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福祉用具の研究開発・普及・国際標準化・安全推進へ

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経済産業省 商務情報政策局 ヘルスケア産業課

医療・福祉機器産業室長 覚道 崇文氏

 

プロフィール

1992年4月旧通商産業省入省。工業技術院、資源エネルギー庁、機械情報産業局、原子力安全・保安院、製造産業局等を経て、2012年4月より商務情報政策局ヘルスケア産業課医療・福祉機器産業室長(現職)。 

 

 

 

 今日、かつてない急速な高齢化のただ中にある我が国においては、介護を必要とされる高齢者や障がい者の方々の生活の質の向上と自立や社会参加の促進、また介護をされる方々の負担の軽減の観点から、多種多様な福祉用具に対するニーズがますます高まっております。

 日本福祉用具・生活支援用具協会(JASPA)によると、1993年度に7735億円であった福祉用具市場の規模は、2010年度には1兆1504億円と約1.5倍に成長しています。 

 こうした中、12年7月に閣議決定された「日本再生戦略」では、その重要な柱の一つである「ライフ成長戦略」において、「ロボット技術による介護現場への貢献や新産業創出/医療・介護等周辺サービスの拡大」を重要施策に位置づけるなど、福利用具や関連産業を我が国の成長を牽引する産業として位置づけていく方針を打ち出しています。

 このような背景を踏まえ、経済産業省では、福祉の増進に貢献する福祉用具産業の発展に向けて、大きく3つの取り組みを推進しています。

 1つ目は、福祉用具の研究開発及び普及の推進です。具体的には、「福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律」に基づき、独立行政法人新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)を通じて、民間の優れた技術や創意工夫のある実用的な福祉用具の開発を行う企業等に対して、開発費用の一部を助成しています。本事業を開始した93年以降、現在までに183件の開発補助を行い、うち95件が実用化されて、高齢者や障がい者の方々の生活の質の向上、自立支援、社会参加の推進に大きく貢献してきています。これらの成果を国内外に広く普及させるため、日本貿易振興機構(JETRO)と連携した海外での展示会出展支援や輸出相談なども実施しています。また、福祉用具開発に関する技術動向やユーザーニーズの動向等に関する調査・分析を実施し、事業者への情報提供を図っています。

 2つ目は、アジア諸国の市場を開拓するための国際標準化の推進です。人種の体系が似ているアジア各国については、体型の違いによる製品スペックの変更を必要としないため、欧米に比して我が国製品に競争優位があると考えられます。このため、国内で開発するJIS原案を基に、北東アジア(日本、中国、韓国)標準協力フォーラムの場を活用して、座位変換機能付き車いす、体位変換用具、据置型手すり、シルバーカーの高齢者介護用品の国際標準化を推進し、海外市場における我が国の福祉用具産業の競争力強化に努めています。

 3つ目は、製品安全の推進です。福祉用具を利用される方々の多くは高齢者や障がい者であることから、安全性に優れた福祉用具の開発・普及や、利用者への適切な情報提供が重要です。そのため、福祉用具のJISの整備を進めており、これまでに、車いすや視覚障害者用誘導ブロック、家庭用段差解消機、移動・移乗支援用リフト、車いす用可搬形スロープなど約40の規格を整備しています。08年からは、「福祉目的付記型JISマーク」の認証制度を開始し(手動車いす・電動車いす及び在宅用電動介護用ベッド)、わかりやすい文字とデザインのJISマークを貼付した製品の普及により、製品事故の防止と福祉用具産業の健全な発展に努めています。

 また、介護ベッド用手すりによる事故の未然防止のため、09年3月、JISを改訂し、手すりのすき間についての基準を強化するとともに、10年10月、経済産業省からベッドの製造事業者等に対して、対策部品の取り付けに関する施設管理者等への周知徹底の要請を行いました。さらに本年6月には、全国の都道府県等の関係部局宛に文書を発出し、全国の病院、介護施設及び福祉用具貸与業者等に対し、介護ベッドの安全使用のための注意喚起と点検の依頼を行うとともに、関連団体に対して点検に当たっての協力依頼を行いました。

 経済産業省といたしましては、今後とも社会に求められる福祉用具の研究開発や海外展開、製品事故の防止の取り組みを進め、福祉の増進に貢献する福祉用具産業の更なる発展に向けて取り組んでまいります。

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