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【福祉用具で解決! 介護の困りごと】 「ベッドと車いすの乗り移りが大変」 移乗 (2018年)

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 私は、福祉用具は「できなくなったから使うもの」ではなく「できる能力を活かすために使うもの」だと考えています。それを分かりやすく説明するために「ベッドから車いすへの乗り移り」を例に説明してみます。

 まず立てる方の場合です。立って車いすに移るには、「立ち上がる」「向きを変える」「車いすに座る」という3つの工程に分けて考えてみましょう。「立ち上がり」がしにくい場合は、手すりを設置したり、立ち上がる際にベッドを少し高くすると立ち上がりやすくなります。手すりは設置する位置や形状などで立ち上がりやすさが変わりますので、実際に色々なものを試しながら選んでいただければと思います。

 また足元に滑り止めなどを置くと立ち上がる際に足が踏ん張りやすいでしょう。「向きを変えること」が難しい場合にはターンテーブルという福祉用具を用いると回転を手助けしてくれます。座る際には手すりや足元の滑り止めがあると動作が安定するでしょう。

 次に、立てなくなってきたらどのような方法があるのかを考えます。立てないけれど、座ることが自分でできる場合は、車いすのアームサポート(肘置き)やフットサポート(足置き)が外せるものを準備しましょう。こうしたものが外せると、立たなくてもベッドから車いすの間を、お尻をずらしながら横移動できる場合があります。

乗り移りを助けてくれるボードやリフト

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 この横移動が難しくなると、横方向の移動を手伝うためにトランスファーボードやスライディングシートといった「滑る素材」を移動面に置くことで、横方向の移動が自分で楽にできるようになりますし、自分で動けない場合も楽に介助が行えます。ただし、こうした用具は体を前方に倒せない方は不向きです。移動する際に体が後ろに反っていると前に滑り落ちてしまう可能性が高くなるからです。

 それでは、立つことも難しく、座ることも難しい場合はどうしたら良いのでしょうか。こうした場合は「介護する人・される人」の双方が安全で快適な方法として介護リフトを考えてみましょう。介護リフトは一度ご自身が乗ってみると「ハンモック」のような感覚でかなり快適であることに気づくと思います。注意したい点はスリング(リフトのつり具)です。スリングは色々な形や種類があり、サイズもさまざまです。このスリングが使用者にしっかりと合っていないと、本当に快適な状態で乗り移ることができません。使いたい場面や使う上での条件を挙げながら、福祉用具専門相談員などの福祉用具の専門家の方と一緒に選定してみてください。

 

楽々サービス 作業療法士 松本多正さん

 急性期~在宅の医療現場を経験後、老健にて福祉用具を用いた介助技術と環境作りを実践。現在は北九州市で訪問リハを行う傍ら、福祉用具に関する講演や執筆、コンサルティング等を行う。

 

福祉用具の日しんぶん2018

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