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シルバー産業新聞

理学療法士と福祉用具

日本理学療法士協会

副会長 小川 克巳さん

02_小川副会長.JPG 今年も「福祉用具の日」がやってくる。この日は私にとって福祉用具との関わりを中心に一年を振り返る良い機会となっている。 さて、福祉用具関連の話題でやや気になっているのは、先の介護保険法施行令、介護保険法施行規則の改正である。これにより福祉用具専門相談員指定講習時間が内容の改定を伴って10時間増加するとともに、修了評価試験が課されるようになった。加えて、これまで認められていたホームヘルパー2級・1級、介護職員基礎研修終了者が外され、福祉用具専門相談員の資格要件が厳しくなった。

 理学療法士は福祉用具専門相談員としての要件を満たすとして特に指定講習の受講義務等はないが、身体機能や障害学及び治療等については当然のことながら専門職としての知識や技術は保有されているものの、昨今の、特に若い理学療法士に福祉用具に関する知識がどの程度あるのかについては、残念ながら甚だ心許なく感じる。もちろん訪問理学療法など地域又は在宅リハビリテーションに深く関わっている者には、その方面の知識や技術は保有されているはずではあるが…。

リハビリの理念に沿った専門職
 
 福祉用具の定義は、いわゆる福祉用具法によれば「心身の機能が低下し日常生活を営むのに支障のある老人又は心身障害者の日常生活上の便宜を図るための用具及びこれらの者の機能訓練のための用具並びに補装具をいう」と定められている。ここには「日常生活上の便宜」と「機能訓練」というふたつの視点が明記されている。昨今、身分法上の定義を離れて、とかくその専門性の相違がわかりにくいと評される理学療法士と作業療法士だが、これらふたつの視点は理学療法士と作業療法士のいずれであっても「リハビリテーション理念」に沿って誕生し、発展してきた専門職として共有されるべき視点であり、専門性の違いによって決して分離されるものではない。

 昨今、ともすれば治療科学としての理学療法ばかりに意識が向きがちな理学療法士には、特に心すべき事項であり、いま自らが行っている理学療法の向こうにその人が暮らしを営む姿をイメージすることを忘れないで欲しいと念願してやまない。
 

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