第14回 介護支援専門員 実務研修受講試験問題【解答・解説】学校法人 藤仁館学園

全分野テスト

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問1正解不正解

高齢者を介護する家族の状況について正しいものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…2・4・5
  1. 同居している主な介護者の続柄をみると、「配偶者」25%、「子」17.9%、「子の配偶者」14.3%の順となっている。
  2. 要介護3で「ほとんど終日」が30.9%を占め、要介護5では52.7%にまで至る。
  3. 家族の悩みで最も多いのは肉体的負担よりも、「精神的」負担である。
  4. 同居している主な介護者を性別にみると、男28.1%、女71.9%であり、年齢階級別では女性の「50~59歳」が31.6%で最も多く、高年齢層がそれに続く。
  5. 要支援者のいる世帯は、単独世帯が32.1%で最も多い。

問2正解不正解

介護保険に関する次の記述のうち正しいものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・3・4
  1. 住所地特例対象施設は、介護保険施設に特定施設(有料老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、適合高専賃)。入居定員が29人以下の地域密着型サービスは含まない。
  2. 住所地特例適用届は転出届とともに、保険者となる住所変更前の市町村に提出する。施行規則第25条。
  3. 地域密着型介護老人福祉施設は平成17年改正で創設されたサービスであるが、住所地特例対象施設には位置付けられていない。
  4. 第1号被保険者については原則すべての者に交付されるが、第2号被保険者は要介護・要支援認定の申請もしくは、交付を申請した者に交付される。施行規則第26条の1。
  5. 被保険者となる「住所要件」を満たしていなければ、日本国籍があっても被保険者とはならず、被保険者証の交付も求められない。

問3正解不正解

保険給付の内容について正しいものはどれか。2つ選べ。

解答と解説

正解は…1・2
  1. 基準該当居宅サービスは法人格がない等の理由で、通常の都道府県指定が受けられない場合でも、保険者が一定の水準にあると認めた場合にはサービス事業者となることができる。(法第42条)
  2. 原則に則らない方法でサービスを受けても、保険者が認めた場合には「特例」として保険給付の対象となる。
  3. 理美容代、教養娯楽費等の日常生活費は保険給付の対象とはならず、全額利用者負担となる。
  4. おむつ代については、施設サービスおよび短期入所系サービスで保険給付の対象とされている。
  5. 2009年の報酬改定により、栄養管理体制は施設サービス費に包括化された。

問4正解不正解

介護保険制度について正しいものはどれか。2つ選べ。

解答と解説

正解は…1・5
  1. 医療保険者が第2号被保険者の保険料を納める先は、社会保険診療報酬支払基金である。
  2. 年金保険者が第1号被保険者の保険料を納める先は、保険者である市町村である。
  3. 厚生労働大臣が介護報酬算定に際し、意見を聴くのは社会保障審議会である。(法第41条の5)
  4. 厚生労働大臣が定める支給限度基準額を上回る額を、当該市町村の支給限度基準額にできるのは保険者である市町村である。(法第43条の3)
  5. 不正行為等により過料を科す規定を設ける場合には、配偶者や世帯主なども対象とできる。(法第214条)

問5正解不正解

介護保険法において市町村が条例により規定することとされているものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・2・3
  1. 市町村に設置される介護認定審査会の委員の定数は、市町村が定める数とする。(法第15条)
  2. 個別の種類のサービスの支給限度基準額は、地域のサービス基盤の整備状況等に応じて、区分支給限度基準額の範囲内で、市町村が条例で定めることが出来る。(法第43条)
  3. 市町村は条例で定めるところにより、特別の理由がある者に対し、減免または徴収を猶予することができる。(法142条)
  4. 第三者行為求償事務は、委託を受けた国民健康保険団体連合会が行う。(法第21条)
  5. 第2号被保険者の保険料率は各医療保険者が決める。

問6正解不正解

介護保険の審査請求の仕組みについて正しいものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・2・5
  1. 設問の審査請求を受理し、審理・裁決を介護保険審査会が行う。(法第183条)
  2. 認定に関する処分は、保険給付に関する処分として審査請求の対象である。
  3. 介護保険審査会は都道府県知事の付属機関として設置されるが、職務執行上の独立性において、知事の指揮監督を受けるものではないとされている。
  4. 専門調査員は、保健、医療または福祉に関する学識経験を有する者のうちから任命する。(法第188条の2)
  5. 審査請求の審理・裁決は、公益・市町村・被保険者のそれぞれを代表する委員により構成される2種類の合議体で取り扱う。(法第189条)

問7正解不正解

介護サービス情報の公表制度について正しいものはどれか。2つ選べ。

解答と解説

正解は…4・5
  1. 地域密着型サービスの指定は市町村が行うが、介護サービス情報の公表制度に関する報告は、都道府県知事に行う。(法115条の35)
  2. 報告することを命ずることができるのは都道府県知事のみである。
  3. 調査機関は都道府県ごとに指定される。(法115条の36)
  4. 調査員は専門的知識および技術を有するものとして政令で定める要件を備える者のうちから選任しなければならない。(法115条の37)
  5. 基本情報・調査情報に、介護サービスを利用する者が適切に利用機会を確保できるような内容が含まれる。

問8正解不正解

国民健康保険団体連合会の行う介護保険関係業務について正しいものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・3・5
  1. 介護報酬の審査および支払に関する事務を、市町村は国保連に委託できるとされている。
  2. 地域支援事業支援交付金を交付するのは社会保険診療報酬支払基金の業務である。
  3. 質の向上に関する調査や、必要な指導および助言を業務として行う。(法第176条の2)
  4. 指定居宅サービス事業者に対する勧告は、都道府県知事が行うことができる。(法第76条の2)
  5. 国保連は、介護保険施設の運営についての業務を行うことができる。

