第22回 介護支援専門員 実務研修受講試験問題(3月実施分)【解答・解説】学校法人 藤仁館学園

保健医療福祉サービス分野(福祉サービスの知識等) 一問一答

分野別テスト→

問46

面接場面におけるコミュニケーションの技術について、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1波長合わせとは、相談援助者が、自らの態度、言葉遣い、質問の形式等をクライエントの反応に合わせて修正していくことである。

2イラストや手話、ビデオ、写真、文字盤など多様な表現方法を利用することは、クライエントを混乱させるので、避けるべきである。

3予備的共感とは、事前情報をもとに、クライエントの立場に立った共感的な姿勢を準備しておくことである。

4クローズドクエスチョンは、相談援助者の意図を含むことによってクライエントの答えを誘導してしまうので、使用しない。

5「励まし、明確化、要約」といった技術を活用して、クライエントと相談援助者がともにクライエントのかかえる課題を明確にしていく必要がある。

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正解は…1・3・5
  1. 相談面接場面でコミュニケーションを阻害する要素に身体的雑音がある。疾病による聴覚の障害、言語の障害などが挙げられる。身体的雑音を排除するためには、イラストや手話、ビデオ、写真、文字盤などによるコミュニケーションの方法が有効である。
  2. 確かにクローズドクエスチョンを頻回に用いすぎると、クライエントの意向を制限してしまうことにもなり、話をしながら広がっていくクライエントの世界を、ケアする側が狭めてしまうおそれもある。しかし、クローズドクエスチョンは、相手の語ることを明確化し、焦点をあてていくことも可能となり、閉じられた質問をできる限り有効に用いることで、その人自身が話を自分の方向へ展開していく手助けともなる。したがって、クローズドクエスチョンは効果的に使用するべきである。

問47

インテーク面接について、より適切なものはどれか。3つ選べ。

11回の面接で終わらせなければならない。

2相談機関や援助者ができること及び提供できるサービスについて具体的に説明し、その説明に対するクライエントの反応を注意深く観察する。

3クライエントに情報を提供したり、対人関係や環境整備についての助言や提案を行ったりすることも、必要である。

4情報収集のため、アセスメント項目の順番に従ってすべて質問する。

5援助機関に紹介された理由をクライエント自身が理解しているかどうかを確認することが、重要である。

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正解は…2・3・5
  1. インテーク面接では、画一的な対応ではなく、個別性を尊重した対応が求められるので、必ずしも1回で終わらせる必要はなく、必要があれば複数回行うこともある。
  2. インテーク面接における情報収集は受容的・非審判的態度で傾聴することが大切であり、双方向的なものでなければならず、何の事前聴取もなしにアセスメント項目等の順番に沿ってすべて質問することは望ましくない。

問48

ソーシャルワークの視点から、支援困難事例への対応として、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1複数の問題を抱えている支援困難事例については、各専門職がそれぞれ個別に対応することが望ましい。

2地域から孤立しているクライエントの場合には、アウトリーチは有効な方法である。

3アウトリーチの対象は、本人のみならず家族も含む。

4利用者負担の大きさを理由にクライエントがサービスの利用を拒否した場合には、直ちに支援を中止する。

5社会資源の不足により支援が困難な場合には、社会資源の開発が求められる。

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正解は…2・3・5
  1. 各専門職が、個別に対応するのではなく、連携し、包括的に対応することが必要。
  2. 利用者負担の大きさを理由にクライエントがサービスの利用を拒否した場合であっても、直ちに支援を中止することは不適切である。例えば、支援を拒否している高齢者や家族であっても、特定の信頼できる人からの助言や支援を受け入れる場合もあり、このようなキーパーソンを探し、支援につなげていくのも有効である。

問49

ソーシャルワークにおける地域援助技術として、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1地域包括支援センターの社会福祉士による高齢者を虐待する家族への面接

2NPOによる地域住民とともに行う地域開発

3特別養護老人ホームの生活相談員による入所者に対するグループ活動

4地域包括支援センターによる地域住民のための認知症サポーター養成講座

5震災被災者に対する支援のためのボランティアの組織化

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正解は…1・3・5
  1. 集団援助である。
  2. 現在の日本の地域課題は行政機関等のフォーマルな社会資源による地域ネットワークのみ構築すれば解決するものではない。住民主体のインフォーマルな社会資源をフォーマルの社会資源と併せて、整備することで、地域の利用者を中心とした住民にとって、より効果的な地域ネットワークとすることができる。

問50

介護保険における短期入所生活介護について正しいものはどれか。3つ選べ。

1利用者20人未満の併設型の事業所の場合、介護職員は非常勤でもよい。

2家族の結婚式への出席や趣味活動への参加などを理由とした利用はできない。

3介護支援専門員が緊急やむを得ないと認めた場合には、専用の居室以外の静養室も利用できる。

4短期入所生活介護計画は、おおむね4日以上連続して利用が予定される場合に作成しなければならない。

5緊急短期入所受入加算と認知症行動・心理症状緊急対応加算は、同時に算定できる。

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正解は…1・3・4
  1. 「指定短期入所生活介護事業者は、利用者の心身の状況により、若しくはその家族の疾病、冠婚葬祭、出張等の理由により、(中略)指定短期入所生活介護を提供するものとする」(居宅サービス等の運営基準第126条)
  2. 緊急短期入所受入加算と認知症行動・心理症状緊急対応加算は、同時算定できない。

