第14回 介護支援専門員 実務研修受講試験問題【解答・解説】学校法人 藤仁館学園

保健医療福祉サービス分野(基礎) 一問一答

分野別テスト→

問26

次の記述のうち適切なものはどれか。2つ選べ。

1がんの身体的疼痛は制御が困難で、点滴による麻薬の投与が欠かせない。

2在宅で人工呼吸器を利用する場合、災害等による停電に備えて、予備バッテリーの確保や必要な連絡体制を確認する。

3在宅酸素療法では、引火のおそれがあるため、火気から2m以上離すことや禁煙することが必要である。

4完全皮下埋め込み式のポート型の在宅中心静脈栄養では、感染のおそれがない。

5経管栄養では、栄養剤は腸管ですべて吸収されるために排便はなくなる。

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正解は…2・3
  1. がん性疼痛はがん患者にとって最も耐えがたい症状であり、最近では疼痛のコントロールに麻薬の座薬や経口剤を使用する場合もある。
  2. 人工呼吸器は生命維持装置であり、停電等で作動しなくなると命に関わることとなる。予備バッテリーを確保しておき、機器のトラブル時は医師等に速やかに連絡がとれるよう、その方法を確認しておく必要がある。
  3. 在宅酸素療法で使用する酸素供給器には酸素用高圧ガスボンベや酸素濃縮器などがあるが、引火・発火の危険性があるため、使用には火気厳禁である。
  4. 食道がんなどにより経口あるいは経腸摂取ができない者に電解質やビタミンなどを含む高カロリー液を輸液するが、ルート刺入部の感染の危険性などがあり清潔操作が重要となる。
  5. 経管栄養であっても排便がなくなるとは限らず、時に便秘や下痢に注意が必要である。

問27

次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。

1肝硬変の末期では、血小板数の減少などにより、出血傾向をきたしやすい。

2終末期においては、嚥下機能が低下し肺炎を起こしやすいので、口腔ケアは控える。

3糖尿病の内服治療をしている場合には、低血糖症状が認知症の進行と間違われることがある。

4痛風や高尿酸血症では、尿酸排泄促進剤を内服していれば、飲酒を慎む必要はない。

5パルスオキシメータにより簡便に酸素飽和度が測定できるが、脈が検知されないときは、表示された数値の信頼性は乏しい。

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正解は…1・3・5
  1. 肝硬変は高齢者に好発する肝疾患であり、末期では血小板数の減少などがみられる。
  2. 終末期においては嚥下機能の低下により口腔内は非常に汚れやすくなるため、誤嚥性肺炎を予防するためにも積極的な口腔ケアが必要となる。
  3. 高齢者の低血糖症状(特に自律神経症状)は非特異的であり、神経疾患と間違えられることがある。
  4. 尿酸排泄促進剤を内服していても過剰なアルコール摂取は慎む。
  5. パルスオキシメータは動脈血の脈動により酸素飽和度を測定するため、脈が検知される必要がある。

問28

介護老人保健施設が提供するサービスについて適切なものはどれか。3つ選べ。

1緊急時施設療養費は、緊急時等にやむを得ない事情により行われる医療行為につき算定できる。

2介護予防短期入所療養介護は、施設サービスであるので、要支援者は利用できない。

3認知症専門ケア加算は、認知症の入所者に対して専門的な認知症ケアを実施した場合に1日単位で算定できる。

4短期入所療養介護の主な目的は、医療を集中的に行うことである。

5在宅の終末期ケアにおいても、介護負担が急激に増えたとき等には、短期入所療養介護の利用を検討する。

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正解は…1・3・5
  1. 緊急時施設療養費は、入所者の病状が著しく変化した場合に、緊急その他やむを得ない事情により行われる緊急時治療管理・特定治療について算定できる。
  2. 介護老人保健施設・介護療養型医療施設等で提供される介護予防短期入所療養介護は、基準に適合する居宅要支援者が利用できる。
  3. 認知症介護に一定の経験があり、国・自治体が実施または指定する専門研修修了者を配置し、認知症ケアを行う場合に算定できる。
  4. 短期入所療養介護の目的は、入所中の看護、医学的管理だけではなく在宅復帰後を意識した日常生活上の世話を行うことである。
  5. 在宅で看取る方針で介護体制を整えていても、病状の変化や悪化により介護負担が急激に増えたときには、入院だけではなく短期入所療養介護の利用も検討する必要がある。