問9正解不正解

他のサービスとの代替性に乏しいため、居宅介護サービス費等区分支給限度基準額が適用されないサービスの種類として正しいものはどれか。2つ選べ。

解答と解説

正解は…3・4

施行規則第66条により、居宅療養管理指導・特定施設入居者生活介護・特定福祉用具販売・地域密着型特定施設入居者生活介護および地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護は、ほかのサービスとの代替性に乏しいものとして居宅介護サービス費等区分支給限度基準額が適用されない。

問10正解不正解

都道府県介護保険事業支援計画で定めることとされている事項について正しいものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…2・3・5

認知症対応型共同生活介護の必要利用定員総数および地域支援事業に係る費用の額は、市町村介護保険事業計画で定めることとなっている。(法第117・118条)

問11正解不正解

居宅介護支援事業者の指定取消し又は効力停止の事由として正しいものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・3・4
  1. 指定居宅介護支援事業者の指定取消しまたは効力停止要件は、指定居宅サービス事業者と基本的に同様であるが、設問の「更新認定にかかる調査結果について虚偽の報告をしたとき」が含まれている。(法第84条の1の5)
  2. 是正命令を受けた際に、その命令に従わず、または虚偽報告をしたときに指定取消しまたは効力停止される。(法第77条)
  3. 社会保障各法に違反した場合は事由に該当となる。
  4. 指定居宅サービス事業者同様、人員基準を満たさなくなったときは指定取消しまたは効力停止の事由に該当となる。
  5. 指定居宅介護支援事業者の事業の基準は人員基準および運営基準のみで、設備基準は定められていない。(法第81条の1・2)

問12正解不正解

地域支援事業について正しいものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・2・5
  1. 地域支援事業における包括的支援事業は介護保険法の被保険者を対象に、すべての市町村で行われる必須事業である。(法第115条の38の1)
  2. 市町村は、老人福祉法に規定された老人介護支援センターの設置者その他の厚生労働省令で定める者に対し、包括的支援事業の実施を委託出来るが、その場合には事業全体を一括して委託しなければならない。(法第115条の40の1)
  3. 家族介護支援事業は、任意事業として市町村が実施することができる。(法115条の38の2)
  4. 地域包括支援センター運営協議会は、原則として市町村単位で設置される。
  5. 介護給付等費用適正化事業には、介護支援専門員が作成したサービス計画の内容について、市町村職員等が点検し必要があれば指導を行うことが含まれる。

問13正解不正解

介護保険の財政について正しいものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・4・5
  1. 保険料負担の按分割合は、政令で3年ごとに定められる。(法第125条。)
  2. 調整交付金は市町村の財政力の強弱に応じて傾斜的に交付されるため、一律に交付されるわけではない。
  3. 介護給付費・地域支援事業支援納付金は、第2号被保険者の保険料で賄われる。(法第125・126・150~159条)
  4. 災害等の特別な理由により、市町村が条例により保険料や利用料の減免を行った場合に、特別調整交付金による財政格差の調整が行われる。
  5. 事務に要する費用は全額、市町村の一般財源で賄われる。

問14正解不正解

指定介護予防支援事業者について正しいものはどれか。2つ選べ。

解答と解説

正解は…1・2
  1. 地域密着型サービス事業者(介護予防を含む)および介護予防支援事業者の指定は、保険者である市町村の事務である。
  2. 指定の更新については、指定居宅サービス事業者等についてのものと同様であり、6年ごとの更新制である。(法第115条の28)
  3. 介護保険法におけるほかの事業と異なり、申請者が地域包括支援センターの設置者に限定されている。(法第115条の20)
  4. 指定介護予防支援の従事者は、介護支援専門員に限らず保健師や社会福祉士等の介護予防支援に関する知識を有するものとされている。
  5. 指定介護予防支援事業者の指導・監督は市町村長のみとされている。(法第115条の24・25)

問15正解不正解

要介護認定の認定調査について正しいものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…2・3・5
  1. 特定施設入居者生活介護を行う有料老人ホームは 新規・更新いずれも認定調査の受託はできない。
  2. 2005年の法改正により、新規認定に係る調査については市町村による実施を原則としたため、設問の通りの嘱託ができることとされた。(法第27条第2項後段)
  3. 地域包括支援センターは新規認定に係る調査は受託できないが、更新認定に係る調査については受託できる。
  4. 2005年改正により、指定居宅介護支援事業者は更新認定に係る調査のみ受託できることとなった。
  5. 住所移転前の市町村における認定を証明する書類の交付を受け、当該書面を添えて移転後の新しい市町村に申請を行えば、改めて審査・判定を行うことなく認定を受けることができる。(法第36条)

問16正解不正解

要介護認定について正しいものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…3・4・5
  1. 主治医意見書による主治医からの医学的な意見は、申請を受けた市町村が直接申請者の主治医に求める。(法第27条の3)
  2. 介護認定審査会の委員は要介護者等の保健・医療・福祉に関する学識経験者とされており、医師に限られてはいない。(法第14・15条)
  3. 介護認定審査会の委員の任期は2年であり、再任することもできるとしている。
  4. 申請手続きの代行は、地域包括支援センターや指定居宅介護支援事業者・地域密着型介護老人福祉施設・介護保険施設のうち厚生労働省令で定めるもののほか、被保険者の家族による代理申請、民生委員や社会保険労務士などが認められている。(法第27条の1後段)
  5. 市町村は、要介護認定を受けた被保険者の介護の必要の程度が低下したと認められるときには、有効期間満了前でも職権により要介護状態区分の変更認定ができる(法第30条)

問17正解不正解

高齢者を介護する家族への介護支援専門員による支援として、より適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・3・5
  1. 要介護者と家族には葛藤が生じていることも少なくないが、介護支援専門員は要介護者を擁護しつつも、家族が要介護者に対し情緒的な支援を行えるよう家族も支援する。
  2. 家族が介護に携わることによって就労機会を失うことは、国民経済的な問題となっている。
  3. 家族の介護負担軽減を目的とした「レスパイト・ケア」として、ショートステイ(短期入所生活介護・短期入所療養介護)が提供されている。
  4. 介護支援専門員の倫理として中立性を保持するとともに、利用者本位を徹底することが重要である。
  5. 重要なインフォーマルサポートとして家族の存在がある。

