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【福祉用具で解決! 介護の困りごと】 「自分らしく、食事を楽しみたい」 自助具 (2017年)

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 自助具は、思わぬ病気や事故、加齢などにより、生活の中で不便なことやできないこと、人に頼みたいと思うことが出てきた時に、その日常生活動作を少しでも自分でできるように工夫した、一番身近な福祉用具です。

 自助具の製作依頼の中で一番多いのが食事に関する自助具です。使う人の目的と身体的な機能を理解して製作しますが、食事は日常生活動作の中でも特に楽しみの要素が多い行為なので、単に使えるようにすることだけではなく、使う人の気持ちや使う場の雰囲気などにも配慮することが求められます。

自分のペースで食べたい!

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 筋ジストロフィーのAさんは病気の進行で箸がうまく使えなくなり、一本箸で食べ物を刺して食事していました。それには時間がかかるため、予定がある時は仕方なしにヘルパーさんに食べさせてもらわなければなりません。

 『自分の力で、自分のペースで食べたい』という依頼を受けて提案したのが、刺して食べることに特化した「スティックフォーク」です。

 このフォークは軽量で、指先だけでも軽く操作できるものです。湾曲した長い柄が皿の縁を乗り越え、突出した内側2本の歯先で食べ物を捉えてグリップを回転するだけで口元に運ぶことができます。

 Aさんはヘルパーさんに頼ることなく以前のようなペースで食べられるようになり、『食事が楽しくなった』と喜んでいただきました。

外出先でも自然に食事を楽しみたい!

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 四肢麻痺のあるBさんから、外出先で使える食事用自助具の製作依頼がありました。普段使用している大きなグリップ付き自助具は特別な道具と映り、外出先での使用には違和感があるとのことでした。

 そこで、レストランではその店のスプーンやフォークがそのまま使える「指サック式ホルダー」を製作しました。外出先でもさりげなく使えるように、透明の素材を用いてコンパクトに仕上げたものです。

 Bさんからは、『コンパクトで持ち運びに便利。外での食事も楽しめるようになった』と言っていただき、友達にも紹介したそうです。

みんなと一緒に給食が食べたい!

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 筋ジストロフィーのCさんは、家ではいつも母親の介護を受けながら食事していました。中学生になると給食が始まるのですが、一人での食事には不安があります。

 それでも『みんなと一緒に教室で給食を食べたい』との思いから、一人でもうまく食べられるような、長柄の食事用自助具が欲しいとの要望でした。

 製作したのは重さ26g、長さ27cmのスプーンとフォークです。使い慣れるのに少し時間がかかりましたが、今では『こちらの方がいい』と、率先して使っています。

 

ヒューマン 代表 岡田英志さん

 電機メーカーで製品デザインに携わり、福祉のモノ作りを志して独立。1993年より現在の「大肢協·自助具の部屋」に参加。現在日本リハビリテーション工学協会「自助具SIG」代表、日本インダストリアルデザイナー協会前理事、神戸芸術工科大学非常勤講師。

 

福祉用具の日しんぶん2017

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