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第15回 介護支援専門員 実務研修受講試験問題【解答・解説】学校法人 藤仁館学園
保健医療福祉サービス分野(総合) 一問一答
問41
次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。
1心筋梗塞では、前胸部痛が主症状のことが多いが、左肩の痛みを訴えることもある。
2老年期のうつ病では、若年期のうつ病と比較し、頭痛や肩こりなどの身体症状を訴えることは少ない。
3高齢者がかかりやすい睡眠障害のうち、睡眠時無呼吸症候群、レストレスレッグス症候群などは、専門的な診断が必要である。
4薬剤性パーキンソン症候群は、抗精神病薬、一部の胃腸薬などの服用で起こり得る。
5パーキンソン病が進行し、自立歩行が困難となった場合には、運動療法は行わない。
問42
認知症について適切なものはどれか。3つ選べ。
1若年性認知症では、作業能率の低下など実行機能の障害が引き起こす諸症状が先行することが少なくない。
2若年性認知症者が入院による精神医療を継続的に必要とする場合には、自立支援医療の対象となり、健康保険の自己負担が軽減される。
3若年性認知症である介護保険の第2号被保険者であっても、市町村が必要があると認めた場合には、障害福祉サービスの利用が可能である。
4養護者により虐待を受けたと思われる認知症高齢者を発見した者は、高齢者本人の意思確認ができないときは、そのまま経過を観察する。
5認知症地域支援推進員は、市町村や地域包括支援センターに配置され、家族等からの認知症に関する総合相談に応じ、コーディネーターの役割を担う。
正解は…1・3・5
- 若年性認知症は、特に40代や50代といった働き盛りの人たちが発症することが多く、中でも初期症状として現れるのが記憶力や判断力などの低下であり、仕事中の作業効率の低下など実行機能の障害が引き起こす諸症状が先行することが少なくない。
- 障害者自立支援法における自立支援医療の精神通院医療は、精神疾患の治療のために医療機関に通院する場合に、医療費の自己負担分の一部を公費で負担する制度である。精神疾患には若年性認知症も含まれ、通院による治療を受ける場合は、通院医療費(薬代等も含まれる)の負担が軽減され、入院医療費は対象外である。精神通院医療に係る調剤・往診・通所リハビリテーション・訪問看護も対象となる。
- 障害者自立支援法に基づく「障害福祉サービス」は、居住地の市町村よりサービス支給決定を受ければ利用可能である。原則として介護保険サービスが優先されるが、40歳未満の人や介護保険サービスに相当するものがない障害福祉サービスの固有のサービス(行動援護、自立訓練〈生活支援〉、就労移行支援、就労継続支援等)を利用する場合等に有効である。
- 高齢者虐待防止法により、虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者は、市町村に通報するよう努めなければならない。
- 2011年(平成23年)の市町村認知症施策総合推進事業において、市町村において、家族等からの認知症に関する総合相談に応じ、認知症疾患医療センターや医療機関、介護サービスおよび地域の支援機関をつなぐコーディネーターとしての役割を担う認知症地域支援推進員を地域包括支援センターや市町村本庁などに配置することが原則化された。
問43
在宅医療について、より適切なものはどれか。2つ選べ。
1人工呼吸器を装着している場合には、外出はできないため、社会参加は考慮しなくてもよい。
2在宅酸素療法を実施している場合には、酸素濃縮器にはバッテリーが内蔵されているので、2日間程度なら停電になっても問題はない。
3パルスオキシメータの測定値は、貧血、末梢循環不全、あるいは濃いマニキュアを爪に塗っている場合には、正確な数値を示さないことがある。
4在宅で持続点滴をしている場合であっても、訪問入浴介護を利用することができる。
5胃ろうからの経管栄養を受けている者が下痢になった場合には、消化吸収を速やかに行う必要があるため、注入速度を速くする。
正解は…3・4
- 人工呼吸器を装着している場合にも外出は、楽しみや社会参加の機会が得られ、生きがいともなり、人として守られるべき尊厳に関わる活動であるといえる。外出時には、身体機能に応じた個別性の高いケアに加えて、活動に伴う人工呼吸療法を安全に実施できるように検討していく必要がある。
- 在宅酸素療法の内蔵バッテリーの持続時間は機種により、数十分-数時間程度のため、2日間の停電には対応できない。