問18正解不正解

課題分析において、介護支援専門員が確認すべき事項について、より適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…2・4・5

利用者の生活課題を客観的に抽出するための目安として、課題分析標準項目が示されており、基本情報に関する項目として、「利用者の被保険者情報」、「障害高齢者の日常生活自立度」、「認定情報(介護認定審査会の意見)」が含まれる。基準第13条第6号。

問19正解不正解

ケアマネジメントにおけるストレングスについて、より適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・3・5
  1. 利用者の「強さ・力」に着目し、それを活用していくためにケアプランに反映することが重要となる。
  2. 利用者個人の属性や関心・願望などがストレングスに含まれる。
  3. 利用者の人間関係や近隣地域などの社会資源は、環境面でのストレングスである。
  4. ストレングスを引き出し活用していく上で、統制や介入を受けることもある。
  5. ケアマネジメントにおける利用者との対等な援助関係が、ストレングスを効果的に導き出す。

問20正解不正解

指定居宅介護支援事業所の管理者について正しいものはどれか。2つ選べ。

解答と解説

正解は…4・5
  1. 指定居宅介護支援事業所の管理者は、介護支援専門員であれば足りる。
  2. 管理者は専らその職務に従事するものでなければならないが、その管理する指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員の職務には従事することができる。
  3. 営業時間中、常に利用者からの利用申込等に対応できる体制を整えていれば、必ずしも常駐していなくてもよい。
  4. 指定居宅介護支援事業者は、事業所ごとに管理者を置かなければならない。
  5. 管理者は常勤でなければならないとされている。

問21正解不正解

介護予防サービス計画作成の視点として、より適切なものはどれか。2つ選べ。

解答と解説

正解は…3・5
  1. 利用者が欲するサービスが、必ずしも適切な援助になるとは限らない。
  2. 自らが自立的に生活を送るための意志や方法を持つことは、他者からの援助よりも効果的であることもあるためケアプランに盛り込んでいく。
  3. 国際生活機能分類(ICF)において、「できること」を探すことは生活機能の向上につながるとされている。
  4. 「できないこと」に重点を置くのは国際障害分類(ICIDH)である。
  5. 目標は自信を失わせたり、プライドを傷つけることのないよう達成可能なものとする。

問22正解不正解

施設における介護支援サービスについて、より適切なものはどれか。2つ選べ。

解答と解説

正解は…4・5
  1. 個々の入所者の希望や特性に応じてサービス提供し、漫然かつ画一的なサービスにならないよう配慮する。
  2. 地域の住民による入所者の話し相手、会食などの活動などを含めて施設サービス計画を作成するよう努めなければならない。
  3. 施設サービス利用者に対しても、自立した生活に向けた支援のためのサービス計画を作成する。
  4. 日常生活全般を支援する観点は、施設も居宅も大きな違いはない。
  5. 基本計画としての位置づけも同様である。

問23正解不正解

施設サービス計画について、より適切なものはどれか。2つ選べ。

解答と解説

正解は…4・5
  1. 施設サービス計画を作成した際は、遅滞なく入所者に交付しなければならないが、毎月とはされていない。
  2. モニタリングの頻度については、入所者の状況等により弾力的に考慮することとされており、月1回の義務付けはされていない。
  3. 効果的かつ実現可能な質の高い施設サービス計画とするため、施設サービス計画の原案を作成したときには位置づけた施設サービスの担当者からなるサービス担当者会議の開催等により、専門的な見地からの意見を求め調整を図ることが重要とされているが、サービス担当者会議開催の義務付けはされていない。
  4. 課題分析は、計画担当介護支援専門員の個人的な考え方や手法のみによってではなく、課題を客観的に抽出するための手法として合理的なものと認められる適切な方法であればよく、施設独自のものでも構わないとされている。
  5. 計画作成のためのアセスメントからケアの実施、実施状況の継続的管理、そして評価は利用者のみならず家族を含めた関係者との信頼に基づく共同作業で行われるため、計画担当介護支援専門員は相談・面接の技術を修得することが求められる。

問24正解不正解

自宅で暮らしている利用者Aさんは、最初の面接で「自分ができないことをやってもらえばいいし、サービスを使うのは権利だ。ケアプランはいらないから、何曜日にどんなサービスが使えるかを書いた紙だけをくれればいい」と言っている。介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。2つ選べ。

解答と解説

正解は…3・5
  1. 援助は利用者自身の自立を促進し、自己決定の力を強めていくという方向を持つものであり、介護支援専門員の価値観を押しつけるような管理をするものではないため、適切ではない。
  2. ケアマネジメントを展開する上でケアプランの作成は欠かせないが、作成拒否を理由に援助を止めてしまうことは介護支援専門員の基本倫理である主体性の尊重などの点から、適切ではない。
  3. 利用者Aさんが表出した感情に対し、相談技術である統制された情緒関与を示し、相談を通じた共同による援助を展開させようとしている点で、適切である。
  4. ケアプランはいらないとの意思表示を受け止めておらず、介護支援専門員の役割である利用者本位の徹底がされていないため、適切ではない。
  5. 高齢者ケアの原則である生活の継続性の支援や、利用者の想いを受容しているなどの点から、適切である。

問25正解不正解

Aさん(92歳)は重度の認知症である。女家族と同居しながら自宅で生活を続けていたが、肺炎を発症し緊急入院した。ある日、入院先の病院の医師より「嚥下の機能が低下しているため、今後経口摂取は難しい。胃ろうを造設して退院しますか?」と言われ、家族が悩んでいる。病院から介護支援専門員に、家族の相談にのってくれるよう依頼があった。介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・3・4
  1. 介護保険法第1条に明記されている尊厳の保持、介護支援専門員の基本姿勢である利用者の人権尊重などの点で、適切である。
  2. 胃ろう造設のリスクを説明することは良いが、医療行為を受けないことを断定的に示すことは 主体的に援助を受けるための選択を妨げるため、適切ではない。
  3. 医療との連携への十分な配慮は介護保険法における基本的理念であり、適切である。
  4. カンファレンスの開催等、保健・医療・福祉の関係者の協働を調整するのは介護支援専門員の役割・機能であり、適切である。
  5. 医師の判断に任せることを勧めるのは自己決定の尊重などの点で、適切ではない。

