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健康マージャン 北野道尚さん(東京都)

「出られることがまず幸運」 麻雀教室で社会参加の場つくる

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 北野さんは麻雀の魅力を「99%は運が支配する先の見えないゲーム。だからこそ、自分のツキの良し悪しを把握し、良いときの波をいかに逃さず勝負に行けるかです」と語る。

 好きな手役は「一気通貫」(同種の牌を1から9までそろえる役)。慌てず、仕掛けず、欲しい牌が入るまでじっと待つのが自身のプレースタイルだという。

 ねんりんピックは、もともと県予選に出場予定だった91歳の知人が体調不良を訴え、北野さんが急きょ「代打ち」で出ることに。5位入賞で本選出場を決めた。「もうこの時点で運を使い切りました」と本人は笑う。

 大学のときに麻雀を覚えた北野さんは「かつて麻雀で身を滅ぼした人間」と猛省するほど、その奥深さに引き込まれていった。3日間不眠不休で打ち続けたことがあり、「頭は真っ白ですが手はなぜか動いていました」と感覚を思い出す。「とことん突き詰めるという意味では、本当の趣味の領域に達したのではないでしょうか」。

 就職してからは牌に触れることはなく、商社に勤めていた北野さんは、後半の21年間をカナダのバンクーバーで過ごした。65歳で定年退職し、帰国したのは2年前。特に何もやることがなく、港区内を散歩するだけの毎日だった。

 そんな時、区報を見て高齢者向けの麻雀教室が開かれていることを知った。「一度火が付いたら止められない」と北野さん。プレーヤーではなく指導者として、趣味との再会を果たすこととなった。

 現在は、同区内2カ所の教室を週1回ずつ訪れ、ボランティアで指導を行っている。三田教室は参加者32人で各卓に指導者が1人ずつ。参加者の最高齢は90歳。レベルは全くの初心者から経験者までさまざまだが、特筆すべきは女性が8割もいること。そのおかげで、教室内はいつも和気あいあいとした雰囲気に包まれている。

 北野さんは「麻雀はあくまで手段であり、集まって話をするのが一番の楽しみなのでしょう。女性を抜きにして社会参加の場は成立しません」と感心する。欠席者の安否確認も兼ねており、個人の健康と地域見守りの両面を満たす。

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 指導者の経験を通じて、プレーヤーの裾野を広げる活動へ意識がシフトしてきた。「経験豊かになれば、つい自身の流儀を押し付けがちです。技術指導は二の次で、まずは参加してくれたことを喜び、次回も気持ちよく来てもらえるように接することが指導者としての責務です」。

 同じ教室には90歳の指導者も。「私にとっては人生の大先輩。こうした方々が頑張っている姿を見れば見るほど、自分の気力も湧いてくる」と張り切る。

 北野さんのもう1つのライフワークがウォーキング。毎日、1時間半以上は歩き、公共交通機関は基本的に利用しない。麻雀教室も当然、徒歩だ。毎月1回は大田区まで往復4時間半かけて歩く。北野さん曰く、これを続けられるかが健康のバロメータになる。

 「健康に、明るく、くよくよしない」が北野さんのモットー。分からないことは笑ってごまかし、失敗しても気にしない。「麻雀に向いているのか向いていないのか、一体どちらでしょうか」と豪快に笑った。

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