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シルバー産業新聞

180万人が利用する福祉用具サービス

厚生労働省老健局振興課長

辺見 聡さん

辺見課長.jpg 在宅で介護を受ける高齢者や介護を行う家族などが共に住み慣れた住居で生活を続けるための環境の整備は、地域包括ケアシステムの構築にあたり極めて重要な要素です。こうした環境整備の一環として、介護保険制度においては、制度施行当初から福祉用具サービスを基本的なサービスと位置付けています。

 介護保険における福祉用具のサービスは、変化しやすい高齢者の状態に対応できるよう原則レンタルで行われており、車いすや特殊寝台などが給付対象になっています。利用される方には、要介護度毎の区分支給限度基準額の範囲内で、レンタルに要する費用の9割分、一定以上の所得のある場合は8割分が給付されます。また、腰掛便座や移動用リフトのつり具など、再利用に心理的抵抗感があるものや形状が変化しやすいものは、1年度間10万円を限度として、購入に要した費用の9割分が給付されます(10万円の福祉用具を購入した場合、9万円または8万円を給付)。こうした福祉用具サービスを利用する方は年々増えており、制度施行当初約27万人に対して、2015年4月現在約180万人となっています。

福祉用具専門相談員の資質向上

 このような福祉用具サービスを提供する事業所は、福祉用具貸与(販売)事業所と呼ばれ、介護保険制度において運営基準を定めており、保管・消毒に関する設備などの基準や、福祉用具専門相談員という、利用者に適した福祉用具の選定や適切な利用を説明する専門職種を2人以上配置するなどの基準を満たしていることが必要になります。福祉用具専門相談員は、福祉用具が自立支援等の目標に沿って効果的に活用されるために大切な役割を担っており、その資質向上を図るため福祉用具専門相談員となるための指定講習カリキュラムの見直し等に取り組んできましたが、さらに今年度からは福祉用具貸与・販売に関する必要な知識の修得及び能力の向上といった自己研鑽に常に努めることを義務化したところです。

 また、様々な介護ニーズに対応できる実用性の高い介護ロボット等が開発されるよう、経済産業省と連携して移乗介助や移動支援など(5分野8項目)重点的に開発支援する分野を定め支援をしています。経済産業省では機器開発に関して支援を行い、厚生労働省では福祉用具・介護ロボット実用化支援事業により、開発の早い段階から試作機器の有効性の評価を行うモニター調査などを実施し、実用性の高い介護ロボットなどの開発・実用化を促す環境を整備しています。

 なお、介護ロボットに関しては、15年2月10日に「ロボット新戦略」が日本経済再生本部において決定され、政府として介護分野を含む様々な産業分野でロボットの活用を推進していくこととしております。具体的に介護分野については、高齢者が介護ロボットを活用することにより、要介護状態になっても住み慣れた地域で自立した生活を継続することを実現するとともに、介護従事者の身体的負担を軽減する介護ロボットを介護現場に導入することにより、安全で安定した職場環境づくりを推進していきます。 今後も引き続き、要介護者の自立した生活の支援、介護者の負担軽減等に資するよう、福祉用具に関わる環境の整備を促進してまいります。

プロフィール

 1990年厚生省入省。老健局振興課課長補佐、障害福祉課長などを経て、2014年7月から厚生労働省老健局高齢者支援課長、15年7月から現職(15年9月現在)

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