問29

在宅のリハビリテーションについて正しいものはどれか。2つ選べ。

1訪問リハビリテーションの短期集中リハビリテーション実施加算は、退院日から3か月以内に行われた場合についてのみ加算される。

2介護予防訪問リハビリテーションは、利用者の生活機能の継続又は向上のために、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が提供する。

3指定訪問リハビリテーション事業者は、あらかじめ指定訪問リハビリテーションの利用料以外の費用の額も決めておかなければならない。

4訪問リハビリテーションは、病院、診療所、介護老人保健施設又は介護老人福祉施設から提供することができる。

5訪問リハビリテーションは、訪問リハビリテーション計画を作成して実施されるため、必ずしも医師の指示は必要ない。

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正解は…2・3
  1. 短期集中リハビリテーション実施加算は、認定日から起算して3ヵ月以内に行われた場合にも算定することができる。
  2. 介護予防訪問リハビリテーションは在宅の要支援者に対して、病院・診療所または介護老人保健施設の理学療法士・作業療法士または言語聴覚士が医学的管理下において提供する。
  3. 指定訪問リハビリテーション事業者は利用料以外の費用の額もあらかじめ定め、利用者に説明の上同意を得なければならない。
  4. 介護老人福祉施設は訪問リハビリテーションを提供することができない。
  5. 訪問リハビリテーションは医師の指示に基づいて作成された訪問リハビリテーション計画に沿って提供される。

問30

皮膚疾患について正しいものはどれか。3つ選べ。

1ノルウェー疥癬(角化型疥癬)は、ヒゼンダニが原因で生じる通常の疥癬と異なり、アレルギーによって生じる。

2いわゆる水虫の原因は、白癬菌というカビであり、体幹に感染することもある。

3カンジダは、健常人の皮膚に常在するカビの一種である。

4薬疹は、薬の服用開始後1週間を超えた時点から新たに生じることはない。

5帯状疱疹においては、早期に治療を始めると、一般的に帯状疱疹後神経痛などの後遺症の出現が軽減される。

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正解は…2・3・5
  1. 免疫が低下している人が感染すると、ノルウェー疥癬(角化型疥癬)と呼ばれる重症型に移行することがある。通常の疥癬では、寄生数が多くても1000匹以下なのに対して、ノルウェー疥癬の場合1人の患者に100万~200万匹寄生する。寄生数の違いから、ノルウェー疥癬は感染力がきわめて強くなり、手や体の骨ばったところの皮膚に厚く増殖して灰色や黄白色の垢がカキの殻のようにつく特徴がみられる。また、かゆみを伴わない場合もあるので注意を要する。通常の疥癬とノルウェー疥癬とでは、感染力もその対策も全く異なるため、違いをはっきり認識することが重要である。
  2. 白癬は高齢者によく見られる皮膚疾患の一つであり、股や体幹に感染することもある。
  3. カンジダは通常皮膚や粘膜に常在しているが、おむつの中などの湿った環境・免疫不全などの要因が加わると増殖して症状を引き起こす。
  4. 薬疹は薬剤接種後1~2週間後に起こる全身性の発疹であることが通常である。
  5. 帯状疱疹は早期に治療を始めると一般的に後遺症が少なく治りがよいため、早期発見早期治療が肝心である。

問31

口腔ケアについて適切なものはどれか。3つ選べ。

1口腔のアセスメントにおいては、口腔内の状況のみでなく、歯磨きの実施状況や義歯の着脱、義歯の清掃状況等についても評価することが重要である。

2口腔ケアは、唾液の分泌や味覚の回復を促すが、咳反射は改善されない。

3嚥下性(誤嚥性)肺炎の予防のためには、総義歯でも口腔ケアが重要である。

4義歯は最低1日1回、研磨剤入りの歯磨き剤を使って丁寧に磨くことが推奨される。

5経管栄養を行っている場合には、唾液分泌量が減少し、咀嚼による自浄作用が乏しくなるため、積極的な口腔ケアが必要となる。

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正解は…1・3・5
  1. 口腔のアセスメントは口腔の機能・口腔の状態・口腔清掃・症状等の項目を評価する。
  2. 口腔ケアにより咳嗽反射が改善され、睡眠中の口腔常在菌の誤嚥予防にもつながる。
  3. 義歯に付着した食べかすなどで誤嚥性肺炎を引き起こすことがある。
  4. 歯磨き剤には研磨剤が含まれていることが多いが、義歯床を傷つける恐れがあるので義歯専用のもの以外は使用しない方がよい。
  5. 経管栄養を行っている場合や歯がない場合は、口腔内が非常に汚れやすい。

