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本人らしい生活を支える福祉用具

福祉用具は早期導入が重要

 埼玉県在住の田中悦子さん(79歳)は、自室のベッドサイドに据置き手すりを導入している。以前、自宅内の布団につまづいてしまったことがあり、離れて暮らす娘の美保子さんは、非常に心配していた。「一度そういうことがあると不安ですよね。ベッドからの起き上がりも難しそうでした」と導入前の田中さんの様子を振り返る。娘さんからの相談を受け、手すりの導入を提案したのは、川口市の南平地域包括支援センターの主任ケアマネジャー、大野とよさん。田中さんは要支援1だが、「自立支援のためには、出来ることを増やしていくことが大切です」と、早い段階からの福祉用具導入の重要性を強調する。手すりを選定したシルバーホクソン(埼玉県川口市、梅田成道社長)の福祉用具専門相談員、高橋幸伸さんは「起き上がり支援、歩行支援はもちろんですが、田中さんの場合、手すりがベッドの柵代わりにもなっていて、転がり落ちるリスクも減らせます」と、一つの用途だけに留まらない福祉用具の活用法を説明する。

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 実用性だけでなく、デザインや大きさなどについても利用者と相談する。田中さんの場合は、介護用ベッドや突っ張り手すりなどの選択肢も考えられたが、場所をとらないように据置き手すりを選定した。「福祉用具は、本人やその家族の生活状況に合ったものを選定しなくてはいけません」と、高橋さん。半年に一度、利用者宅を訪ねて状況を確認するほか、利用者やケアマネジャーからの要望には細やかに応じる。利用者の状態は随時変化していくからだ。高橋さんは「導入時の適切な設定や不要になった際の処分、それに金銭面などを考えると、状況に合わせて福祉用具を変えるといったことは、個人では中々難しい。レンタルなら、それらができます」と、福祉用具貸与の強みを話す。

 手すりの導入後、田中さんは生活の変化を実感している。「前みたいに起き上がりに時間がかかることも、起き上がったあとに少し休んで、ということもないんです」と、すぐ次の行動に移れる便利さを語る。安心かつスムーズに動けることで、やりたいこと・やれることも増えたという。

1本の手すりが引き出す可能性

 ケアマネジャーの大野さんは「福祉用具には、行動範囲を広げるという身体的な効果だけでなく、『自分はできる』と思わせる精神的な効果があります。たった1本の手すりが、本人の可能性を広げ、自分らしい生活の実現に繋がるのです」と、福祉用具の広い有効性について語った。

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