第18回 介護支援専門員 実務研修受講試験問題【解答・解説】学校法人 藤仁館学園

保健医療福祉サービス分野(総合) 一問一答

分野別テスト→

問41

バイタルサインについて、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1低体温は、環境要因に加えて、低栄養や甲状腺機能低下症、薬剤による体温調節機能不全で起きる。

2悪性症候群は、パーキンソン病薬の内服を開始したときに出現する。

3頻呼吸は、発熱や心不全、呼吸器疾患でみられ、徐呼吸は、糖尿病性ケトアシドーシスや脳卒中による昏睡でみられる。

4毎分50分未満の脈拍は高齢者ではよくみられるため、医療職に報告する必要はない。

5急に立ち上がったときに、ふらつきやめまいがみられる場合には、起立性低血圧を考える。

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正解は…1・3・5
  1. 記述の通り。
  2. 悪性症候群は、パーキンソン病の治療薬を長期間服用している人が、急に服薬を中止した場合に生じる。
  3. 記述の通り。頻呼吸とは1分間に25回以上の場合をいい、徐呼吸とは1分間に9回以下の場合をいう。
  4. 1分間に60回未満の徐脈では、甲状腺機能低下症や低体温症、脳障害による脳圧亢進なども考えられるため、医療職に報告する必要がある。
  5. 長期臥床後に急に立ち上がったときに起立性低血圧を生じやすい。

問42

訪問看護について正しいものはどれか。2つ選べ。 (注)選択肢1、3及び5は「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第37号)の定める内容による。

1訪問看護ステーションは、24時間連絡体制が義務付けられている。

2認知症対応型グループホーム入居者は、訪問看護を利用できる。

3訪問看護指示書のとおり訪問看護を提供している場合には、法門看護報告書を主治医に定期的に提出する必要はない。

4急性増悪時に主治医が特別訪問看護指示書を交付した場合には、訪問看護はその支持の日から2週間に限って介護保険から給付される。

5利用者の意向の反映の機会を保障するため、看護師等は、訪問看護計画書の内容を利用者に説明し、同意を得て、交付する。

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正解は…2・5
  1. 訪問看護ステーションは、24時間連絡体制が義務付けられているわけではない。そのため、24時間連絡体制がとれている事業所は、緊急時訪問看護加算が算定できることで評価される仕組みとなっている。
  2. 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の入居者は、介護保険による訪問看護を利用することはできないが、急性増悪時など医師により特別訪問看護指示書が交付された場合には、医療保険による訪問看護を利用することができる。
  3. 訪問看護指示書のとおり訪問看護を提供していたとしても、訪問看護報告書は定期的に医師に提出しなければならない。
  4. 急性増悪時に主治医が特別訪問看護指示書を交付した場合には、その指示の日から2週間に限っては、訪問看護は介護保険ではなく医療保険から給付される。
  5. 訪問看護計画書など、サービスごとの個別計画についても、内容の説明および利用者の同意が必要となる。

問43

認知症について、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1パーソン・センタード・ケア(PCC)は、介護者の効率を優先し、薬物療法等の医療を中心とした認知症のケアである。

2初期では基本的ADLは保たれるが、中期には基本的ADLに支援が必要になるなど、認知症の進行過程により症状やケアの方法が異なる。

3BPSD(認知症の行動・心理症状)は、脳の病変により症状が生じるため、個人因子や環境因子の影響は受けない。

4アルツハイマー型認知症の初期症状としては、近時記憶の障害が著しい。

5認知症初期集中支援チームは、認知症が疑われる者やその家族を複数の専門職が訪問し、アセスメント、家族支援などの初期の支援を包括的、集中的に行う。

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正解は…2・4・5
  1. パーソンセンタードケアは、利用者を中心においた認知症ケアである。
  2. 記述の通りである。
  3. BPSDには、孤立や不安、不適切なコミュニケーション、身体的不調、住環境、生活リズムの乱れなどが影響するとされており、個人因子や環境因子も影響する。
  4. アルツハイマー型認知症の初期症状としては、近時記憶の障害があげられ、緩徐に進行するのが特徴である。
  5. 記述の通り。認知症初期集中支援チームは、地域包括支援センター等に設置される。

問44

リハビリテーションについて、より適切なものはどれか。3つ選べ。(注)選択肢3は「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第37号)の定める内容による。

1リハビリテーションは、その果たす機能と時期から、予防的リハビリテーション、治療的リハビリテーション及び維持的リハビリテーションに分けられる。

2がんの終末期にある者は、治療の効果が期待できないため、リハビリテーションの対象とはならない。

3訪問リハビリテーションとは、病院、診療所又は介護老人保健施設から理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が訪問するサービスをいう。

4変形性膝関節症の発症リスクは、減量をしたり、大腿四頭筋等の筋力を鍛えたりしても、低下しない。

5左片麻痺でみられる半側空間失認に対しては、失認空間に注意を向けるリハビリテーションを行う。

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正解は…1・3・5
  1. 記述の通り。
  2. がんの終末期にある者であっても、QOLの向上、寝たきりに伴う関節拘縮の予防などを目的としたリハビリテーションは重要である。
  3. 記述の通り。訪問リハビリテーションが提供できるのは、指定を受けた病院、診療所、介護老人保健施設のみである。
  4. 変形性膝関節症の発症リスクとして肥満やO脚があげられ、減量や大腿四頭筋等の筋力を鍛えることで発症リスクを低下させることができる。
  5. 半側空間失認では、機能は維持されているが、左右いずれかの空間が認識できないため、失認空間に注意を向ける訓練が重要である。

問45

居宅療養管理指導について正しいものはどれか。3つ選べ。(注)選択肢1及び2は「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第37号)の定める内容による。

1主治医は、サービス担当者会議への参加が難しい場合は、原則として、文書等により介護支援専門員に必要な情報提供を行う。

2サービス担当者会議は、居宅療養管理指導を行う医師又は歯科医師が利用者宅に訪問するときに、開催することが可能である。

3薬剤師が行う居宅療養管理指導は、薬局の薬剤師に限定されている。

4居宅療養管理指導は、区分支給限度基準額の対象にならない。

5定期的に通院や訪問診療を受けている場合でも、訪問看護師が療養上の相談及び支援を行った場合には、居宅療養管理指導費を算定することができる。

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正解は…1・2・4
  1. サービス担当者会議への参加が困難な場合には、居宅介護支援事業者又は居宅サービス事業者に対して、原則として情報提供書又は助言の内容を記載した文書を交付しなければならないとされている。(居宅サービス等の運営基準第89条第1項)
  2. 記述の通り。
  3. 薬局の薬剤師のみでなく、病院の薬剤師も実施することができる。(同基準第85条第1項)
  4. 居宅療養管理指導は、区分に含まれないサービスである。
  5. 看護師が行う居宅療養管理指導は、定期的に通院や訪問診療を受けている利用者に対して実施することはできない。
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