問32

次の記述のうち適切なものはどれか。2つ選べ。

1認知症の原因は、脳血管障害と脳変性疾患に分類される。

2意識障害を把握する3―3―9度方式(Japan Coma Scale)において、刺激しても覚醒しない状態は1、2、3の1桁の点数で示される。

3頭部外傷後1~2か月後に認められる認知障害の場合には、慢性硬膜下血腫の可能性がある。

4長谷川式認知症スケール(HDS―R)は、認知症の簡易検査法であり、21点以上であれば認知症が疑われる。

5L―ドパ製剤は、パーキンソン病治療に有効であるが、長期間使用すると、不随意運動や、幻覚・妄想等の神経症状を生じることがある。

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正解は…3・5
  1. 認知症の原因は脳血管障害、脳変性疾患以外にも感染性疾患・内分泌代謝性疾患などさまざまなものがある。
  2. 3―3―9度方式(Japan Coma Scale)では、刺激しても覚醒しない状態は三桁の点数で示される。
  3. 高齢者では転倒時の頭部打撲による慢性硬膜下血腫が多い。
  4. 長谷川式認知症スケール(HDS-R)では20点以下を認知症の判定としている。
  5. L―ドパ製剤は数年間使用すると有効時間が短縮し、また不随意運動(ジスキネジア)や幻覚・妄想などの精神症状の副作用が生じやすくなる。

問33

高齢者の精神障害について適切なものはどれか。2つ選べ。

1アルツハイマー病では、人格が比較的保たれることが特徴である。

2せん妄は、意識混濁に加えて、錯覚や幻覚などの状態をいうが、妄想を伴うことはない。

3せん妄は、脳の器質疾患の際に発症することが多い。

4老年期気分障害では、うつ気分に加えて、注意力の低下や緩慢な動作などの症状を示しやすい。

5せん妄がみられる高齢者に対しては、薬物治療はほとんど効果がない。

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正解は…3・4
  1. 人格が比較的よく保たれるのは血管性認知症の特徴である。
  2. せん妄は意識障害の一種で、軽度の意識混濁に加えて錯覚、幻覚それらに基づく妄想や興奮を伴う状態をいう。
  3. せん妄はほかに心疾患、感染症(肺炎・尿路感染症など)、脱水、薬物などが原因でも生じる。
  4. 老年期気分障害は気分の高揚した躁病とうつ気分のうつ病を示し、身体症状をしばしば伴う。
  5. せん妄の疑いがもたれた際には医療機関を受診し、せん妄の基礎の原因を探し、脳循環改善薬や少量の向精神薬を用いる薬物治療などを行うのが原則となる。

問34

次の組み合わせのうち適切なものはどれか。3つ選べ。

1脊髄小脳変性症――――――――失語症

2シャイ・ドレーガー症候群―――排尿障害

3帯状疱疹―――――――――――全身性水疱

4急性硬膜下血腫――――――――頭痛・嘔吐

5嚥下反射の低下――――――――誤嚥

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正解は…2・4・5
  1. 小脳性運動失調はろれつ障害がみられるが、失語症とは異なる。
  2. 記述の症状がみられる。
  3. 帯状疱疹は水痘、帯状疱疹ウィルスの再活性化によっておこるウィルス性の疾患である。症状は通常は体の右側か左側の半分に痛みを伴う水ぶくれが帯をまいたようにできる。
  4. 記述の症状がみられる。
  5. 記述の症状がみられる。