問26正解不正解

次の記述のうち適切なものはどれか。2つ選べ。

解答と解説

正解は…2・3
  1. がん性疼痛はがん患者にとって最も耐えがたい症状であり、最近では疼痛のコントロールに麻薬の座薬や経口剤を使用する場合もある。
  2. 人工呼吸器は生命維持装置であり、停電等で作動しなくなると命に関わることとなる。予備バッテリーを確保しておき、機器のトラブル時は医師等に速やかに連絡がとれるよう、その方法を確認しておく必要がある。
  3. 在宅酸素療法で使用する酸素供給器には酸素用高圧ガスボンベや酸素濃縮器などがあるが、引火・発火の危険性があるため、使用には火気厳禁である。
  4. 食道がんなどにより経口あるいは経腸摂取ができない者に電解質やビタミンなどを含む高カロリー液を輸液するが、ルート刺入部の感染の危険性などがあり清潔操作が重要となる。
  5. 経管栄養であっても排便がなくなるとは限らず、時に便秘や下痢に注意が必要である。

問27正解不正解

次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・3・5
  1. 肝硬変は高齢者に好発する肝疾患であり、末期では血小板数の減少などがみられる。
  2. 終末期においては嚥下機能の低下により口腔内は非常に汚れやすくなるため、誤嚥性肺炎を予防するためにも積極的な口腔ケアが必要となる。
  3. 高齢者の低血糖症状(特に自律神経症状)は非特異的であり、神経疾患と間違えられることがある。
  4. 尿酸排泄促進剤を内服していても過剰なアルコール摂取は慎む。
  5. パルスオキシメータは動脈血の脈動により酸素飽和度を測定するため、脈が検知される必要がある。

問28正解不正解

介護老人保健施設が提供するサービスについて適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・3・5
  1. 緊急時施設療養費は、入所者の病状が著しく変化した場合に、緊急その他やむを得ない事情により行われる緊急時治療管理・特定治療について算定できる。
  2. 介護老人保健施設・介護療養型医療施設等で提供される介護予防短期入所療養介護は、基準に適合する居宅要支援者が利用できる。
  3. 認知症介護に一定の経験があり、国・自治体が実施または指定する専門研修修了者を配置し、認知症ケアを行う場合に算定できる。
  4. 短期入所療養介護の目的は、入所中の看護、医学的管理だけではなく在宅復帰後を意識した日常生活上の世話を行うことである。
  5. 在宅で看取る方針で介護体制を整えていても、病状の変化や悪化により介護負担が急激に増えたときには、入院だけではなく短期入所療養介護の利用も検討する必要がある。

問29正解不正解

在宅のリハビリテーションについて正しいものはどれか。2つ選べ。

解答と解説

正解は…2・3
  1. 短期集中リハビリテーション実施加算は、認定日から起算して3ヵ月以内に行われた場合にも算定することができる。
  2. 介護予防訪問リハビリテーションは在宅の要支援者に対して、病院・診療所または介護老人保健施設の理学療法士・作業療法士または言語聴覚士が医学的管理下において提供する。
  3. 指定訪問リハビリテーション事業者は利用料以外の費用の額もあらかじめ定め、利用者に説明の上同意を得なければならない。
  4. 介護老人福祉施設は訪問リハビリテーションを提供することができない。
  5. 訪問リハビリテーションは医師の指示に基づいて作成された訪問リハビリテーション計画に沿って提供される。

問30正解不正解

皮膚疾患について正しいものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…2・3・5
  1. 免疫が低下している人が感染すると、ノルウェー疥癬(角化型疥癬)と呼ばれる重症型に移行することがある。通常の疥癬では、寄生数が多くても1000匹以下なのに対して、ノルウェー疥癬の場合1人の患者に100万~200万匹寄生する。寄生数の違いから、ノルウェー疥癬は感染力がきわめて強くなり、手や体の骨ばったところの皮膚に厚く増殖して灰色や黄白色の垢がカキの殻のようにつく特徴がみられる。また、かゆみを伴わない場合もあるので注意を要する。通常の疥癬とノルウェー疥癬とでは、感染力もその対策も全く異なるため、違いをはっきり認識することが重要である。
  2. 白癬は高齢者によく見られる皮膚疾患の一つであり、股や体幹に感染することもある。
  3. カンジダは通常皮膚や粘膜に常在しているが、おむつの中などの湿った環境・免疫不全などの要因が加わると増殖して症状を引き起こす。
  4. 薬疹は薬剤接種後1~2週間後に起こる全身性の発疹であることが通常である。
  5. 帯状疱疹は早期に治療を始めると一般的に後遺症が少なく治りがよいため、早期発見早期治療が肝心である。

問31正解不正解

口腔ケアについて適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・3・5
  1. 口腔のアセスメントは口腔の機能・口腔の状態・口腔清掃・症状等の項目を評価する。
  2. 口腔ケアにより咳嗽反射が改善され、睡眠中の口腔常在菌の誤嚥予防にもつながる。
  3. 義歯に付着した食べかすなどで誤嚥性肺炎を引き起こすことがある。
  4. 歯磨き剤には研磨剤が含まれていることが多いが、義歯床を傷つける恐れがあるので義歯専用のもの以外は使用しない方がよい。
  5. 経管栄養を行っている場合や歯がない場合は、口腔内が非常に汚れやすい。

問32正解不正解

次の記述のうち適切なものはどれか。2つ選べ。

解答と解説

正解は…3・5
  1. 認知症の原因は脳血管障害、脳変性疾患以外にも感染性疾患・内分泌代謝性疾患などさまざまなものがある。
  2. 3―3―9度方式(Japan Coma Scale)では、刺激しても覚醒しない状態は三桁の点数で示される。
  3. 高齢者では転倒時の頭部打撲による慢性硬膜下血腫が多い。
  4. 長谷川式認知症スケール(HDS-R)では20点以下を認知症の判定としている。
  5. L―ドパ製剤は数年間使用すると有効時間が短縮し、また不随意運動(ジスキネジア)や幻覚・妄想などの精神症状の副作用が生じやすくなる。

