ケアマネジャーはじめ介護・医療に携わる皆さまへ様々な最新
情報を深く分かりやすくお伝えする「シルバー産業新聞」です。

Care-new.jp

大中小 テキストサイズ変更RSS

シルバー産業新聞

要介護者・介助者の双方が使いやすい特殊寝台

高齢者生活福祉研究所所長

加島 守さん  
 
P1030869.JPGQ 「特殊寝台」って私たちが普段使っているベッドとどう違うのですか?

A 「介護用ベッド」とも呼ばれる特殊寝台と市販のベッドとの大きな違いはリモコン操作ができることです。リモコンで、背もたれやひざの角度、ベッドの高さなどを調節することができる点が大きな違いです。背もたれの角度を調節することで起き上がる動作を助けたり、背もたれと膝を上げると食事などをとるとき楽な姿勢をキープすることができます。 ベッドの高さを調節すると、自分で立ち上がりやすい高さや介助する人が腰などを曲げず介助しやすい高さに合わせたりすることも可能になります。また利用者や寝具の落下を防ぐ「サイドレール」を取り付けられるのも特長です。

Q 介護が必要な人や介助する人が使いやすいベッドなのですね。でも特殊寝台はどれを選んでもあまり変わらないようにも思うのですが?

A 最近は特殊寝台の機能も多様化しています。先ほど挙げた「背上げ機能」「膝上げ機能」「昇降機能」に加えて、▽背上げ時にサイドレールも背もたれと連動して上がるタイプ▽背上げや膝上げと連動して足側が下がってリクライニング椅子に腰かけているような安楽な姿勢をつくるタイプ▽背上げ時に背中にかかる圧を軽減してくれるタイプ▽超低床で布団に近い感覚で使えるタイプ――などがあります。
 
 しかし、どんな機能を持った特殊寝台があるかを知ることが重要なのではなく、それぞれの機能を搭載した特殊寝台は、どのような方(介護を受ける本人)にとって必要なのかが重要ですので、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員の方に相談してみてください。利用者本人や介助者の方の状態にあった機能を選べば、より自分でできることを増やして、家族の負担を減らすことができるのです。

Q 自分にあったものを選ぶことが重要だと気が付きました。でも介護ベッドでも身体のはさみ込みなどの事故も起きているようです。いくら便利でも事故は怖いですが、どうすれば防ぐことができるのですか?

 消費者庁の重大製品事故報告によると、特殊寝台の死亡事故は手すりと手すりの間のすき間や、手すりとへッドボード(頭側の板)とのすき間に手足や首を挟むケースなどが多いようです。また手すりに腕や足などを挟んでしまって、骨折など重傷事故も発生しています。
 
 しかし「介護用ベッドや手すり自体が危険」というわけではありません。例えば片マヒの方は長時間背上げをしているとマヒ側に傾いてしまい、すき間に挟まれてしまうことが考えられます。このような場合には傾きを生じない時間の範囲内で背を下げる、もしくは体が傾く側に枕やピローなどを挟んでおくという対応策を最初から行っていれば事故に至らなくて済むでしょう。また手足の挟み込みですが、背上げ機能を使用するときなどマヒ側の手足が挟まれる可能性のある場合、リモコンを押すときにはマヒ側の手足が挟まれないように布団をめくって確認しながら行ったり、挟まれないようにピローやバスタオルですき間をふさいでおくなどの対応策を行うことで防ぐことができるでしょう。

 介護保険を使って特殊寝台をレンタルする場合、使用方法や注意点などが「福祉用具サービス計画書」の留意点に書いてあります。福祉用具専門相談員の説明をよく聞いて安全に使用していただきたいと思います。

プロフィール

 1980年医療ソーシャルワーカーとして勤務後、理学療法士資格取得。越谷市立病院、武蔵野市立高齢者総合センター補助器具センター勤務を経て04年10月高齢者生活福祉研究所設立し現職。「在宅介護ですぐに役立つ福祉用具の基礎知識」(シルバー産業新聞社)など著書多数(15年9月現在)



 

  • 福祉住環境コーディネーター検定試験
  • SSL グローバルサインのサイトシール