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歩行支援 「身体状況に適した歩行支援器具を」

walks_f101.png東京都福祉保健財団人材養成部

普及推進室地域支援担当相談員

理学療法士 望月 彬也 氏

プロフィール
 事故により左大腿骨を骨折、股及び膝関節が不随となる。治療の過程で理学療法士に出会い、それが縁で理学療法士に。介護支援専門員、中小企業診断士、工業デザイナー、望月彬也リハデザイン代表取締役。 

 人間は一日寝たきりでいると全身の筋力の1.5%が低下すると言われています。また運動によりある程度の負荷をかけなければ骨は弱ってしまい骨粗鬆症を発症したり、筋肉を使わないと血液の循環も悪化します。運動の中でも基本となる「歩くこと」はとても重要だといえます。

 自立歩行が難しくなった場合にも、閉じこもりや寝たきりにならず、様々なタイプがある歩行支援機器を活用し歩行や外出の機会を作っていくことが必要です。ただし、その際にポイントとなるのは自身の残存能力を活かすことができる用具を選ぶことです。動作が楽になるからといった理由だけで安易に選んでしまうと、本来の身体機能を逆に低下させる原因になりかねません。福祉用具販売店の専門相談員などに相談して、身体状況にあったものを使いましょう。また用具にはそれぞれ正しい使い方や適した環境があるので注意が必要です。

歩行支援機器の種類

 杖は歩行が不安定であるといった場合のバランス保持に有効です。一般的なステッキから握力が低下した人向けや接地点が多く安定性の高いものなど種類も豊富で身体状況にあったものを選ぶことができます。

 歩行器は両手で扱う補助用具で四脚が付いています。4点で接地するので、杖よりも安定した歩行が可能です。またフレームの中に身体を入れて使用するので、前屈みになることなく、姿勢保持にも有効です。ただし平らな面でないと、安定しないので屋内向けといえます。また幅が大きいと狭い通路やスペースで使用できないので注意が必要となります。

 最後にシルバーカーは、バー状のハンドルを握り、前屈みの歩行姿勢をとるため、自立歩行が可能な方の使用が想定されます。疲れたら腰掛ける座面や手荷物を収納するバスケットなどが付属された製品も多く、体力に自信のない方や買い物など外出に向いています。

 いずれの用具にしても、身長など体格に合わせて使用しなければなりません。グリップ部の高さは、正しい立位をとり、腕を垂直におろした手首の高さに調節します。そうするとグリップを持った時に、自然と肘を固定しやすい角度が作られます。これは住居に手すりを設置する際等にも利用できる調節方法です。

 歩行支援機器を使う場合には、残存能力を活かしつつ、いかにその能力を維持していくかがとても重要な視点です。自立歩行が可能であれば、四六時中用具を使うのではなく、疲れた時や体調が優れない時に使用するなど、うまく付き合っていくことが必要でしょう。

<福祉用具の日しんぶん2011年号>

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