問33正解不正解

高齢者の精神障害について適切なものはどれか。2つ選べ。

解答と解説

正解は…3・4
  1. 人格が比較的よく保たれるのは血管性認知症の特徴である。
  2. せん妄は意識障害の一種で、軽度の意識混濁に加えて錯覚、幻覚それらに基づく妄想や興奮を伴う状態をいう。
  3. せん妄はほかに心疾患、感染症(肺炎・尿路感染症など)、脱水、薬物などが原因でも生じる。
  4. 老年期気分障害は気分の高揚した躁病とうつ気分のうつ病を示し、身体症状をしばしば伴う。
  5. せん妄の疑いがもたれた際には医療機関を受診し、せん妄の基礎の原因を探し、脳循環改善薬や少量の向精神薬を用いる薬物治療などを行うのが原則となる。

問34正解不正解

次の組み合わせのうち適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…2・4・5
  1. 小脳性運動失調はろれつ障害がみられるが、失語症とは異なる。
  2. 記述の症状がみられる。
  3. 帯状疱疹は水痘、帯状疱疹ウィルスの再活性化によっておこるウィルス性の疾患である。症状は通常は体の右側か左側の半分に痛みを伴う水ぶくれが帯をまいたようにできる。
  4. 記述の症状がみられる。
  5. 記述の症状がみられる。

問35正解不正解

高齢者の栄養管理について適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…2・4・5
  1. 1985年策定の「健康づくりのための食生活指針(対象特性別)」の趣旨を、健康寿命の延伸やQOLの向上を目指すためにさらに展開したものとして作成された。
  2. 糖尿病の場合は、糖質代謝異常を修正して合併症を予防するために低エネルギーでバランスの良い食事とする。食物繊維は血糖の上昇を緩慢にする、摂食時間を遅延することなどから多く摂取するとよい。
  3. 高齢者ではタンパク質・エネルギー低栄養状態が大きな問題となっており、protein energy malnutrition; PEMとも言われる。
  4. 経管栄養食の注入速度は実施時の観察事項である。
  5. 高齢者は消化吸収能力が低下し低栄養状態に容易に陥りやすいため、早い段階で低栄養に気づき対応することが必要である。

問36正解不正解

通所リハビリテーションについて正しいものはどれか。2つ選べ。

解答と解説

正解は…1・4
  1. 訪問リハビリテーション同様、病院・診療所、介護老人保健施設のみが事業者となる。
  2. 2009年4月の介護報酬改定により、認知症利用者に対する短期集中的なリハビリテーションについて報酬が設定されている。
  3. 口腔機能・栄養改善のサービスはリハビリテーション専門職等の他職種が共同して計画を作成し、その計画に基づいてサービスを実施する。
  4. 個別リハビリテーション実施加算は1時間以上2時間未満の短時間・個別のリハビリテーションを算定していないこと等を要件としている。
  5. 介護報酬に栄養改善加算が設定されている。

問37正解不正解

次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・2・3
  1. 特定疾病の一つでもある慢性閉塞性肺疾患(肺気腫と慢性気管支炎の総称)における治療として禁煙指導が行われる。
  2. 筋萎縮性側索硬化症は骨格筋を支配する脊髄や延髄の運動神経細胞が変性消失し、その支配する筋が委縮して収縮力を失うが眼球運動や肛門括約筋、知能や意識は末期までよく保たれる。
  3. 閉塞性動脈硬化症は動脈硬化を基礎に血管が狭窄、閉塞し十分な血液が末梢へ送れなくなる病態である。進行すると安静時の疼痛、壊死に至る。
  4. 関節リウマチは朝こわばって動きにくく、昼頃動きやすくなるが夕方には疲れも加わり動きが悪くなる。日内変動がある。
  5. 早老症では老化変性による身体所見が特徴である。

問38正解不正解

若年性認知症について適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…2・4・5
  1. 平成21年の厚生労働省「若年性認知症の実態調査」では若年性認知症の者の数は約3.78万人と推計される。
  2. 施設サービス・通所サービス等に平成21年4月より「若年性認知症利用者受入加算」が新設された。算定要件として利用者ごとに個別の担当者を定めること、利用者の特性やニーズに応じたサービス提供が定められている。
  3. 厚生省(現・厚生労働省)保健医療局長通知「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について」の「精神障害者保健福祉手帳障害等級判定基準の説明」によると、器質精神病の一つとしてアルツハイマー病が含まれるため精神障害者保健福祉手帳の取得等が可能である。
  4. 平成21年の厚生労働省「若年性認知症の実態調査」での介護家族に対する生活実態調査では①最初に気づかれた症状はもの忘れ(50.0%)、行動の変化(28.0%)、性格の変化(12.0%)、言語障害(10.0%)であった②家族介護者の約6割が抑うつ状態にあると判断された③若年性認知症発症後、7割が収入が減ったと回答した④多くの介護者が経済的困難、若年性認知症に特化した福祉サービスや専門職の充実の必要性を記載した――との指摘があった。
  5. 平成20年厚生労働省発表「認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」において示されている。

問39正解不正解

次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・3・5
  1. 訪問看護ステーションのリハビリ専門職により「30分未満」または「30分以上1時間未満」のサービス提供が介護報酬上認められている。
  2. 指定訪問看護事業者は所属する看護師等に、その同居家族である利用者に対してのサービス提供を禁止している。
  3. 「複数名訪問加算」は例えば体重が重い利用者を1名が支えて1名が処置をする場合等の理由がある場合算定することができる。ただし、いずれかの1名が看護補助職員(介護職員)の場合は対象外となる。
  4. 主治医から「特別訪問看護指示書」がある場合などでは、医療保険による訪問看護を利用することができる。
  5. 特別指示書による訪問看護は14日に限られる。