問35

高齢者の栄養管理について適切なものはどれか。3つ選べ。

1高齢者の食生活指針は、疾病や介護の二次予防を目的に作成されている。

2糖尿病の場合は、摂取エネルギーを制限して、食物繊維の多い食品を摂取する。

3高齢者に低栄養状態をもたらす主な原因は、カルシウムとミネラルの摂取不足である。

4経管栄養では、腹部膨満感や下痢などの症状をきたしやすいため、注入速度に注意する。

5低栄養では、浮腫や貧血が生じやすく、免疫機能が低下するため、感染症も起こりやすくなる。

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正解は…2・4・5
  1. 1985年策定の「健康づくりのための食生活指針(対象特性別)」の趣旨を、健康寿命の延伸やQOLの向上を目指すためにさらに展開したものとして作成された。
  2. 糖尿病の場合は、糖質代謝異常を修正して合併症を予防するために低エネルギーでバランスの良い食事とする。食物繊維は血糖の上昇を緩慢にする、摂食時間を遅延することなどから多く摂取するとよい。
  3. 高齢者ではタンパク質・エネルギー低栄養状態が大きな問題となっており、protein energy malnutrition; PEMとも言われる。
  4. 経管栄養食の注入速度は実施時の観察事項である。
  5. 高齢者は消化吸収能力が低下し低栄養状態に容易に陥りやすいため、早い段階で低栄養に気づき対応することが必要である。

問36

通所リハビリテーションについて正しいものはどれか。2つ選べ。

1通所リハビリテーション事業者は、病院、診療所、介護老人保健施設に限られる。

2認知症の症状の軽減を図ることが難しいため、認知症高齢者は、通所リハビリテーションの適用にはならない。

3理学療法士、作業療法士等は、利用者の身体機能、認知・言語機能を評価してリハビリテーションを行うが、口腔機能、栄養状態のアセスメントは行わない。

4通所リハビリテーションにおける個別リハビリテーション実施加算は、所要時間1時間以上2時間未満の場合には算定しない。

5低栄養状態により体力が低下している高齢者は、通所リハビリテーションの対象とはならない。

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正解は…1・4
  1. 訪問リハビリテーション同様、病院・診療所、介護老人保健施設のみが事業者となる。
  2. 2009年4月の介護報酬改定により、認知症利用者に対する短期集中的なリハビリテーションについて報酬が設定されている。
  3. 口腔機能・栄養改善のサービスはリハビリテーション専門職等の他職種が共同して計画を作成し、その計画に基づいてサービスを実施する。
  4. 個別リハビリテーション実施加算は1時間以上2時間未満の短時間・個別のリハビリテーションを算定していないこと等を要件としている。
  5. 介護報酬に栄養改善加算が設定されている。

問37

次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。

1慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者にとって、禁煙は最も重要な治療的介入である。

2筋萎縮性側索硬化症(ALS)では、眼球運動、膀胱直腸機能及び認知機能は、長期にわたって保たれることが特徴のひとつである。

3閉塞性動脈硬化症では、四肢末端部に壊死がみられることがある。

4関節リウマチでは、症状の日内変動がないことが特徴のひとつである。

5ウェルナー症候群をはじめとする早老症では、老化変性による身体所見に加えて、知能低下が特徴である。

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正解は…1・2・3
  1. 特定疾病の一つでもある慢性閉塞性肺疾患(肺気腫と慢性気管支炎の総称)における治療として禁煙指導が行われる。
  2. 筋萎縮性側索硬化症は骨格筋を支配する脊髄や延髄の運動神経細胞が変性消失し、その支配する筋が委縮して収縮力を失うが眼球運動や肛門括約筋、知能や意識は末期までよく保たれる。
  3. 閉塞性動脈硬化症は動脈硬化を基礎に血管が狭窄、閉塞し十分な血液が末梢へ送れなくなる病態である。進行すると安静時の疼痛、壊死に至る。
  4. 関節リウマチは朝こわばって動きにくく、昼頃動きやすくなるが夕方には疲れも加わり動きが悪くなる。日内変動がある。
  5. 早老症では老化変性による身体所見が特徴である。

