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【福祉用具で解決! 介護の困りごと】 床ずれに気をつけよう 床ずれ防止用具 (2018年)

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床ずれは見た目も、できやすい場所もさまざま

 麻痺、意識障害、寝たきり状態などでからだの動きが減ると、圧迫・摩擦・ずれにより骨の突起部の皮膚の血流が滞って「床ずれ」と呼ばれるキズができます。床ずれは、▽皮膚が赤くなった▽浅くめくれた▽水疱▽組織が死んで硬く黒くなった▽柔らかく黄色い▽深くえぐれた▽感染して傷の周囲に発赤・膿・悪臭・ブヨブヨがある――など、見た目はさまざまです。キズから滲出液(しんしゅつえき)という液体が出てきます。皮膚表面ではなく、骨に近い体の内部の組織が傷ついている場合もあります。

 仰向けに寝ているときには腰の真ん中(仙骨部)、かかと、横向きの時は足の付け根の側面(大転子部)、腰骨の側面(腸骨部)、くるぶしに、電動介護ベッドの背を長時間起こしたままにしているとお尻の割れ目の一番上(尾骨部)に床ずれができやすくなります。長時間座っていると、お尻の割れ目の上やお尻の左右の下の方(尾骨部や坐骨結節部)にできやすくなります。

 電動介護ベッドの背上げや体位変換で皮膚が擦れたり、皮膚とその下の組織の間でずれたり、汗・尿・便で皮膚が湿ったり、むくみ、栄養不良などで皮膚が弱くなると床ずれができやすくなります。

それぞれにあった床ずれ防止用具を使おう

 床ずれ対策には、さまざまな福祉用具があります。床ずれ防止マットレスは、▽ウレタンフォームでできたもの▽ジェルの入ったもの▽エアマット――などがあります。電源を入れるだけで体重設定や圧力設定を自動でしてくれるエアマットもあります。車いすを用いている人には車いす用の床ずれ防止クッションを用います。

 座布団とは異なり、骨の突起部に大きな力が加わらないようにつくられたものです。ベッドを背上げした時に、背中や腰、下肢に働くずれの力を取り除く介助用手袋も各種発売されています。

 Aさんはベッドの背を1日に何回も上げたり水平にしたりします。背を上下するたびに設定を変更するのが難しいので、ベッドにコードを繋ぐと、ベッドと連動して自動的に圧力調整をしてくれるエアマットを使うことにしました。

 寝たきりのBさんは、奥様と二人暮らしです。奥様が夜中に2時間ごとに体位変換を行うのは困難なので、体位変換機能付きのエアマットを用いることにしました。

 Cさんは、腰の皮膚がえぐれた床ずれができて自宅で治療しています。ケアマネジャー、医師、訪問看護師が互いに相談して、体圧分散効果の大きな高機能エアマットを選び、介護保険を使って少ない負担金でレンタルしています。

 Dさんは、折りたたみ式の車いすを使っています。床ずれができないように理学療法士の先生に相談して、スリングシートの車いす専用の床ずれ防止クッションを選んでもらいました。

 Eさんは、夜眠るとき以外は車いすで生活しています。お尻の左右の下部に床ずれができたり治ったりを繰り返しています。車いすとクッションの講習があることを知り、受講して自分に合った車いすとクッションを選んでもらいました。それからは以前のような床ずれはできなくなりました。

 このように福祉用具を上手に利用すれば、床ずれを予防したり、早く治すことができます。

 

阪和住吉総合病院 副院長 美濃良夫さん

 大阪医科大学卒業後、大阪大学在籍。1993年以降、老健錦秀苑施設長などを経て現職。日本褥瘡学会前理事・前会長。97年厚生省褥瘡指針策定研究班。医学博士

 

福祉用具の日しんぶん2018

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