問40正解不正解

高齢者の薬剤管理について適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・3・4
  1. 薬剤師等が薬剤管理指導を行う際、医師の処方による薬剤や市販の医薬品、健康食品などが影響しあう可能性について薬剤管理票等を利用し確認する。
  2. 居宅療養管理指導は病院または診療所の薬剤師も行うことができる。
  3. 薬は腎臓から尿の中に排泄されるものがあるが、高齢者では腎機能が衰え、腎から排泄される薬の排泄が遅くなり、薬の作用増強が考えられる。
  4. 剤形の変更については専門的な判断が必要なため医師・薬剤師に確認を要する。
  5. 後発医薬品に切り替えることで医療費負担を抑えることができるが、すべてを切り替えることはできない。

問41正解不正解

次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…2・3・5
  1. 経管栄養剤には栄養バランスが非常に優れたものやバッグに栄養剤が入っておりカテーテルを繋ぐだけでイリゲーター等の洗浄は不要など手間が省けるものなど豊富にあるが、すべてが医療保険の対象となるわけではない。
  2. 麻薬の副作用として腸の蠕動運動が抑制されてしまうことがある。
  3. インフルエンザウィルスは呼吸困難などの全身症状を呈しやすいため、慢性閉塞性肺疾患の者にインフルエンザワクチンの接種が推奨される。
  4. 上部消化管出血では黒い便(タール便)になることが多い。
  5. 高齢になると夜は早く眠るが睡眠は浅く、また早朝に覚醒したり昼間は居眠りが多くなる。

問42正解不正解

感染症について適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・4・5
  1. 爪白癬では内服投与が治療の基本となるが、爪白癬以外のカビが原因となる皮膚感染症については通常塗り薬による治療が行われる。
  2. 高齢者の肺結核は若年時に罹患し初感染巣に残っていた結核菌が、免疫力の低下により勢いを盛り返し発症することがある。
  3. 下痢症状がなくなっても感染から1~3週間は便からのウィルスの排出は続く。
  4. 季節型インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンを両方接種することでより高い肺炎予防効果が得られる。同月に摂取することも可能である。
  5. 症状の安定している高齢者施設の入所者などがMRSAの感染症を引き起こす確率は極めて低く、MRSAを保菌しているからといって、隔離したり、入所制限をするなど特別な対応をとる必要はないとされている。

問43正解不正解

次の記述のうち正しいものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・2・5
  1. 指定介護療養型医療施設は居宅介護支援事業者等との密接な連携に努めなければならないとされている。
  2. 指定療養通所介護事業所の管理者は看護師(准看護師不可)とされている。
  3. 安全・サービス提供管理委員会を設置しなければならないのは指定療養通所介護事業者である。
  4. 薬局の薬剤師が居宅療養管理指導を行う上で医師または歯科医師の指示が必要とされる。
  5. サービス提供困難時には適切な措置を講じなければならないとされている。

問44正解不正解

認知症に関する記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・2・3
  1. BPSDにはほかに徘徊・不潔行為・暴力なども含まれる。
  2. レビー小体型認知症では、初期より幻覚、特に幻視が現れることがしばしばである。幻視とは、実際には存在していないものがあるものとして生々しく見える症状で、壁に虫が這っている、子供が枕元に座っているなどが比較的よくみられ、ふとんが人の姿にみえるといった錯視の症状もしばしばみられる。これらの視覚性の認知障害は暗くなると現れやすくなる。
  3. 老人性認知症疾患に対して、精神科医療を行うための専門病棟の中で介護保険の施設サービスを提供できるのが老人性認知症疾患療養病棟である。
  4. 認知症疾患医療センターは一般の医師では判断の難しい初期の認知症からBPSDのある認知症の精神科的治療も行っており「専ら高度な認知症治療」に限定されるわけではない。また専門医療機関への紹介やさまざまな情報提供も行っている。
  5. 精神科病院への措置入院は精神保健指定医である医師の診断を要する。

問45正解不正解

次の記述について、より適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・2・4
  1. 終末期介護における利用者家族のニーズは多岐にわたるため、さまざまな専門職種からなるチームで関わっていく必要がある。
  2. 「死の教育」を通して、心安らかに臨終のときまでを看取ることが可能になる。
  3. 終末期における急激な変化により介護の必要性が増した際の介護負担軽減として、後方支援の病院における看取りの可能性を説明することは重要である。
  4. 継続治療している患者で24時間以内に診察を行った場合に限って、死亡確認することなく死亡診断をすることができる。
  5. 死亡時刻は心臓死の時間、医師が往診して死亡を確認した時間、家族の同意により最後の呼吸をした時間等にする場合がある。

問46正解不正解

集団援助技術(ソーシャルグループワーク)について、より適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・4・5

対面的な関係を取り結ぶことのできる小集団(グループ)は、人間が社会的行動の学習を体験するきわめて重要な場である。ソーシャルグループワークには、いつでも離脱できる自由の保障などの工夫が必要である。また集団内での役割(リーダー・傍観者、教えてもらう立場)を交換することにより自分自身を見直し、自己像を変容させたり、新たな自信をもたせたりする機会になり、新しい対処行動を試してみる機会となる。さらにほかのメンバーの行動を観察することやメンバーの中に共通の問題を発見することにより生活全体を活性化する効果がある。

問47正解不正解

ソーシャルワークに関する次の記述のうち、より適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…3・4・5
  1. 高齢者本人と家族の意向の相違があった場合は、双方の意向の調整を行う必要がある。
  2. 外国人に対する支援団体にもサービスの情報を提供する。
  3. 家族的抑圧の中で最も困難で、発見についても専門的なアプローチが求められるのは虐待事例である。虐待は、身体的ケアを担当する立場からの注意深い観察と、家族の状況や家族関係についての鋭い専門的洞察を併せて初めて対処が可能となる。
  4.  一般に加齢による心身の障害は緩やかに現れるため、利用者本人や家族がニーズを自覚していない場合があり、地域単位で高齢者訪問活動や会食などを実施することにより、ニーズ発見の手がかりとなる。
  5. 病気と生活の関連を、具体的に把握しつつ援助計画を立て、それを進めていくことが、隠されている真のニーズを明らかにすることにつながる。

