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リフトで解決! 「抱え上げると叫ぶ」 【介護の困りごと 1】

 

 松本 多正 さん

松本 多正 さん

 楽々サービス 作業療法士
 急性期~在宅の医療現場を経験後、老健にて福祉用具を当たり前に用いた介助技術と環境作りを実践。現在は大学院生と訪問リハの2 足の草鞋を履く傍ら、福祉用具に関する講演や執筆、コンサルティング等を行っている。

まず家族がリフト体験

 初めてリフトを目にした方が、「これで移すんですか?」と反応されることがあります。「支持面の拡大」 と 「免荷」 歩行支援用具の役割は2つに大別されます。一つは、なるべく体重を支える面積を広くとることで姿勢の安定性を得る「支持面の拡大」です。
 歩くときは両足で囲まれる面そのような場合、私はまず、ご本人よりも先にご家族の方などに試しに乗っていただくようにしています。リフトを使うイメージや乗り心地を知ってもらうためです。
 大抵の場合、「ハンモックみたいで気持ちがいい」という感想です。ご家族が良い印象を持つと、ご本人にも安心してもらえます。
 続いて、家族の方に使い方を教えながらご本人をリフトで移乗してもらいます。
 するとほとんどの方が怖がることはありません。
 もし揺れに不安を感じても、介助者が軽く支えることで揺れなくなることや、介助者が見える位置に立ったり話しかけたりすることで精神的にも安心できることを伝えています。

抱え上げると大声で叫ぶBさん

 実際に移乗の恐怖心を取り除いたBさんのケースです。Bさんは軽い認知症と右の大腿骨の骨折で入院されていた方です。病状が落ちついたので当時、私が勤めていた施設に来られることになりました。入院先の病院からの情報では、Bさんがベッドから移乗する機会は週に2回のお風呂の時だけで、3人で抱え上げて行っていました。移乗する時には病棟中に響くような声で叫ぶそうで、きっとどこか痛いのだろうということでストレッチャーにしか移乗できていないというのです。
 そんなBさんがやってくる日が来ました。やはりストレッチャーからベッドに移るときは叫んでおられました。すぐに身体の状態を調べましたが痛みは訴えられません。そこでご本人とご家族に話をして、先の手順でリフトを試してみました。すると全く叫ぶことはなく、ニコニコしたまま車いすに移乗出来たのです!その姿に一番驚いたのはご家族でした。多分、過去の移乗の際によほど怖い体験か痛い体験をしたのでしょう。その日から移乗はリフトを使用しましたが全く叫ぶことはありませんでした。
 「リフトが怖い」は多くの場合、漠然とした先入観であることが多いと思います。皆さんも是非とも一度、リフトを体験してみませんか?
本人も介護者も快適なリフト

本人も介護者も快適なリフト


福祉用具の日しんぶん 2019年10月1日

 

 

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