問51

介護保険における福祉用具について正しいものはどれか。2つ選べ。

1福祉用具貸与については、種目によっては、要介護状態区分に応じた制限がある。

2福祉用具貸与事業所には、福祉用具専門相談員を1人以上置かなければならない。

3特定福祉用具を販売する際には、福祉用具専門相談員は、利用者ごとに特定福祉用具販売計画を作成しなければならない。

4自動排泄処理装置は、交換可能部品も含め、特定福祉用具販売の対象となる。

5設置工事を伴うスロープは、福祉用具貸与の対象となる。

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正解は…1・3
  1. 福祉用具専門相談員は、常勤換算で2人以上置かなければならない。
  2. 自動排泄処理装置について、交換可能部品(レシーバー、チューブ、タンク等)のうち、尿や便の経路となる部分は福祉用具販売の対象である。しかし、本体部分は福祉用具貸与の対象である。
  3. 設置工事を伴うスロープは、住宅改修の給付の対象である。

問52

介護保険における訪問介護について正しいものはどれか。2つ選べ。

1利用回数が少ない利用者については、居宅サービス計画にサービスの内容が明記されていれば、訪問介護計画は作成しなくてよい。

2管理者には、サービス担当者会議への出席等により、居宅介護支援事業者等と連携を図ることが業務として位置付けられている。

3利用者が居宅サービス計画に位置付けられていないサービスを希望した場合には、事業者は担当の居宅介護支援事業者に連絡しなければならない。

4サービス提供責任者が必要と認めた場合に、緊急に行った指定訪問介護については、緊急時訪問介護加算が算定できる。

5サービスの提供により事故が発生した場合には、市町村、家族に加え、居宅介護支援事業者等への連絡を行わなければならない。

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正解は…3・5
  1. 「サービス提供責任者は、(中略)訪問介護計画を作成しなければならない」(居宅サービス等の運営基準第24条第1項)。「訪問介護計画は、既に居宅サービス計画が作成されている場合、当該計画の内容に沿って作成しなければならない」(同基準第24条第2項)
  2. 「サービス提供責任者は、(中略)次に掲げる業務を行うものとする。(中略)サービス担当者会議への出席等により、居宅介護支援事業者等と連携を図ること」(同基準第28条第3項第三号)
  3. 緊急時訪問介護加算は、サービス提供責任者が認めただけでは算定できず、介護支援専門員が必要であると認めた場合に算定できる。

問53

介護保険における通所介護について正しいものはどれか。2つ選べ。

1通所介護計画は、その内容について利用者に説明して同意を得た上で作成し、利用者に口頭で示せばよい。

2通所介護計画は、介護支援専門員が作成しなければならない。

3サービス提供時間が9時間以上の場合は、延長加算を算定できる。

4若年性認知症の利用者を受け入れた場合は、認知症加算に加えて、若年性認知症受入加算を算定できる。

5利用者は、利用日ごとに異なる提供時間数のサービスを受けることができる。

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正解は…3・5
  1. 「指定通所介護事業所の管理者は、通所介護計画を作成した際には、当該通所介護計画を利用者に交付しなければならない」(居宅サービス等の運営基準第99条第4項)
  2. 「指定通所介護事業所の管理者は(中略)通所介護計画を作成しなければならない」(同基準第99条第1項)
  3. 認知症加算と若年性認知症利用者受入加算は同時算定できない。

問54

介護保険における訪問入浴介護について正しいものはどれか。3つ選べ。

1身体の状況により全身入浴が難しい場合は、利用者の希望によって、清拭や部分浴に変更する。

2利用者に病状の急変が生じた場合は、サービス提供後に主事の医師にその旨を報告する。

3サービスの提供ごとに消毒した浴槽を使用する。

4医療依存度が高い利用者も利用するため、管理者は看護師でなければならない。

5事業者は、自らその提供するサービスの質の評価を行い、常にその改善を図らなければならない。

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正解は…1・3・5
  1. 利用者に病状の急変が生じた場合、サービス提供前に主治医へ連絡・相談し、主治医の判断を仰ぐ。
  2. 管理者は特段の専門資格は不要である。なお、管理者は事業所ごとに常勤・専従で1人以上必要である。