問48正解不正解

ソーシャルケースワークに関する次の記述のうち、より適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…2・4・5
  1. 福祉関連相談機関以外にも、医療機関での医療相談室、学校、障害者職業センター等のソーシャルワーカーの仕事も増えており、さまざまな分野で多岐にわたりケースワークが活用されている。
  2. 自己決定能力を最大限に発揮できるよう支援をするのは、ソーシャルケースワークの原則である。
  3. 面接を主な手段として展開していくが、生活支援を総合的・全体的に取り扱うため各種の援助の組織者として、多様な社会資源のコーディネーターとしての機能を果たす。
  4. 感情的に巻き込まれない態度を明確にしつつ、情緒的レベルで関与を続けるという役割が求められている。
  5. 面接を通して、ソーシャルワーカー側がクライエントの側の主訴とその背景、現状についての情報を得ることだけでなく、クライエントもまた、自分の問題(ニーズ)を改めて理解できるよう双方向的なものでなければならない。

問49正解不正解

ソーシャルワークの視点から、援助困難な事例への対応について、より適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…2・3・5
  1. 援助困難な人は、当事者に接触し、必要に応じて周囲の人に働きかけ、保健・医療・福祉サービスを含む様々な社会資源を活用・開発して問題解決ができるよう可能な限りチームアプローチをしていく。
  2. 援助者の知識・技術不足により、介護者が不安になったり、状況を悪化させてしまうことがあり、正しい知識・技術をもてるよう援助者の教育的機能が必要である。
  3. 拒否的態度を示された場合でも根気よく訪問し、機会をとらえて問題解決の糸口を見つけることが大切である。
  4. 心理的な問題を抱えているクライエントでも専門職の助言を受けたり、チームを組んで、適切にサービスを利用できるように支援する必要がある。
  5. 専門職は、具体的サービスの提供とともに、家族関係の調整的援助が重要である。

問50正解不正解

介護保険における訪問介護について適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…2・3・5
  1. 軽微なやけどの処置は、厚労省より示された医療行為に該当しないものとして、訪問介護員など介護職が身体介護として行うことができる。
  2. 生活援助の観点から、利用者の置かれている状況について多くの情報をもっているので、それらの情報をサービス担当者会議などを通じて居宅介護支援事業者や他職種へ伝えて介護支援サービスに活用できる役割が期待される。
  3. 生活援助としてほかに、掃除、洗濯、ベッドメイク、一般的な調理・配下膳、買い物、薬の受け取り等がある。
  4. 正月のために特別な手間をかけて行う調理は、日常的に行われる家事の範囲を超える行為として、生活援助には不適切であり、一人暮らしとは関係なく、介護保険給付対象外である。
  5. 指定訪問介護事業者は、居宅サービス計画が作成されている場合は、当該計画に沿った指定訪問介護を提供しなければならないとされ、また利用者が居宅サービス計画の変更を希望する場合は、当該利用者に係る居宅介護支援事業者への連絡その他の必要な援助を行わなければならないとされる。(法第16・17条)

問51正解不正解

療養通所介護について正しいものはどれか。2つ選べ。

解答と解説

正解は…1・5
  1. サービス提供の適否について、主治の医師を含めたサービス担当者会議において検討する。(法第105条の9)
  2. 指定療養通所介護事業所は、その利用定員を8人以下とする。(法105条の6)
  3. 療養通所介護計画は、既に居宅サービス計画が作成されている場合は、当該居宅サービス計画の内容に沿って作成しなければならないとされている。(法第105の12-2)
  4. 利用者の病状の急変等に備えるため、あらかじめ、緊急時対応医療機関を定めておかなければならない。(法第105条16-1)
  5. 地域の医療関係団体に属する者、地域の保健、医療または福祉の分野を専門とする者その他指定療養介護の安全かつ適切なサービスの提供を確保するために必要と認められる者から構成される安全・サービス提供管理委員会を設置し、概ね6ヵ月に1回以上開催し結果、記録を作成する。(法第105条17)

問52正解不正解

介護保険における福祉用具について正しいものはどれか。2つ選べ。

解答と解説

正解は…1・4
  1. 福祉用具は自立支援、介護者の負担軽減という表面に現れる目的だけでなく、ケアプランを実現するために用いる手段であるという視点をもつことが重要である。
  2. 腰掛便座・特殊尿器等の排泄用具は、特定福祉用具の購入種目である。
  3. 工事を伴うスロープは住宅改修の段差の解消に該当し、工事を伴わないスロープは福祉用具貸与の種目の対象である。
  4. 床ずれ防止用具は、福祉用具貸与の対象である。
  5. 特定施設入居者生活介護を受けている間に、利用できるサービスは居宅療養管理指導のみである。

問53正解不正解

夜間対応型訪問介護について正しいものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・2・5
  1. 指定夜間対応型訪問介護は、「定期巡回サービス」「オペレーションセンターサービス」および「随時訪問サービス」を一括して提供する。
  2. 利用者に対しては、当該利用者が援助を必要とする状態となったときに適切にオペレーションセンターに通報できる端末機器を配布しなければならない。(法第8条3)
  3. オペレーションセンター従業者は、利用者の日常生活全般の状況および希望を踏まえて、定期巡回サービスの目標、当該目標を達成するための具体的な定期巡回サービスおよび随時訪問サービスの内容等を記載した夜間対応型訪問介護計画を作成しなければならない。また既に居宅介護サービス計画が作成されている場合は、その内容に沿って作成されなければならない。(法第25条)
  4. 通常の事業の実施地域内におおむね利用者300人につき一カ所以上設置しなければならない。ただし、定期巡回サービスを行う訪問介護員等が利用者から通報を受けることにより適切にサービスを実施することが可能であると認められる場合は、オペレーションセンターを設置しないことができる。(法第5条2)
  5. 指定夜間対応型訪問介護の具体的取扱方針に規定されている。(法第24条7)

