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【福祉用具で解決! 介護の困りごと】 トイレを安全に、楽にする手すりの取り付け 住宅改修 (2018年)

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 トイレは一日に何度か繰り返す、生活に欠かすことのできない動作です。そして、トイレまでの移動を含めて、いろいろな動作が必要になります。洋式トイレを使う場合をイメージすると、杖などを使ってトイレまで歩いて、便器の前で方向転換し、ズボンなどをおろして、安全に着座します。用を済ませたら、後始末をして立ち上がり、ズボンなどをあげて廊下に出るなどの動作が最低限必要です。そして、これら「いろいろな動作」の中に、転倒するかも知れない危険が多く潜んでいることから、危険なところを察知し、住宅改修のプランを考える必要があります。

 疾病による障がいにより、それらの危険はそれぞれ異なります。例えば、脳卒中のように脳に損傷を受けるような疾病では、多かれ少なかれバランスが悪くなります。このバランスが悪い状態で、方向転換や立ち座りを行うことで、転倒事故が発生しやすくなります。ただトイレの状況や障がいの程度などによって、手すりの設置の仕方は変わります。例えば、便器の正面から入るトイレで、左半身マヒの人を想定すると、トイレに向かって右側の壁には、水平手すりを杖と同じ高さに取り付け、その反対側の壁にはL字型手すりを取り付けるのが有効です。その水平部分を便座に座った時の「肘の高さ」に取り付けます。

 また便座への立ち座りでは、人は真上に立ったり座ったりするのではなく、前に体を倒して立ち座りをします。つまり、より安全に安定して立ち座りをするためには、「前方の空間」が重要だということです。

 しかし、トイレによっては、この前方の空間が十分にとられないこともあり、バランスの悪さから、尻もちをつくように座ってしまい、骨粗しょう症のある人では、腰椎の圧迫骨折をすることさえあります。前上方へ手すりを工夫して取り付けたり、便器の位置変更をするなどの改修が必要となります。

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 さらに、水平手すりの取り付けと同じく重要になるのが、L字型手すりの「垂直部分」の位置です。立ち座りのための手すりの取り付け位置は、当然、前に向かって立ち上がる訳ですから、縦手すり部分はある程度「前方」に取り付けなければなりません。写真は、あまりに手前に取り付けたために、役に立たないどころか、尻もちの原因を作ってしまった手すりです。点線の部分がL字型手すりの垂直部分となるように取り付けましょう。

 

介護環境研究所 代表 金沢善智さん

 訪問リハを行う中で、過酷な住環境で暮らす多くの人に出会い、住環境整備を志す。弘前大学などで教鞭をとり、その後、住宅改修・福祉用具の普及のために教員を辞し、全国で啓発活動をしている。医学博士、工学修士(建築学)、理学療法士

 

 

福祉用具の日しんぶん2018

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