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シルバー産業新聞

その人らしい生活を実現するセラピスト

長崎大学 産学官連携戦略本部 准教授

北島栄二氏

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 セラピストは、その人らしい生活の実現を支援します。セラピストが行う支援の方法はいくつかありますが、福祉用具の活用にも関わります。セラピストと福祉用具について、よくある質問を例に解説します。

Q 作業療法士と理学療法士ってリハビリテーションの専門職ですよね?

A はい。作業療法士と理学療法士は、病気、けが、高齢、障害などによって心や身体の機能が低下した状態にある人々に対し、「その人らしい生活の実現を支援する」専門職です。作業療法士はOT、理学療法士はPT、あるいはリハビリ専門職をまとめてセラピストと呼ぶこともあります。

 機能の回復や維持などを促すために、作業療法士は、主に作業活動(家事や身の回り動作、手工芸など)を用いて支援します。理学療法士は運動、温熱、電気、水、光線などの物理的手段を用いて支援します。

Q 同じリハビリ専門職でも支援の方法が違うのですね。セラピストは福祉用具に関わりはあるのですか?

A 大いにあります。福祉用具の導入・活用にはケアマネジャーや福祉用具専門相談員など、複数の職種が関わりますがセラピストもその一員です。セラピストと福祉用具との関わりを、歩く機能が低下した方に対して歩行器を導入する場合で説明してみます。

 まず、「多くの機種の中からその方の歩行機能に合った性能の機種を選ぶこと」ができます。そのために歩行のバランスや耐久性など、その方の歩行機能を専門的に評価します。

 つぎに、「実際の場面で使用する訓練(日常生活関連動作訓練)」を行います。「歩行器を使ってトイレに行く、散歩する、買い物に行く」などの実現のために、「立つ、歩く」などの基本動作訓練で機能の回復を促します。

 また、その方の現在の歩行機能の把握に加え、将来的な機能の変化にも対応します。例えば「今は歩行器を使わないと歩行のバランスが安定しないけど、今後は今以上に安定しそうだから杖での対応が可能だ」と判断したら、歩行車から杖へ移行するタイミングを見極めて提案することもセラピストの果たす役割なのです。

Q セラピストの支援は病院でしか受けられないのですか?

A いいえ。介護保険のサービスでもセラピストは活躍しています。代表的な在宅サービスに、セラピストが利用者宅に訪問する「訪問リハビリテーション」と、利用者が事業所、施設・病院に通う「通所リハビリテーション」があります。利用を希望する場合は担当のケアマネジャーなどへ相談してみてください。

プロフィール

作業療法士。臨床、教育、介護実習普及センター専門相談員を経て、厚生労働省福祉用具・住宅改修指導官として勤務。その後、国際医療福祉大学を経て、2012年3月から現職。斜面地の移動困難者を支援する機器開発に従事

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