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在宅の福祉用具 必要な時・必要なサービス

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 大倉法子さん(72歳)は、夫婦二人で公団の1階に住んでいる。いまは在宅医療やケアの甲斐あって、介護ベッドや歩行器、手すりなどを活用し、デイサービスに行っては趣味の歌を楽しむまでに回復した。

 しかし、「一時は、骨折を機に心身のバランスを崩して、立てなくなり、夜は痛みからの不安で泣いたりして、在宅でのケアは難しい時期が続きました」と、夫の喜(きよし)さん(76歳)は振り返った。

 法子さんが介護保険サービスを使うようになって4、5年がたつ。それまでも病気がちで、腸の働きが悪くカルシウムの体への取り込みが十分でなく、骨粗鬆症の症状がみられた。昨年初め、要介護2だったが、入所した老健施設で股関節を骨折した。

 脊椎の圧迫骨折も重なったが、当初は原因がはっきりせず、法子さんはその痛みと不安から心身状況が悪化した。骨折が判明し、市民病院に入院し骨折の手術を受けた。

 病院での手術後、4カ月間のリハビリを受けた後、ペインクリニックの居住施設を利用しながら治療を続けたことで、昨年7月に家に戻ることができた。その時は、まだ立ち座りをするのが精一杯で、まだまだ気持ちも安定していなかったと、喜さんは話す。

 「それまで、家に帰りたいけれど夫が大変なので施設にいたい、そうした思いが法子さんのメンタル面を不安定にさせていたのでしょう。

 夜もよく電話を掛けてこられました」というのは、福祉用具レンタル事業者、綜合メディカル(大阪府箕面市、酒井博人社長)の理学療法士、一ノ瀬千草さん。当初から、福祉用具利用のアドバイスで関わってきた。

 「体が痛いので、マットがなかなか合わず、何度か交換しました。私たちはご本人に合うものをと思い、しっかり対応させてもらいました。試用や変更ができるのはレンタルの良さですね」と一ノ瀬さん。

 在宅へ復帰して、ケアマネジャーとして、あかつき居宅介護支援事業所(箕面市、佐々木暁社長)の森上純子さんが担当することになった。要介護認定を受けると、要介護4に悪化していた。通院も難しい状況で、在宅医療が行われることになり、週2回、医師が訪問するようになった。

 「手術をされる頃から少し様子を見せてもらっていたのですが、在宅復帰になって担当になりました。最初からムリはしないで、少しずつ、サービスを広げていくようにしました。徐々に動けるようになってきたことで、体力も付き、気持ちも安定されて、日々の生活への意欲も高まっています」と森上さん。

 一ノ瀬さんは、いま、気をつけなければいけないのが転倒予防だと言う。

 「でも、転倒がこわくて、ベッドから離床しないのはよくないので、歩行器など道具を使ってでも外に出ることが大切だとすすめています」と。訪問リハビリテーションも活用され、自宅の周辺を歩行器を使って歩行訓練を受けるようになった。

 いま利用するサービスは、デイサービスと訪問リハビリテーションをそれぞれ週2回、デイケア、訪問看護、訪問診療を各週1回。日曜日を除いて、何らかのサービスを受けている状況。

 訪問看護の利用は、当初は入浴介助が目的だったが、いまではデイサービスの入浴や在宅で夫の介助での入浴ができるようになり、体調管理してもらっている。住宅改修で、トイレやお風呂の段差解消や手すりの設置を行った。

 「お風呂にはすのこがあったのですが、すのこの端に足がひっかかったので、洗い場全体にすのこを敷くようにしました」と一ノ瀬さん。トイレの段差も、当初、電話帳を置いて台にしていたのを取って、段差のないフローリングにした。

 用具は、これまでも、車いすや据置き手すりなどもレンタル利用したが、不要になり返却した。訪問美容を利用したり、以前は訪問の歯科や眼科も利用したことがある。

 福祉用具に限らず、その時々に必要なサービスや物を的確に使うことが、法子さんが在宅で元気に過ごしてこられた大事なポイントになっている。

 これからは「自分のことは自分でできるようになってくれるのを望んでいます」と、喜さん。

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