学の上野英三郎博士の家にもらわれた。博士が急死した後にも渋谷駅前で主人の帰りを待ち続けていた話は有名だ。

 純粋の秋田犬と認定されるためには、父犬と母犬が秋田犬であるだけなく、その両親も秋田犬であることが要件。「厳密な登録を受けずに秋田犬を飼っている人もたくさんいます」(富樫さん)。海外にも、アメリカ、ヨーロッパ、台湾、モンゴル、中国、ロシアなどに保存会支部があり、日本よりも盛んに飼育されているという。

 保存会の会員は全国で3700人。なかには、歳をとり今は秋田犬を飼っていないという人が、2割いる。「秋田犬と離れたくない」との思いからだという。かつては会員4万人、登録件数7万頭の時代もあったが、60年代以降、生活環境の変化や核家族化の流れの中で、大型犬は朝夕の散歩などの日課が難しくなったのが理由という。

 「戦時中の受難時代もあった。大型犬を飼うのは贅沢だと言われて、毛皮や食肉にと殺され、一時は大館市の秋田犬は10数頭まで減った。警察が来たので、山へ飼っていた秋田犬を隠しに行った人もいます」と富樫さん。

 

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 今では県の観光キャンペーンやイベントの広告塔に大忙しの秋田犬。大館市役所でも昨年6月に生まれた姉妹犬「飛鳥」「あこ」の2頭を飼い、大館空港や大館駅で観光客を出迎える。大館空港の出迎えは、忠犬ハチ公にちなんで、8のつく日。3・11東日本大震災の救援のお礼で、秋田県知事がロシアのプーチン大統領に秋田犬「ゆめちゃん」を贈呈し、返礼でロシア猫をもらったのも記憶に新しい。

 「縄文の時代から犬は人と一緒に住んだ動物で、特に秋田犬は飼い主への忠誠心が強い。ハチ公の話は有名ですが、家族の一員として、それぞれの飼い主との間でドラマが生まれています」

 毎年5月3日に大館で開催される春の展覧会には、500頭の秋田犬が集まる。大館空港だけでは足りず、秋田空港や青森空港からもやってくる。厳しい審査基準をクリアして「名誉賞」に輝くのが参加者の目標だが、「該当なし」の年もある。

 「秋田犬を飼うのは特別な印象があるのを、何とか広く飼っていただけるようにしたい」というのが富樫さんたち保存会の人たちの願いだ。

 

ねんりんピックしんぶん2017in秋田

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