問55

介護保険における認知症対応型通所介護について正しいものはどれか。3つ選べ。

1若年性認知症の者も対象とする事業所の設置市町村は、他市町村から指定の同意の申し出があった場合には、原則として、同意を行うことが求められる。

2送迎時に実施した居宅内での介助等に要した場合は、サービス提供時間に含まれない。

3職員、利用者及びサービスを提供する空間を明確に区別すれば、一般の通所介護と同じ事業所で同一の時間帯にサービスを行うことができる。

4認知症対応型通所介護には、機能訓練が含まれる。

5認知症の原因となる疾患が急性の状態にある者も、対象となる。

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正解は…1・3・4
  1. 送迎時に実施した居宅内での介助等(着替え、ベッド・車いすへの移乗、戸締り等)に要する時間は、居宅サービス計画および認知症対応型通所介護計画に位置づけたうえで実施し、かつ介護福祉士等一定の資格要件または経験年数を満たす者によって行われた場合、1日30分以内を限度に、サービス提供時間に含めることができる。
  2. 認知症対応型通所介護の利用者は、「認知症である者(その者の認知症の原因となる疾患が急性の状態にある者を除く)」であり、疾患が急性である者は除く(地域密着型サービスの運営基準第41条)

問56

介護保険における認知症対応型共同生活介護について正しいものはどれか。3つ選べ。

1利用者の処遇上必要と認められる場合であっても、居室を二人部屋にすることはできない。

2事業者は、共同生活住居ごとに、非常災害対策などの事業運営についての重要事項に関する規定を定めておかなければならない。

3事業者は、利用者の負担により、当該事業所の介護従業者以外の者による介護を受けさせることができる。

4事業所の管理者は、厚生労働大臣が定める研修を修了していなければならない。

5共同生活住居ごとに、認知症対応型共同生活介護計画の作成を担当する計画作成担当者を置かなければならない。

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正解は…2・4・5
  1. 利用者の処遇上必要と認められる場合には2人も可。
  2. 利用者に対して、利用者の負担で共同生活住居の介護従業者以外の者による介護を受けさせてはならない。

問57

指定介護老人福祉施設について正しいものはどれか。2つ選べ。

1配置される介護支援専門員は、非常勤でもよい。

2入所者数が30人以上50人未満の場合は、常勤換算で2人以上の看護職員を配置しなければならない。

3医務室は、医療法に規定する診療所でなければならない。

4入所者が入院する場合には、3月間は当該ベッドを空けておかなければならない。

5利用者の負担により、当該施設の従業者以外の者による介護を受けさせることができる。

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正解は…2・3
  1. 介護支援専門員は常勤の職員でなければならない。1人以上であり、100人またはその端数を増すごとに1人を増やす。
  2. 入所者が医療機関に入院しなければならなくなった場合、3月以内に退院できる見込みのときには、原則として、退院後再び当該施設に入所できるようにする。ベッドを空けておかなければならない、とまではされていない。
  3. 入所者の負担により、施設の従業者以外の者による介護を受けさせてはならない。

問58

障害者総合支援法について正しいものはどれか。3つ選べ。

1自立支援医療費の支給は、自立支援給付の一つである。

2市町村は、介護給付等の支給決定を行うに当たり、障害程度区分の認定を行う。

3対象となる障害者の範囲には、難病の患者も含まれる。

4成年後見制度利用支援事業は、市町村の任意事業である。

5介護給付費の支給には、行動援護が含まれる。

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正解は…1・3・5
  1. 2014年改正により、障害程度区分から障害支援区分に名称が変更された。これは、障害者総合支援法における障害区分が、障害の程度(重さ)を指すのではなく、標準的な支援の度合いを示すことから、より的確な障害支援区分という名称に改められたものである。
  2. 成年後見制度利用支援事業は、地域生活支援事業における市町村地域生活支援事業の必須事業である。

問59

生活保護制度について正しいものはどれか。3つ選べ。

1医療扶助は、原則として、指定医療機関に委託して行われ、一部負担相当額は金銭給付として被保護者に支給される。

2介護施設入所者基本生活費は、生活扶助として給付される。

3生活保護は、原則として、個人を単位として行われる。

4生活保護の補足性の原理により、介護扶助よりも介護保険の保険給付が優先して給付される。

5要保護者が急迫した状況にあるときは、保護の申請がなくても、必要な保護を行うことができる。

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正解は…2・4・5
  1. 医療扶助は現物給付のため、被保護者に一部負担相当額が金銭給付として支給されることはない。
  2. 生活保護制度には世帯単位の原則があり、世帯を単位として、保護の要否および程度を定める。

問60

後期高齢者医療制度について正しいものはどれか。3つ選べ。

1後期高齢者医療給付には、高額療養費及び高額介護合算療法費の支給が含まれる。

2一部負担の割合は、原則として1割であるが、現役並み所得者は3割である。

3後期高齢者医療給付には、入院時食事療養費及び移送費の支給は含まれない。

4生活保護を受けている者も、被保険者となる。

5運営主体は、都道府県ごとにすべての市町村が加入する後期高齢者医療広域連合である。

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正解は…1・2・5
  1. 後期高齢者医療給付に入院時食事療養費及び移送費は含まれる。他に、療養の給付、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、特別療養費、高額療養費、高額介護合算療養費、条例で定める給付、などがある。
  2. 生活保護世帯に属する者は被保険者から外れる。
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