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シルバー産業新聞

福祉用具は日常生活を豊かにするための道具

「福祉用具の日」推進協議会

会長 山下 一平さん

 「福祉用具の日」が創設されてから、今年で11年目を迎えました。昨年は10周年記念事業として、「福祉用具のある風景」というテーマでフォトコンテストを開催し、北海道から沖縄まで、全国から296作品もの応募があり、大変な盛り上がりでした。ご応募いただいた皆様、またイベントにご協力してくださった関係者の方々には、この場を借りてお礼申し上げます。

 この「福祉用具の日」は、厚生労働省、経済産業省共管の法律「福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律」(福祉用具法)の施行日である10月1日にちなみ、日にちが決定されました。11年目となる今年も例年通り、9月と10月を「福祉用具の日」推進月間として、一般の方に向けて福祉用具を身近に感じられるイベントが全国各地で行われています。「福祉用具の日」推進協議会としましては、今年度から新たに公益社団法人日本理学療法士協会が構成メンバーに加わり、計6団体による活動がスタートします。

 福祉用具は高齢者、障害者の日常生活や社会参加にとって大切なものです。しかし、一般的には余りなじみがないので、必要な状態になっても、その存在を知らなかったり、知っていても、特に高齢になって障害を持たれた方に多くみられる傾向として、周囲の目を気にして使うことをためらいがちになりやすいということがあります。私は福祉用具を、日常生活を営む上で弱ってきた機能を補う、お助けグッズのように、もっと気楽に利用すべきものだと考えています。やがて高齢化率40%を超えると言われている我が国においては、高齢者や障害を持つ人が使う特別のものではなく、日常生活を豊かにするための道具という認識に変わるべきだと思っています。

 このような福祉用具の存在と大切さを一般の方にも広く知っていただくため、「福祉用具の日」の活動を続けてきました。福祉用具の価値を理解している多くの方が10月1日を意識し、なんらかのアクションを起こせば、その一つひとつが小さなものであっても、同時であれば手拍子のように大きな音となり、日本中の人にアピールできるのではないかと思います。 この1年の間に、福祉用具をとりまく状況も大きく変化してきました。2000年にスタートした介護保険制度は、今年の4月に2度目の制度改正が行われ、福祉用具サービスにおいては、「福祉用具サービス計画書」の作成が義務付けられました。この「福祉用具サービス計画書」には、福祉用具専門相談員がご利用者やご家族の状況やニーズを確認し、選定した福祉用具の選定理由を記入します。また、留意事項の欄に福祉用具をご利用される上での使い方やリスクも記載されます。これにより、より安全安心に福祉用具を使っていただけるようになり、福祉用具がその効果を最大限に発揮できる社会の実現へ一歩近づくことができました。

 世界的にも急速な高齢化が進むなか、日本においては2055年には全人口の2.5人に1人が65歳以上の高齢者となる社会が到来するといわれています。介護を必要とする人が増加する一方、それを支えるマンパワー不足はより深刻となります。このような社会において、福祉用具こそが救世主になると私は確信しています。より多くの方が効果的に福祉用具サービスを受けていただき、「自分でできること」を増やすことができれば、自立支援に寄与し、介護にかかる負担の減少にもつながります。

 福祉用具業界を取り巻く環境はまだまだ厳しいものですが、将来を見据え、皆様に福祉用具の素晴らしさを知っていただき、福祉用具が日常生活の中で自然に使われる社会の実現をめざし、今年度もより一層の活動に努めてまいります。
 

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