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【福祉用具のすすめ】 心強い福祉用具のエキスパート「福祉用具専門相談員」をご存知ですか? (2018年)

物を提供するだけではありません。福祉用具サービス

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 介護保険の福祉用具サービスは単に物を借りたり、購入できたりするだけのサービスではありません。多くの方にとって介護が必要になるまで、福祉用具はそれほど馴染み深いものではないはずです。そうした馴染みのない道具を、いざ介護が必要になった時に、自分だけで適切な製品を選びとるのはとても難しいことといえるでしょう。身体状況や環境にあっていない福祉用具を使うと、便利などころか、状態が悪化したり、場合によっては怪我などのリスクを高めたりする原因にもなりかねません。

 そこで、本人や家族の心強いパートナーになってくれるのが、「福祉用具専門相談員」です。介護保険制度の福祉用具サービスを受ける場合、必ずこの福祉用具専門相談員が関わる仕組みになっています。福祉用具事業者は福祉用具専門相談員を配置し、都道府県の指定を受けなければ、介護保険でのサービスを提供できない決まりがあります。

 福祉用具専門相談員はまずケアマネジャーなどを通じて依頼を受け、利用者の自宅を訪問します。本人・家族の身体状況、自宅の環境などを観察し、「一人でトイレに行きたい」「抱きかかえるのが大変」など、さまざまな声に耳を傾け、専門職の視点から、より適した福祉用具を提案してくれます。提供した福祉用具が適切に使われているかを点検する「モニタリング」も重要な業務です。ケアマネジャー、リハビリ専門職、ヘルパーなどの多職種と連携し、「その人が望む生活」を福祉用具の力で支えます。

利用者・家族に寄り添い、日々奮闘

 全国で福祉用具事業を展開するヤマシタコーポレーション。同社・港営業所の横田和也さんは、入社10年目を迎える福祉用具専門相談員です。大学ではソーシャルワークを学んでいましたが、実習先の障がい者施設でオーダーメイドの車いすを目にしたそうです。その頃からすでに介護人材不足が叫ばれている中、本人ができることを広げる福祉用具に無限の可能性を感じ、この道を志しました。

 同社は社員を「人財」と位置づけ、社員育成に力を注ぎます。例えば、新入社員は2カ月間の合宿研修を行い、ロールプレイングなどを通じて実践力を身につけます。2年目以降も、段階別の自社研修を実施し、常に研鑽を深めています。こうした研修が、「福祉用具専門相談員の自信に繋がっている」と横田さん。50代でALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症した方を担当した際、「家族と一緒に食事したい」という声に、外出を支援する車いすやスロープなど、住環境のトータルコーディネートで応えました。担当看護師から、この身体状況で外出は難しいのではと懸念の声もあがっていましたが、実習や現場で得た経験で、見事にその方の希望を叶えることができました。

 担当のケアマネジャーの石間真二さんも、「介護はまったなしで、場合によっては緊急に福祉用具が必要となることも多々あります。365日、スピード感と専門性をもって対応してもらえるのでとても助かります」と信頼を寄せています。

 同じく全国で福祉用具事業を展開するトーカイの福祉用具専門相談員、酒井宏招さん、杉村和彦さんも専門職の立場から、その人にあった福祉用具を提供しています。二人によると、同じように見える特殊寝台(電動介護ベッド)も、「本人が自分でリモコンを操作できるかどうか」などによって提案する種類や操作説明の仕方も変わってくるといいます。そのほか、身体状況のため、車いすに勢いよくドカッと座ってしまう人の車いすは消耗が激しいので、モニタリングをこまめに行うなど、さまざまなことに目を配らせます。このように状況に応じて、常に提案内容や説明を工夫するのが福祉用具専門相談員の専門性の一つです。

 杉村さんは、マンションの地下に自宅があるため、階段の上り下りなどは難しいと外出を諦めかけていた方を担当したことがあります。階段を安全に上り下りする機器「階段昇降機」を提案しましたが、この機器は特に操作に慣れが必要でした。杉村さんは3カ月もの間、介護する娘さんの練習に付き添い、利用者の方は毎日安全にデイサービスに通えるようになったといいます。利用者・家族からの「ありがとう」の声がやりがいと口をそろえる酒井さんと杉村さん。ただ「感謝されて終わりでなく、次に生かすことを常に考えています」と話します。

 介護保険の福祉用具貸与の利用者数は全国で215万人(18年3月時点)です。現場の福祉用具専門相談員の頑張りで、適切に福祉用具を利用できるサービスが受けられることがわかります。

 

福祉用具の日しんぶん2018

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