- 貧血の場合、酸素を運搬するヘモグロビン自体が不足しているため、低酸素状態でもSpO2(血中酸素飽和度)が正常値を示すという誤差が生じるおそれがある。末梢循環不全の場合、パルスオキシメーターは血流を利用し透過光層の変動成分から測定値を求めているために、また爪に濃いマニキュアなどを塗っている場合、マニキュアがLEDの透過光を吸収するため、生体を透過する発光成分が変化するなど、それぞれ正確な数値を示さないことがある。
- 訪問入浴サービスは、在宅での持続点滴や在宅酸素療法など医療器具をつけている人も、状態に合わせて利用が可能である。
- 下痢になった場合は、注入速度を遅くするのが一般的である。
問44
口腔ケア及び誤嚥性肺炎について適切なものはどれか。3つ選べ。
1総義歯の高齢者であっても、定期的な口腔ケアは必要である。
2食事摂取後すぐに臥位になった方が、胃腸の動きが活発になるので、誤嚥性肺炎の予防につながる。
3口腔ケアは、口腔内細菌を減少させるとともに咳嗽反射を促すので、誤嚥性肺炎の予防に有効である。
4脳卒中で麻痺のある高齢者では、麻痺側の頬の内側に食物が残っていることが多いので、残渣の有無を確認しながら食事の介助をする。
5糖尿病に罹患した高齢者では、出血傾向が増すので、歯肉出血のリスクがある口腔ケアは慎む。
正解は…1・3・4
- 総義歯であっても、義歯を外して洗浄し、歯がない場合でも口腔内に食物残渣や舌苔がないか確認し、ある場合はスポンジブラシや舌ブラシ等で除去するなど口腔ケアは必要である。
- 食事摂取後の臥位は、少量の胃の内容物の逆流により誤嚥性肺炎を起こす要因となり、望ましくない。
- 誤嚥性肺炎は、口腔内の唾液や細菌が誤って気道に入り込んだり、胃の内容物が嘔吐により気道に入った場合にも起こることがあり、口腔ケアによる予防は有効とされている。
- 麻痺のある場合は、通常感覚障害も伴っているため、麻痺側に食物残渣が残っていても気づかないため確認しながら介助を行う。また嚥下反射・咳反射機能が低下しているため、誤嚥に対する注意も必要である。
- 糖尿病の高齢者では、免疫力が低下するため歯周病になりやすく、感染に対する抵抗力も弱くなるため、歯周病から重症の感染症を引き起こす危険性もあり、出血に留意しながらも口腔ケアは不可欠である。
問45
介護保険サービスについて適切なものはどれか。3つ選べ。
1療養通所介護は、難病、認知症、脳血管疾患後遺症やがん末期の要介護者などに対して、介護療養型医療施設が行うサービスである。
2利用者が連続して30日を超えて短期入所療養介護を受けている場合には、30日を超えた日以降は短期入所療養介護費は算定できない。
3医師、薬剤師が行う居宅療養管理指導は、介護支援専門員によるケアプランが作成されていなくても、算定できる。
4特定短期入所療養介護は、インフルエンザやノロウイルスなどに罹患している利用者を個室で管理した場合に限り、算定できる。
5緊急短期入所受入加算は、居宅サービス計画を担当する介護支援専門員がその必要性を認め緊急にサービスが行われた場合に、7日を限度として算定できる。
正解は…2・3・5
- 療養通所介護は、難病等を有する重度要介護者又はがん末期の者であって、サービス提供に当たり常時看護師による観察が必要なものを対象者とし、療養通所介護計画に基づき、入浴、排泄、食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うものであり、通所介護サービスに位置づけられる。
- 利用者が連続して30日を超えて指定短期入所療養介護を受けている場合においては、30日を超える日以降に受けた指定短期入所療養介護費は、算定できない。
- 居宅療養管理指導は、区分支給限度額の対象外であり、介護支援専門員が給付管理を行わないため、ケアプランが作成されていなくても、算定できる。但し2012年の改定で、医師・歯科医師・薬剤師・看護職員がこれを算定する場合に、介護支援専門員への情報提供が義務付けられた。
- 特定短期入所療養介護は、日帰りのサービスであり、難病やがん末期の要介護者など、医療ニーズと介護ニーズの両方をもつ在宅の中重度者の生活の質の向上、家族負担軽減のため日帰りでの利用が想定される。また退院退所直後やレベル低下時に集中的なリハビリテーションを提供できるサービスとしても活用できる。
- 緊急短期入所受入加算は、利用者の状態や家族等の事情で、居宅サービス計画を担当する介護支援専門員が緊急に短期入所療養介護を受けることが必要と認めた利用者が対象で7日間を限度に算定できる。但し、認知症行動・心理症状緊急対応加算を算定している場合は算定しない。
正解は…1・3・4