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マラソン10km 埼玉県三郷市 岩地政實さん(79)

鍛え抜かれた脚力でベストタイム狙う

昔の遊びを教え、地域づくりに貢献

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 「マラソンをはじめたのは73歳になってから」と異色の経歴をもつ岩地さん。背筋がぴんと伸び、日に焼けて引き締まった身体は79歳には到底見えないが、元自衛隊員と聞けば納得してしまう。

 岩地さんが配属されていた北海道の東千歳駐屯地は米軍基地が隣接し「2,500台以上の戦車が敷地内を走っていた」というほど広大な場所。そこで昼夜厳しい訓練を受けてきた。

 それに加え、道のバイアスロンチームにも参加。強化合宿では重りを乗せた人命救助用ソリをスキーで引っ張るなど、過酷なトレーニングで下半身を鍛えぬいた。

 26歳で除隊した後は、都内の建設機械メーカーへ就職。ちょうど東京オリンピック開催に向けた道路、地下鉄の建設ラッシュ期だった。「製造が終われば夜は運搬。寝る間もほとんどなかった」と当時の状況を話す。64年に設置された富士山レーダーの建築資材を運んだ経験も。「ヘリコプターがなかったので、静岡の藤枝からブルドーザーで全部運びました」。

 現在はバッグの金具やアクセサリー等の金属研磨業を自営。もともとは、お兄さんが営むメッキ屋の手伝いから技術を積んできたが、そのお兄さんが交通事故で他界。その後を継ぎ、今まで続けてきた。

 そんな岩地さんの1日は、まだ夜が明けない時間帯のマラソン練習からはじまる。起床は午前3時。近くの江戸川沿いを10~15㎞走るのが日課だ。「河川敷で車が通らないので安全。気を付けるのは自転車だけです。本当は一緒に走ってくれる人がいると嬉しいのですが、この時間では無理でしょうね」と頭をかく。

 早朝になると、地域の人々を集めてラジオ体操と30分程度のウォーキングを行う。ラジオ体操は8年前から自ら発起。1人でも多く、外に出る機会を作りたかったのだという。「集団で行えば長続きする。目標は地域で寝たきり高齢者をなくすこと」と意気込む。

 その後は、小学生の登校時に通学路に立ち安全を見守る「スクールガード」もこなす。また、小学校では菜園の手入れも一部しており、野菜がどう育つかを生徒に見せ教えている。 

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 仕事を開始するのは午後から。夕方にその日の作業分を納品し、遅くても9時には床につくという生活スタイルだ。岩地さんは「外に出て体を動かさないと気が済まないのでしょう」と白い歯をのぞかせる。

 岩地さんが大切にしているのは、子どもから高齢者までが地域でつながること。小学校で隔週の週休2日制が始まった頃、休みの日を使って何かできないかと考え、小学生を集めてこまや竹とんぼ、お手玉などを一緒に作る文化伝承活動をはじめた。

 これを機に、「岩地さんがやるなら」と触発された同志が集まり、また同様の取組みが他の町会にも広がっていった。後の05年に、埼玉県が県内全ての小中学校に組織した「学校応援団」の先駆けだと言われている。

 今では、地域で何かイベントをしたいと学校側から相談に来るほどの関係性を築くまでに。「小学校で焼きイモをしたいので、ドラム缶で専用器を一から作りました。完全に便利屋扱いです」。

 決して五体満足ではなかった岩地さん。結婚して間もなく糖尿病を患い、また精神的に安定せず薬に頼らざるを得ない時期もあったという。「それが最近、小学校で子どもたちと走り始めてから調子が良いのです。昨年あたりから血糖値が安定し、不整脈もなくなってきました」と笑顔で話す。

 普段のマラソン大会では10㎞を57、58分で走る。ねんりんピックでは55分台を目標に掲げた。今後は少しずつ距離を伸ばし、「ゆくゆくはフルマラソンに挑戦したい」と決意を述べる。

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