問54正解不正解

小規模多機能型居宅介護について適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・2・3
  1. 指定小規模多機能型居宅介護事業所の管理者は、介護支援専門員に、登録者の居宅サービス計画の作成に関する業務を担当させるものとする。(法第74条)
  2. その登録定員を25人以下とする。また通いサービスを登録定員の2分の1から15人まで、宿泊サービスを通いサービスの利用定員の3分の1から9人までの利用定員とする。(法第66条)
  3. これにより登録者の居宅における生活を支えるために適切なサービスを提供しなければならないとされている。(法第73条8)
  4. 宿泊サービスの利用者がいない場合であって、夜間および深夜の時間帯を通じて利用者に対して訪問サービスを提供するために必要な連絡体制を整備しているときは、宿直や夜勤を行う従業者を置かないことができる。(法第63条5)
  5. 特定地域の中で、利用者と事業者がなじみの関係を築きながら、介護サービスを提供するという観点から、利用の登録先は1事業所に限られている。

問55正解不正解

介護保険における介護予防訪問介護について適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…2・4・5
  1. 自立支援の観点から、利用者が可能な限り、自ら家事等を行うことができるよう配慮するとともに、利用者の家族や地域の支え合いの活用を積極的に検討する。
  2. 利用者が自立した日常生活を営むことができるよう支援することを目的とするものであることを常に意識してサービスの提供に当たらなければならない。(法第38条3)
  3. 一人暮らしや高齢者だけの2人暮らしの場合が多いが、同居家族がいても、日中、その家族が働きに出ている場合や、家事能力がない場合などでは、状況に応じ判断することになる。
  4. これを「モニタリング」といい、結果を記録し、介護予防サービスを計画した指定介護予防支援事業者に報告し、この結果を踏まえて、必要に応じて変更を行う。(法第38条)
  5. 介護予防訪問介護は、利用者ができる生活行為を増やしていき、日常生活の自立支援を目的としているため、それに向けて効率的にサービスが提供されるように考えていく必要がある。

問56正解不正解

介護保険における訪問入浴介護について正しいものはどれか。2つ選べ。

解答と解説

正解は…2・4
  1. 膀胱留置カテーテルはカテーテル末端を封鎖して覆うか、カテーテルを抜去等してその部分を覆う等により、入浴が可能となり、訪問入浴介護で対応できる。
  2. サービスの提供に用いる設備、器具その他の用品の使用に際して安全および清潔の保持に留意し、特に利用者の身体に接触する設備、器具その他の用品については、サービスの提供ごとに消毒したものを使用する。(法第50条5)
  3. 感染の状況によって、入浴順序を変更してその日の最後の入浴とし、入浴後は浴槽等を所定の方法で消毒することにより入浴が可能である。
  4. 一回の訪問につき、看護職員1人および介護職員2人をもって行うものとするが、利用者の身体の状況が安定していること等から、入浴により利用者の身体の状況等に支障を生ずるおそれがないと認められる場合においては、主治の医師の意見を確認した上で、看護職員に代えて介護職員を充てることができる。(法第50条4)
  5. 介護者の有無にかかわらず、居宅にある浴場での入浴や地域にある入浴施設の利用が困難な場合には、訪問入浴介護を利用することができる。

問57正解不正解

介護老人福祉施設について適切なものはどれか。2つ選べ。

解答と解説

正解は…4・5
  1. 指定老人介護老人福祉施設は都道府県知事、指定地域密着型介護老人福祉施設は市町村長が指定する。
  2. 指定介護老人福祉施設の場合には、当該施設職員が直接介護をしなければならないため、居宅サービスの利用はできない。
  3. 計画担当介護支援専門員は、「サービス担当者会議」の開催、担当者に対する照会等により、当該施設サービス計画の原案の内容について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする。(法第12条6)
  4. 入所者の心身の状況、その置かれている環境等に照らし、検討する。(法第7条4)
  5. その結果について、介護職員その他の従業者に周知徹底を図ることとされている。(法第27条2-1)

問58正解不正解

生活保護における介護扶助について正しいものはどれか。2つ選べ。

解答と解説

正解は…1・2
  1. 生活保護法第34条医療扶助の方法にて規定されている。
  2. 被保険者以外の者は、その要介護認定を介護扶助の要否判定一環として生活保護制度で独自に行うこととしている。
  3. 施設での日常生活費は、介護施設入所者基本生活費として生活扶助から支給される。
  4. 介護サービス提供の適正な実施を確保するため、介護保険法の指定を受け、かつ生活保護法による指定を受けた事業者等(指定介護機関)に委託して行われる。(生活保護法第54条2)
  5. 介護予防住宅改修においても介護扶助の対象である。

問59正解不正解

「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」(以下、「高齢者虐待防止法」という。)について適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・3・5
  1. 法律上の高齢者虐待とは、家庭内における養護者と施設等の従業者によるこの5種類の虐待をいう。
  2. 速やかに市町村に通報しなければならないとされている。(法第7条2)
  3. 市町村長は、高齢者の生命または身体の安全の確保に万全を期する観点から、必要に応じ適切に、警察署長に対し援助を求めなければならないとされている。(法第12条2)
  4. 市町村がこれを行う。(法第10条)
  5. 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律の中で事務の受託において規定されている。

問60正解不正解

成年後見制度について正しいものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・4・5
  1. この制度は2000(平成12)年4月1日に開始された。
  2. 本人の居住用の不動産を処分する場合は、家庭裁判所の許可が必要である。
  3. 任意後見人に不正等がある場合には、家庭裁判所が任意後見監督人の報告を受けて、任意後見人を解任することができる。
  4. 法定後見制度はさらに、判断能力の程度に応じて、後見・保佐・補助の三類型に分かれる。
  5. 補助人には、本人の同意のもと、四親等内の親族等の請求により、家庭裁判所の審判により、同意権や代理権を与えることができるが、同意権の範囲は保佐人よりも限定されたものになる。
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