問38

若年性認知症について適切なものはどれか。3つ選べ。

1平成21年の厚生労働省の「若年性認知症の実態調査」によれば、我が国における65歳未満で発症した、いわゆる若年性認知症の者の数は、約1万人と推計される。

2若年性認知症利用者受入加算を算定するためには、若年性認知症利用者ごとに個別に担当者を定め、利用者の特性などに応じたサービスを提供しなければならない。

3若年性認知症の者は、精神障害者保健福祉手帳の取得や障害基礎年金等の受給はできない。

4若年性認知症の者を介護する家族には、抑うつ的な精神状況や減収による経済的困難が生じている現状が指摘されている。

5地域包括支援センターに配置された認知症連携担当者は、若年性認知症の者の個々の状態や本人・家族等の要望を踏まえ、適切な支援施策の活用を援助する。

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正解は…2・4・5
  1. 平成21年の厚生労働省「若年性認知症の実態調査」では若年性認知症の者の数は約3.78万人と推計される。
  2. 施設サービス・通所サービス等に平成21年4月より「若年性認知症利用者受入加算」が新設された。算定要件として利用者ごとに個別の担当者を定めること、利用者の特性やニーズに応じたサービス提供が定められている。
  3. 厚生省(現・厚生労働省)保健医療局長通知「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について」の「精神障害者保健福祉手帳障害等級判定基準の説明」によると、器質精神病の一つとしてアルツハイマー病が含まれるため精神障害者保健福祉手帳の取得等が可能である。
  4. 平成21年の厚生労働省「若年性認知症の実態調査」での介護家族に対する生活実態調査では①最初に気づかれた症状はもの忘れ(50.0%)、行動の変化(28.0%)、性格の変化(12.0%)、言語障害(10.0%)であった②家族介護者の約6割が抑うつ状態にあると判断された③若年性認知症発症後、7割が収入が減ったと回答した④多くの介護者が経済的困難、若年性認知症に特化した福祉サービスや専門職の充実の必要性を記載した――との指摘があった。
  5. 平成20年厚生労働省発表「認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」において示されている。

問39

次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。

1指定訪問看護ステーションにあっては、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士も訪問看護サービスに携わることができる。

2指定訪問看護事業者は、看護師等に、その同居家族である利用者に対して指定訪問看護を提供させることができる。

3利用者やその家族等の同意を得て、利用者の身体的理由により同時に2人の看護師によって訪問看護を提供した場合には、「複数名訪問加算」が算定できる。

4認知症対応型グループホームの利用者は、医療保険による訪問看護を利用することはできない。

5訪問看護を利用している者の病状が急激に悪化し、主治医が特別指示書を交付した場合には、2週間に限り、毎日、訪問看護を利用することができる。

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正解は…1・3・5
  1. 訪問看護ステーションのリハビリ専門職により「30分未満」または「30分以上1時間未満」のサービス提供が介護報酬上認められている。
  2. 指定訪問看護事業者は所属する看護師等に、その同居家族である利用者に対してのサービス提供を禁止している。
  3. 「複数名訪問加算」は例えば体重が重い利用者を1名が支えて1名が処置をする場合等の理由がある場合算定することができる。ただし、いずれかの1名が看護補助職員(介護職員)の場合は対象外となる。
  4. 主治医から「特別訪問看護指示書」がある場合などでは、医療保険による訪問看護を利用することができる。
  5. 特別指示書による訪問看護は14日に限られる。

問40

高齢者の薬剤管理について適切なものはどれか。3つ選べ。

1居宅療養管理指導における薬剤管理指導は、医師の処方による薬剤だけでなく、市販の医薬品、漢方薬、健康食品や一般食品が影響し合う可能性を確認する。

2利用者の居宅を訪問して薬剤師が行う居宅療養管理指導は、薬局の薬剤師に限定されており、医療機関の薬剤師は行うことができない。

3服用した薬剤は、主に尿から排泄されるため、尿量の確認が大切である。

4製剤学的な工夫がなされている錠剤には、つぶして内服してはいけないものがあるので、飲みやすい剤形への変更については、医師や薬剤師に確認する。

5医師が処方した医薬品は、すべて後発医薬品(ジェネリック)に切り替えることができる。

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正解は…1・3・4
  1. 薬剤師等が薬剤管理指導を行う際、医師の処方による薬剤や市販の医薬品、健康食品などが影響しあう可能性について薬剤管理票等を利用し確認する。
  2. 居宅療養管理指導は病院または診療所の薬剤師も行うことができる。
  3. 薬は腎臓から尿の中に排泄されるものがあるが、高齢者では腎機能が衰え、腎から排泄される薬の排泄が遅くなり、薬の作用増強が考えられる。
  4. 剤形の変更については専門的な判断が必要なため医師・薬剤師に確認を要する。
  5. 後発医薬品に切り替えることで医療費負担を抑えることができるが、すべてを切り替えることはできない。
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